IFRS自体のフィーバーは8月末の某大臣の発言により一旦はトーンダウンしたようである。
しかし、監査の現場において日本基準を適用している企業であってもIFRSは着実に、じわじわと浸透しつつあるというのが私の肌感覚だ。特に収益の認識基準である。これは日本における会計基準と呼べるものが、企業会計原則の実現主義と我が国の収益認識に関する研究報告といったところであることに由来する(工事進行基準やソフトウェア取引は除く)。研究報告においてIAS18号の考え方は実現主義と本質的な違いはないと整理されていることから、実現主義の具体的条件としてIAS18ないしは公開草案「顧客との契約からの収益」(いわゆる「ED」)を参照することが収益認識の実務の潮流になってきている。
したがって、企業会計の現場においては、IFRSを導入しているか否かにかかわらず、収益認識や無形資産といった日本の会計基準が必ずしもきちんと整備されていないような分野からIFRSをスタディし、必要に応じて会計処理に取り入れていく方が良いのではないかと考える今日この頃である。
たまにはちょっと難しい話をしてみた(なので「である」調)。
*上記解釈は私の所属する監査法人の公式見解ではなく、あくまでも私見である。