東都郡山カントリー倶楽部 | ゴルフ場探訪記 in 福島

ゴルフ場探訪記 in 福島

震災と原発事故で大きな打撃を受けた福島県のゴルフ場、様々な歩みを体験リポートする。

東都郡山カントリー倶楽部


2014年12月3日(水)


東都自動車グループのゴルフ場だ。東北自動車道の郡山南インターチェンジから10分弱でコースに到着、交通の便は良い。
コース2

この日は寒波が押し寄せていた。

福島近郊の山々は雪化粧。ゴルフ場も雪の懸念があったが、着いてみると全く、寒波の影響はなかった。

青空さえ広がる。

福島県のゴルフ場はこの時期の降雪は営業収益に大きな影響を及ぼす。そんな中では、雪に強いゴルフ場なのかもしれない。

オープンしたのは1998年4月(平成10年)福島県では後発のゴルフ場だ。
まずは、クラブハウスから紹介しよう。
受付

本格的なログハウスに目を奪われる。

一般的なログハウスは木材を横に組んで壁を造る工法が採用されている。

しかし、これでは小さな空間しか作れない。

東都郡山カントリークラブのハウスは、太く、がっしりした丸太が骨組みとして立ち上がっている。

この丸太の間に木材が積み重ねられて壁を構築している。強度のある丸太が骨組みになっているため、レストランやホールなどの広い空間を作ることができたという。

ログハウスは小さい建物というイメージはここでは見事に払しょくされている。
レストラン外

レストランは軒が伸びている。

屋根を張り出させ、テラスを造っている。そこにはテーブルも用意されていた。

丸太のインパクトが強烈であるが、重く見えてしまうこともある。

このため、天井を高くしたり、高窓をつけて、閉塞感がないよう工夫が凝らされていた。

使われている木材はすべてカナダのブリテッシュコロンビア州産のダグラスファー・カスケード材だという。

現地で加工し直輸入したものが使われている。

これだけの素材をそろえるのは大変だったに違いない。
レストラン中

クラブハウスは来場者の気持ちを和ませることも必要だ。

その意味ではログハウス温もりが心地よい。

そして、木の香りが漂ってくるような雰囲気に「今日こそは」と高ぶる気持ちを落ち着かせてくれる。

珍しいログハウスのクラブハウスだが、耐久性は問題ないという。年々、木材が締まってきて強度を増すというのがその理由らしい。

クラブハウスの設計はレーモンド設計事務所、間組の施工であった。










コースの高低差が平均4.7メートル。フラットである。ホール間のインターバルもわかり易く、移動はスムーズだ。
コース1

距離はない。

出だしのアウトの1番、レギュラーティから300ヤードちょっと。バックティからも330ヤード。

ロングホールもあわよくば2オンも狙えると思わせる距離だ。4番、7番ともにレギュラーティから500ヤードに満たない。

ただ、距離がないからといって油断はできない。

林間コース特有の罠が随所に仕掛けられている。

樹木がハザードの役割をしている。

それに加えて、OBゾーンが多い。OBを避けようとすると崖下に転がり落ちるというケースもしばしばだ。とにかく、正確なショットが要求される。

この日、粋人はOBに泣かされた。ゴルフはリズムだという。
粋人 しかし、いったん崩れたリズムを取り戻すのは容易ではない。

それにしてもゴルフはボールを目の前にして考える時間がいくらでもある。

ありすぎるのだ。

あれこれと思いを巡らすうちに、黄金のリズムは消え失せていくのだ。

ボビージョーンズの言葉を思い出した。

「ボールを”打つ”人は、”振りぬく”人に較べてリズムの感覚が欠けている」と・・・


インコースは比較的ゆったりしているが、この日は風で距離感を合わせるのが難しかった。

風の影響を受けやすいコースレイアウトなのかもしれない。


距離は全体として短いがアウトとインの最後のミドルホールだけは、突然長くなる。

18番は447ヤードのミドルだ。

そんな中で巨匠は堅実なゴルフを披露した。
巨匠
ティーショットが安定している。

OBゾーンが目立つコースで危険地帯をなんなく越えていく。

「ゴルフとはラフにボールを入れず、バンカーにボールを落とさないゲームだ」という。そのことを実行したプレーであった。


距離が短い分、グリーンが難しい。ベントのワングリーンで微妙なアンジュレーションがある。短いパットにも油断できない。上につけないよう心掛けることがより厳しく求められるコースだ。











名人は苦しんだ。

名人
以前あんなにいいボールを打っていたのが信じられない様子。

今、名人に必要なのはタイガーウッズのあの言葉。「たとえどんなに負けていても、自分は勝てると、いつも信じなくてはならない。」

そして、宮里藍も言っていた。「開き直ってじゃないけど、Nothing to loseですから。」と・・・









プレー中にどーんと言う音が何度か重なり合うように聞こえてた。

天栄村と西郷村にまたがる陸上自衛隊の演習場からであった。

風向きによって、空気が乾燥している時に聞こえてくるのだという。

かなりの距離があるはずだ。それだけ砲撃音や爆破音の音量は大きいということなのかもしれない。
コース3


この日の昼食はワンドリンクサービスであった。グリーンの状態が良くないのでサービスだという。コースの状態を理由にドリンクサービスをするゴルフ場は初めてであった。