UR基礎点アップについてなど。ラケルニク氏インタ露→英→和訳(部分) | siennaのブログ 〜羽生君応援ブログ〜

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羽生結弦選手の現役時代をリアルタイムで体験できる幸運に心から感謝しつつ、彼のスケートのここが好きあそこが好きと書き連ね、ついでにフィギュアにも詳しくなろうと頑張る欧州住まいのブログ主です。

来季からURの基礎点が引き上げられるというニュースにザワったスケオタ界隈…。大御所の関係者やコーチに素早く突っ込んだインタを取ることにかけては定評のあるロシアメディアがラケルニク氏に突撃したようです。GSに英訳が上がっていたものを和訳しました。後半、ロシア女子のGPSアサインメント関連やシンクロの五輪導入問題についての話題はカットしました。(シンクロはやはり人数的問題ですね。五輪には選手総数の上限があり、9名まで減らしても却下されたということです)

 

また、訳された方によると、インタビュアーが特にメドちゃんの名を出しているのは、彼女の話題はやはりロシアでも注目度が高いからではないか、ということです。(なんにでも羽生くんがとりあえず引き合いに出される日本のようなものか…)

 

元記事はこちら。GSの英訳はこちらです。

 

FaOI富山初日のレポをそわそわと待ちながらの訳ですので間違いあったらごめんです(笑)。

 

 

 

 

Q(インタビュアー):このオフシーズン中のビッグイベントの一つとして、ルールにまた手が加えられました。これは、リスクを取る選手らが難しいジャンプにチャレンジすることを恐れないよう後押しをするために行われた、という解釈で合っていますか?

 

A(ラケルニク氏):そういう訳ではない。簡単に言うと、ぴったり回転の4分の1でURを取り減点するという昨年の決定によって、あまりにも多くの回転不足が発生した。そのために技術委員会はこの状況を緩和することを決めたのだ。ジャンプジャンプの選手を奨励しようと考えた人がいるとは考えにくい。

 

Q:ジャッジングをよりリベラルなものにしたというだけのことでしょうか。

 

A:そうだ。去年、厳しい決定が下された。それを別の決定によって緩めたということだ。

 

Q:しかし、同時に反対の意見もあります。ISUは回転不足の選手を救おうとしている、というものです。特にメドベデワを。数学的にはそうなりませんか?

 

A:誰もメドベデワについて考えていなかった。他の選手についても、だ。単に回転不足数の増加が見られたため、そのウェイトを減らそうということだ。この件はそれほど大ごとではない。20〜30パーセント減らしてもそれほど根本的な変化には繋がらない。

 

Q:では、この変更によってトゥクタミシェワが不利となり、メドベデワが有利となるとは思われないのですね?

 

A:思わない。確かに回転不足問題のない選手もいる。リーザは時々3Aで回転不足を取られる。だが、(回転不足は)彼女にとっては「らしくない」。だが、これは全体を鑑みた決定であり、特定の人々を想定してのものではない。

 

Q:はっきりしているのは、方向性には二つあって、一つは厳しいジャッジングで、この場合はライサチェクやブラウンの勝ちとなり、もう一つはリベラルなジャッジングで、この場合ミスあり選手も勝てるということです。あなたの好みはどちらですか?

 

A:自分は、複雑性が奨励されるべきだと思う。だが、質が条件だ。質の悪い高難度ジャンプはいらない。とにかく回って両足でもいいから着氷することがメインになっていた数年前のようなことではいけない。多くの選手がそういうことをやっていた。片足で降りようともせず。GOEで-2が付いても最終的にはプラスをもらっていたのだ。

 

Q:現在のバランスは完璧なものですか?

 

A:完璧は存在しない。だが、状況改善の試みはこれからもずっと続くだろう。

 

Q:ダニエル・グラッスルが最近インタビューで、5回転をプログラムに組み込みたいが得点がゼロだ、と話していました。得点表に追加すべきでしょうか。

 

A:5回転を組み込むのに問題はない。我々としてはそれでも構わない。ただ、自分としては、まだその時ではないように思う。今のところ、ひどく回転が不足した試みがあるだけだ。5回転を飛ぶ選手たちが現れ、実行が可能だと確信が持てれば、我々はすぐにでも追加するだろう。我々は1年前、パーセンテージに基づいた基礎点表の作成にこぎつけた。これにより表作りが簡単になり、あらたに基礎点を加えるだけで済む。しかし、現時点では5回転については議論ばかりで実際には1本の動画も見たことはない。

 

Q:先ごろの世界選手権では、ジャンプの高さなどを計測するアイススコープというプログラムの働き具合を見ることができました。これについてはどう思いましたか?採点自動化を進めるつもりはありますか?

 

A:今の所そこにフォーカスはしていない。ISUはこういった開発に関心を示してきた。開発業者の話を聞き、こちらからある種の質問もした。例えば、高さ、幅は重要だが、我々は幅と高さを競っているのではない。業者にジャンプの回転を計測できるかどうか聞いてみた。それができれば我々にとって興味深いものとなるだろう。

 

Q:業者はその点を汲み取りましたか?

 

A:イエス。それまで手をつけていなかったが、今後は着手するだろう。

 

Q:回転不足の度数をプログラムを使って計測し、自動的にそれに比例した点数を与えるといったシステムを、たとえば北京後にISUが導入することはありえますか?

 

A:開発にどのくらいの時間がかかるのか、誰にも分からない。理論上、2回転は720度だ。だが実際は、それよりも少ない。皆、弧を描きながら飛び、直線上には着氷しないからだ。回転不足はすでにジャンプに組み込まれている。したがって、率直に言えば、プログラムが計測すべきは個々の選手が何度回ったか、だ。そのデータの解釈は専門家が行う。問題はどの程度の回転不足を許容範囲とするか。現在は4分の1回転となっている。それは大きいと言う人もいれば、それでは足りないと言う人もいる。協議が必要なのだ。もしこのシステム全体がうまく機能することがあるとしたら、非常に興味深いものになるだろう。

 

Q:サッカーやテニスで行われているようなビデオリプレイをフィギュアでも行うことを支持しますか?

 

A:しかし、それはもうやっている。ジャッジは通常速度で、TPはスローモーションでリプレイを見ている。使用されるのは試合進行中で、しかもしばしば使われる。機器の解像度改善が必要かどうかという問いはある。反対側に2台目のカメラを置いてはどうだろうか。しかし、費用は?結局問題は常に、費用と質の比率ということになる。

 

Q:私が聞きたかったのはリプレイの公開についてです。ホッケーではジャッジは会場全体に決定をアナウンスし、テニスでは誰もがボールの着地地点を見ることができます。フィギュアでも観客が決定を理解できるよう、ジャッジが見ているのと同じ映像を見ることは可能ですか?

 

A:分からない。それが必要かどうかも分からない。もし大勢が同じものを見るようになったら混乱が起きる。あまりにもたくさんの意見が出るだろう。我々が尽力すべきは、TPの仕事の質や同一のアプローチだ。観客と一緒になってオープンに議論し始めるのはどうなのか…。観客は、このジャンプは回転不足だった、など結果を見ることができる。プログラムにつき11本ジャンプがある。何回のリプレイが行われることになるだろう?

 

Q:選手には抗議する権利がある、という意見についてはどう思いますか?

 

A:だが、その選手はもうスコアを受け取ってしまっている。スコアを変更しろというのか?うーん、申し訳ないが、我々は採点のスピードアップを目指しているのだ。公開という響きは美しいが、それはプロセスをスピードダウンする。論争をさらに増やすだけのことになるだろう。

 

Q:TPの同一のアプローチに尽力するという話がありましたが、そこに問題があるのでしょうか。

 

A:そうだ。結果を左右するほどのものではないが、見方に違いがある。我々はこれを排除することに努めている。

 

以上。