福島石川カントリークラブ | ゴルフ場探訪記 in 福島

ゴルフ場探訪記 in 福島

震災と原発事故で大きな打撃を受けた福島県のゴルフ場、様々な歩みを体験リポートする。

福島石川カントリークラブ


2015年6月17日


究極の人件費節約ゴルフに挑んだ。場所は福島石川カントリークラブ。

まず、プレー料金から入ろう、1ラウンドで3千円台、シニアならば免税で更にリーズナブルだ。

この格安プレーは期日限定だという。通常営業日とは別に特定の日を定めている。

この料金でプレーするということはどういうことであろうか。ゴルフ場到着からの流れを紹介しよう。

クラブハウスの入り口にはこんな看板があった。
セルフでバッグ

「キャディバッグは、マスター室前の、乗用カートまでお運びください」とある。

運ぶだけかと思ったら、自らキャディバッグをカートに積みのである。運搬も積み込みもすべてセルフだ。

カートには番号が割り振られておりマスター室の指示がある。さて、カートにキャディバッグを固定する。

もちろんこれもセルフであった。

固定するベルトの位置を確認しながら、なんとか積み終える。

初体験の戸惑いはあるが意外と簡単だ。


着替えをするロッカーは閉鎖している。したがって、車の中でゴルフシューズに履き替えておかなければならない。クラブハウスに入るときはプレー直前の装いでなければならない。


昼食レンジ
ゴルフの前にコーヒーを飲んで気持ちを落ち着かせるといった御仁にはセルフのコーヒーメーカーが置いてあった。


通路にコーヒーメーカーが置いてある。1杯100円。紙コップを受け皿において、抽出する仕組みだ。

の日は誰もコーヒーを飲んでいなかった。ただゴルフをするだけのために来る格安プレーだからであろう。


料金は前払いのみである。現金をキャディマスター室に支払い、そのままスタートだ。

スタッフも少ない。この日見かけたスタッフはクラブハウス内では3人だけだった。

スタートしたら自己責任でどうぞと言うスタイルが徹底していた。

我々もあわただしくも、軽やかにスタートした。

福島石川カントリー倶楽部は1978年(昭和53年)に開業した。
27ホール

コース紹介には名匠 冨澤誠造設計の表情豊かなコースとある。緩やかな丘陵に造られた27ホールだ。

確かに、各コースとも、ブラインドになるホールがほとんどないため、安心してプレーができる。
コース1

緩やかなアンジュレーションに、時折姿をみせるクリーク、豪快さと繊細さを併せ持ったコースは上級者には人気があった。
コース2



コース3






そんなゴルフ場にも経営の厳しい現実に直面する時期があった。

平成23年に保有会社の福島グリーンシステムが民事再生法の適用を申請。リゾートソリューション(㈱)のもとで再建を図ることになった。
クラブハウス

結局、リゾートソリューション(㈱) 略称「りシル」グループの系列ゴルフ場として、平成24年に新たな一歩を刻み始めた。

経営交代によって、料金体系も変わった。客単価を下げても、入場者を増やすことで活気を取り戻そうという狙いがあるように思える。

究極の人件費節約のプレー日もこんな思惑から生まれたのであろう。



昼食メニュー
人件費節約プレーの昼食メニューはインスタントラーメンと冷凍おにぎりである。

キャディマスター室の前にカップラーメンが積んである。その横には透明の冷蔵庫の中に冷凍おにぎりが整然と置かれていた。

我々は何気なくパックに2個入った冷凍おにぎりを取り出した。

これを横にある電子レンジで温めるのである。

2分程度かなと思って取り出し、思い切りかぶりついた。

ところが中は凍ったままだった。更に2分、電子レンジで温めた。

しかし、それでも中は冷たい。えいやっと飲み込むことにした。

クラブハウスのスタッフに聞いたら5分は温めないと冷たいのだという。

最早、ゆっくりと昼食をとることはあきらめざる得ない。
昼食おにぎり

おにぎり片手に後半のプレーに急ぐことにした。


名人はティショットこそ、そこそこであったが、大荒れのラウンドになった。どこかで大崩れする悪い癖がまたも出てしまった。

それでもいつか訪れる幸運を期待して、ボールを打ち続けるのであった。


名人
過ぎた失敗は忘れ、目の前のショットに専念し、次のチャンスにかける、そんな心境になれる日がいつ来るのであろうか。


一方、粋人は冷凍おにぎりの効果か、パットがさえた。

あわただしい移動は、考える時間を与えてくれない。

それがいい。何も考えないことは無心になることに通じる。
粋人

ゴルフの極意はこんなところにあるのかもしれない。


巨匠はベテランである。安定感では定評がある。ここ一番では、集中力で対戦相手をねじ伏せる気合がある。何よりも定評のあるのがパット。

ボールを入れるクラブはパター以外にはない。余程、相性のいいパターを持っているに違いない。

そして、パターの構えからオーラが漂うときは強い。しかし、この日は、何故か、何時ものオーラが消えて
巨匠
いた。名人のボヤキが巨匠に伝染したようである。



プレーが終わればまた、キャディバッグをカートから下す、クラブ確認、バッグの運搬、来た時と同じようにすべてセルフで対応する。

暑曇り空だがい一日であった。汗が体にまとわりつくような感じだが、風呂はない。シャワーも使えない。ゴルフプレー以外は一切ないといってもいい。あわただしく、バッグを車に積み込み、車に駆け込んだ。

車の冷房をいっぱいにして、気分を落ち着かせるのであった。