
- 応援隊の初会合であいさつする柴田子育て推進部長(中央)(8日、山形市松波の県庁で)
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独身の県職員の結婚を後押しするため、山形県は8日、「県庁花咲か応援隊」を発足させた。各部局から最低1人任命される「サポーター」が応援隊に参加し、部局内の独身職員の婚活を支援する。
県が率先して「身内」の婚活を進めることで、民間企業など県内全体への波及を目指し、人口減少への歯止めにつなげたい考えだ。
県は昨年6月に人口減少対策に取り組む部局横断のプロジェクトチームを発足させている。施策の一つとして県庁内での取り組みも盛り込まれており、今回の応援隊の発足につながった。
県によると、2009年度は県庁の知事部局職員4402人のうち23・3%にあたる1024人が独身だった。14年4月1日時点では職員4106人のうち25・9%にあたる1065人が独身で、その割合は増えているという事情がある。
応援隊にはサポーター29人が参加し、「隊長」は柴田智樹・子育て推進部長が務める。サポーターは部局内の独身職員の人数や、結婚に向けた支援が必要かなどの現状を把握し、男女の出会いの場を企画するなどの取り組みを進める。
また、応援隊の事務局を務める県子育て支援課は、独身職員が婚活イベントに参加しやすい環境を整えるため、定時退庁を呼びかけたり、業務上の負担を見直したりするなど、各部局に協力を求める。
この日の初会合では、出席したサポーターから「結婚していない人はうまくアピールできていない。気楽に参加できるイベントが必要」「独身職員が結婚しない理由を調査し、理由に応じた対応を考えるべきだ」などの意見が出された。一方、「支援が必要かをどう見極めるのか」「独身かどうかを把握することがセクハラに該当しないか」などの疑問や不安の声も上がった。
今後、応援隊はサポーター同士の情報交換を行うほか、イベントの企画や、独身職員へのイベント情報提供などを進めていく。
応援隊長の柴田部長は「結婚は個人の考え方が大きい問題。独身職員がサポートを受け入れやすいよう試行錯誤していきたい。最終的には県全体に広がる取り組みにしたい」としている。