奇行の裏で…和歌山小5殺害犯に「妄想性人格障害」の疑い | 国際そのほか速

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奇行の裏で…和歌山小5殺害犯に「妄想性人格障害」の疑い 和歌山県の市立小5年の森田都史くん(11)殺害事件で気になるのは、逮捕された中村桜洲容疑者(22)の“二面性”だ。

「桜洲容疑者は<(犯行時刻には)自宅でテレビを見ていた>などと容疑を否認している。取り調べでは雑談に淡々と応じていたかと思ったら、突然机の上に上がって仁王立ちになったり、奇声を発したりするそうです」(捜査事情通)

 桜洲容疑者の奇行は近所でも知られていた。捜査当局は桜洲の精神鑑定を検討しているというが、兵庫県警元刑事の飛松五男氏の見方は違う。

「桜洲容疑者には、計画的かつ冷静に犯行に及んだフシがある。わざわざ殺傷能力の高い“ククリナイフ”を凶器に選んでいるし、犯行後に凶器を洗って証拠隠滅を図ったとみられている。それにちゃんと人目を避けるように犯行現場の空き地に向かっています」

■キチンとした口調で「迷惑はかけませんから」

 ジキルとハイドじゃないが、人物像に“ブレ”があるのだ。

「近隣住民が、犯行直前に現場付近をうろついていた桜洲容疑者とみられる男を目撃していたのです。不審に思った住民が声をかけたら、男は<迷惑はかけませんから、気にしないでください>と、きちんとした口調で答えたそうです」(前出の捜査事情通)

 桜洲容疑者の自宅で押収された刃物からは血液反応が確認され、森田くんのDNA型と一致した。ほぼ“クロ”で間違いないだろうが、単なる衝動的な粗暴犯では片づけられないだろう。

 臨床心理士の矢幡洋氏は「桜洲容疑者には妄想性人格障害の疑いがあります」とこう続ける。
「周囲の人間は自分の悪口を言っているに違いないといった被害妄想が病的に強く、周囲や社会に対する恨みや怒りを一方的に募らせていきます。ただ、もともと臆病なタイプなので、他人と関わるのを避けたがって、一般的には孤立した生活を送りがちです」

 それゆえ、周囲からは「偏屈な人」などと見られるだけで、病的な部分に気づかれないまま終わることが多い。そうした自分の負の感情を制御できるタイプもいるが、まれに“攻撃”に転じる場合があるという。

「被害者の少年に対しても、一方的に恨みや怒りの感情を持っていた可能性はある」(矢幡洋氏)

 殺害動機がそうだとしたら、何ともやり切れない。