白河国際カントリークラブ | ゴルフ場探訪記 in 福島

ゴルフ場探訪記 in 福島

震災と原発事故で大きな打撃を受けた福島県のゴルフ場、様々な歩みを体験リポートする。

白河国際カントリークラブ


2015年5月8日(金)


福島県白河市東村にある白河国際カントリークラブは1945年(昭和50年)に開業した。
コースの名前

コースは那須・磐梯の18ホール、安達太良の18ホール、36ホールである。

福島県内のゴルフ場で36ホールの営業を維持しているのは、コースの一部閉鎖やメガソーラ―基地への転用が目立つ中で、奮闘している。

この日もにぎわっていた。


スタート

キャディマスター室の前では制服と思しきグリーノのジャンパーの女性がカートへのバッグの積み込みに一生懸命であった。

近くに住む「おばさん部隊」といった風情である。

人件費の削減を優先させるあまり、ゴルフ場の活気が乏しくなっているゴルフ場が目立つ中、白河国際カントリークラブは努力の成果が感じられる。





このゴルフ場の成井農林グループのゴルフ場として、スタートした。

成井農林は大手の木材会社である。経営の多角化の一環としてゴルフ場が位置づけられた。


オブジェ

玄関には大きな木材のオブジェが鎮座していた。

クラブハウスに入るとすぐ目に入ってくる。

どっしりと構ええた姿には当時、ゴルフ場経営に夢を託しレジャー産業に参入した起業の思いが込められているようにも見える。

成井農林由来のゴルフ場であることを今も誇示している。


しかし、成井農林は2004年(平成16年)、経営合理化を打ち出し、ゴルフ場の経営を子会社に移管する決定をした。

バブル崩壊後の不況により利用客が減少、預託金の償還期限と言うハードルに苦しむことになる。

経営の多角化のためにレジャー産業に手を広げたことが、

逆に、負担の重さで資産負債の整理を迫られ皮肉な結果となった。


当時、成井農林は福島県内では「白河国際カントリークラブ」「郡山熱海カントリークラブ」を保有し、全国では合わせて、7つのゴルフ場の経営を手掛けていた。


結局、成井農林はゴルフ場について特別清算の道を選び、2004年(平成16年)に東京地裁が特別清算の決定を下した。


白河国際kガントリークラブなど成井農林が経営していた6つのゴルフ場は本社を広島におくアーバンコーポレーションに引き継がれることになった。


しかし、アーバンコーポレーションもまたゴルフ事業から撤退することになる。

2008年(平成20年)アーバンコーポレーションは民事再生法を申請、

保有していた8つのゴルフ場を売却した。

この時、白河国際カントリーと、郡山熱海カントリーは会員有志が設立した株式会社カネキが引き受け、そのまま営業を続けることになった。

さまざまな経緯を経て、株式会社白河国際カントリークラブが運営するコースとして現在に至っている。


イチイの庭園

コースに向かう正面には「いちいの森 庭園」があった。

イチイは世界の保存木の一つで、この木で笏をつくった。

このため、この木を「正一位」「従一位」にみたて、「イチイ」と名付けられたという。材

質が固く、狂いがないので、材質第一ということで「イチイ」と名づけられたという説もある。

因みに笏は神職が儀礼用として威儀を正すため、持つものである。

イチイの森の木は成井農林の社員が北海道の知床半島から搬出して移植したものだ。

木材にこだわった会社が造成した名残である。


挑戦したのは那須・磐梯コースである。
コース1

ゆったりとしたレイアウトの丘陵コースである。

那須コースのスタートホールはやや右にドッグレッグした打ち下ろしのロングホール。


コース3
左側はすべてOBだがフェアウエイはひろい。



巨匠
この日の巨匠は絶好調であった。

ティショットの安定感が抜群で、フェアウエーキープ率はこれまでになく高い。

ショートホールでミスを重ねたがすぐ取り返すあたりは新聞記者時代に培った逆境にめげない図太さか?



名人
一方、名人は出だしから気弱なゴルフだった。

パットが決まらないと、また繰り返すという思いが次々と連鎖し、

負のスパイラルに陥った。

ゴルフは心の持ち方で良くも、悪くもなるスポーツだという。


この日はそれを裏打ちするような巨匠と名人の対照的な姿があった。


粋人はフォーム改造に取り組むあまり、
粋人

些細なことにとらわれていた。

軸を傾かないようにしようとか体が流れないようにとか云々、

しかし、ゴルフはパーツのスポーツではないことは明らかだ。こ

こを乗り越えるまでにはまだ時間がかかりそうだ。



コース2
コースは全体的にフラットだ。

各ホールの高低差は10メートル以内に抑えてあるという。

フェアウエーも広く伸び伸びとプレーできることは嬉しい。

樹木や池でセパレートされているため、メリハリのあるコース設定である。

ただ油断はできない、グリーンは微妙にうねっており、安易なショットはミスにつながる。

挑戦し甲斐のあるホールだった。

不満もあった、ティグランドの芝が荒れていた。フェアウエーの刈込がもっとできていれば、申し分ないがプレー費の安さを思えば致し方ないのかもしれない。




クラブハウス
ラブハウスは銅板葺である。重

厚なイメージがある。

全体の雰囲気を東宮御所に似せて建設したという。

特に目を引くというわけではないが、落ち着いた雰囲気がいい。





レストラン
レストランも落ち着いた雰囲気であった。


最後に安達太良コースは直線的で池の多いダイナミックなコースだという。

戦略戦に富んでいて正確なショットが要求される。

どちらを回るべきか、あえてわがチームの感想を書き加えれば磐梯・那須を選びたい。


安達太良と言う名前は「安達太良カントリークラブ」が福島県二本松市にある。

安達太良コースを安達太良カントリークラブと勘違いをして、違う場所に来てしまったという話も聞いた。

くれぐれも間違いのないように・・・・・・