2015年5月22日
白河メドウゴルフ倶楽部のキャッチフレーズは「天空のゴルフリゾート」である。
標高は960メートル。東北一の高さだという。那須連峰の北の端、福島県の羽鳥湖高原に広がる文字通り高原のゴルフ場である。
メドウと言う名前はどこから来たのか?
メドウの意味は牧草地や放牧場を意味しているが、ゴルフ場の名前の由来は戦前にさかのぼる。
白河メドウゴルフ倶楽部がある場所は、戦前は軍馬の放牧場であった。コース内に放牧場の名残もある。馬止めの土塁が今でも残っているという。
このゴルフ場が開場したのは1991年(平成3年)である。
ゴルフ場を開発したのは平和観光開発(株)。不動産分譲のデベロッパーである。
平和観光開発は1962年(昭和37年)に栃木県の那須高原の開発に着手、1971年には羽鳥湖周辺の開発に乗り出した。そして「羽鳥平和郷」をゴルフ場として造成した。
地形的に恵まれていて、見晴らしが良い。天気が良ければ関東平野も望める。
雲を眼下に見るといった風情がある。
高原の風は下界とは打って変わって爽やかだ。
ゴルフ場は賑わっていた。JRのディステネーション・キャンペーンが福島県と言うこともあるのかもしれない。関東地方からの来場者が多い。
白河や県南地方はゴルフ場が多い。新幹線の新白河駅から1時間以内のゴルフ場は16あるという。
こうしたゴルフ場がディステネーションキャンペーンに乗り遅れまいと、一致結束して誘客作戦を展開していた。その名も「東日本屈指のゴルフゾーン・しらかわゴルフタウン」である。
しかし、ゴルフ場同士が力を合わせるといっても、ライバル関係にあることは間違いない。
この日の白河メドウは「勝ち組」に入っていたようだ。
ティーグラウンドにはピン方向を示す、白い矢印のプレートがある。
霧で見えなくなるための対策であろう。この日は爽やかな五月晴れ、むしろ暑いくらい。この矢印のプレートの世話になることはなかったが、高原だけに霧対策は不可欠なのであろう
コースは日本を代表する設計家 加藤俊輔の設計だ。全体に緩やかにうねってりるが、決して狭くはない。
ただ樹木も多い。この樹木がフェアウエイを狭く見せている。
見通しが良い分、樹木がプレッシャーをかけてくる。
この日の巨匠はショートホールが鬼門であった。比較的長いショートのためにクラブ選択に迷いがあるようだ。その迷いはショットに表われる。大きいのか、小さいのか、微妙な心の揺れが、いつものリズムを完璧に破壊してしまった。
メンタルなスポーツであることを見せつけられた。
名人は巨匠とは反対に、ショートホールが絶好調であった。弱気の虫がショートホールでは消え失せた。
しかし、ショート以外では乱れた。原因は何時も不明のままだ。それでも、今度こそ、今度こそ、とゴルフ場に通う。いつか開眼することを夢見ながら。
今回はゲスト迎えた。年齢を感じさせない飛距離、熟練の技、そして、何よりも大きいのが「大いなる自信」である。
悪いことは一切考えない。いいことだけを自らに言い聞かせている。これぞ、メンタルに強いゴルフの神髄かもしれない。
しかしグリーン上ではこのたぐい稀な能力は発揮できなかった。
入りそうで入らない、そんなイライラに付きまとわれたが、スコアは何とかまとめた。技と心の賜物か。
ボリュームがある。からそうに見えるが、柔らかい。洋風の味付けで独自のチゲ鍋だった。「もつ」の量が多いことに圧倒された。
これはゴルフ場を経営する平和観光開発が設置した風力発電所だ。その名は「羽鳥平和郷風力発電所」。1995年(平成7年)に操業を始めた。平和観光開発は電力を自給することで自然と共存することを目指したという。再生可能エネルギーが注目を集めているだけに、こうした姿勢は評価できる。ただ、風車が風を切る音は意外に大きい。気の弱いゴルファーはショットやパットに心を乱されかねない。風力発電所があるくらいだから、風の中のゴルフは覚悟の上で挑戦することだ。