朝の満員電車の出来事 | ポジティブな生活2

結構前の事ですが、朝の駅でちょっとした事があったので書いてみました。


文才のない俺が無理して小説風にまとめてみました(^^;





その日の朝、俺はいつもの様に駅のホームで電車を待ちながらDSをプレーしていた。

何ら変わりない日常だ。

ただその日は少し違った。

この平凡な朝に少しスパイスを効かせてくれた。


いつもの様に時間通りにやって来た通勤特快に乗り込む。

とその時、後ろで大きな声がする。

「誰か財布落としてるよ!」

40過ぎだろうか、二人組の男性。

その男の手には折り畳みの黒い財布が握られていた。

一瞬、自分の財布かと思い、思わずコートの内側を確認する。

当然俺の財布はある。

周りの人もそう思ったのだろう。

皆一様に自分の財布を確認する。

誰も名乗り出ない。


「財布、財布!」

男はそう言いながら財布を開け、中に入っていた免許証を取り出し更に叫ぶ。

「太田さ~ん、太田さん!」

恐らく免許証にはその名前が書かれてあったのだろう。


その時、近くに居たおばさんが呟く。

「さっき降りて行った人達のじゃない?」

男はそれを聞くと、今にも閉まりそうなドアへ素早く移動する。


一方その頃、ホームでは一人の青年が顔を青くし、辺りをキョロキョロしながら何かを探しているかの様に歩いている。

「きっとあの人のよ!」

おばさんはその青年を指差しながら言う。

だが無常にもそこでドアは、残念だったねと言わんばかりに閉まる。

周りからは「あぁー」とため息まじりの声が聞こえてくる。

男はドアを力強くノックしながら黒い財布をドア越しにちらつかせる。

外の青年はそれに気付いた様で、一瞬安堵の表情を浮かべた。

だがすぐに状況を察知したのだろう、次の瞬間表情は焦りに変わり、ドアの前にダッシュ。

ほんの目の前に自分の財布があるのに手に出来ない悔しさ。


そして電車は何事もなく走り出した。

「非常停止ボタン押すか!?」

もう一人の連れの男は言う。

だがここで動き出した電車を止めては、確認作業が取れるまで恐らく数分は止まってしまう。

何百人という人達の足に迷惑をかける事になる。

男はそう思ったのだろう。

財布を手にしながら電車の進行方向を指差し「新宿、新宿!」と青年にジェスチャーする。

その意味が外の青年にも伝わったのか、その場で頭を下げお礼をする。


そして走り行く電車の中、男は「でも俺、四谷なんだよな。新宿で降りてたら遅刻しちゃうわ」

連れの男「新宿のホームに居る駅員に預けろよ」「そうだな」

そして電車は新宿に着き、ドアが開くと同時に男は財布を手にダッシュで走り去って行った。

その後の男の行方は誰も知らない.....


「落とされた財布の行方~完」  著者:sige






以上です(^^

その青年は新宿駅で無事財布を手に出来たんでしょうかね。。。


今から思うと、窓開けて財布を外に放り投げるとかいう選択肢もあったかも。


自分も一度だけ、新宿駅で電車の中の網棚にカバンごと置き忘れるというヘマをやらかした事がありましたが、その時はパニくりましたね!


速攻、落し物係りの駅室に駆け込んで状況を伝えて、次の駅で駅員に手配していただきましたが。


それ以来、網棚には物を乗せない様にしていますチョキ