土砂災害「危険1237か所」 残る調査急ぐ | 国際そのほか速

国際そのほか速

国際そのほか速

 広島市で昨年夏に起きた土砂災害を機に改正された土砂災害防止法に基づき、県は10日、警戒区域の指定に向けた基礎調査の結果を公表した。危険と判断された場所は22市町村で1237か所に上るが、約1万か所は調査が終わっておらず、県は調査を急ぐ方針だ。

  1月に施行された改正法では、警戒区域などに指定する前の基礎調査が終わった段階での公表が義務づけられ、危険な場所に関する住民への情報提供が今までより半年ほど早まった。

  今回公表されたのは、土石流や急傾斜地崩壊の危険がある場所で、名古屋市65か所、岡崎市146か所、豊田市396か所、西尾市111か所など。警戒区域への指定は住民説明の後になるが、これらのうち1084か所がより危険度の高い「特別警戒区域」に指定される見込みという。

  県の推計では、土砂災害のおそれがある場所は1万7783か所。一方、警戒区域は、今回公表された指定見込み分も含めて7147か所と4割ほどにとどまっている。指定による地価の下落を懸念する住民の説得などに時間がかかることも一因で、県砂防課の担当者は「危険を認識してもらうためにも、粘り強く説明するしかない」と話す。

  改正法の施行に伴い、国土交通省はおおむね5年以内に基礎調査を終えるよう求めている。県は今年度、前年の倍近い4億8000万円をかけて調査を行っているが、新年度はさらに増額して調査を急ぐ。

  調査箇所は県のウェブサイト「マップあいち」(http://maps.pref.aichi.jp/)で確認できる。