さて、娘さんの左手には指が6本ある。


 3ヶ月早く生まれたから退院までの時間も3ヶ月くらいかかるよと言われたので、指のことを実家に説明するのは3ヵ月後でよかった。はずだった。


 オットが仕事の為遠方へ帰宅後、ひとりポツンと病院に残されたわたしは、病室の看護師さんに話を聞いてもらった。


「ウチの子、指6本あるんですよー」

「あーそうですか。わたしも20年看護婦やってますけど、今まで5、6人見ましたけどねー」

 え、そんなに。(´・∀・`)ヘー


 NICUの中でも不幸自慢ではないが、そこにいるということは何かがあるわけで、普通にそれぞれ赤子の病状を言い合っていた。



 ウチの実母には生後5日目くらいに言った。田舎の人だから偏見とか強そうと思っていたが、産後の世話を頼まねばならないので隠し通せるとは思っていなかったので言った。普通に受け入れてくれた。


 オットの母には退院1ヶ月くらい前に言った。オットが説明したらしい。「かわいそう」とは言われたが、1年後一般的な手になると言う話を聞いてそれ以上は言われなかった。



 ここまでは正直予想の範囲だった。問題はココから。


 わたしの兄弟には嫁が妊婦な奴もいるので、知られて不安をあおるのはやめようと黙ることにした。もう一方の兄弟も一人に黙っているのなら黙っていようと思った。父親には色々あって論外。


 オットの父兄弟は、子供がまだ小さい人ばかりなので、大人はともかく子供は説明してもわかってもらえるかどうか怖かった為黙っていようと言う結論になった。


 あー世間ではこういうことを、ひっそりと手術する、というんだろう。

 別に多指症がどーのこーのと思っている訳じゃない。むしろ指がかわいい。

 将来、娘の手のことで無神経に傷つけられたり余計なことを言われたりするのが嫌なだけだ。


 幸い双方のオカンがいい聞き手になってくれるのでそんなにストレスは溜まっていない。でもたまに無性に愚痴りたくなってくる。

 そんな時はビバ地域の保健士。ただでさえちっちゃく産まれたのでとても気にかけてもらえたりする。実にラッキーである。

 あと、M永の育児相談ダイヤルとかも親切だったりする。ブログを書き始めたのもそんな理由。

 さてはて。

 6月現在、健康優良児となったむすめさんは毎日ワガママ放題である。


 急な転勤で田舎に引っ越して以来、近所に友達どころか知り合いすらいない状況。このままでは良くない、と、近所の産婦人科へベビービクスに通いだした。


 経験者ならわかると思われるが、ベビービクスは基本赤ちゃんを裸にする。

 当然娘さんもハダカになるわけで。もちろん手を隠すことも無い。集団で赤ちゃん達をコチョコチョする訳だから、手なんて良く見えるのに。



 通って4回目。未だに話題に上らない・・・。ねえ、こうはっきりと指が6本あるのに。



 いや、気付いていて気を使ってくれているのか・・・。



 それとも気付かれていないのか・・・。



 そもそもそんな手の持ち主が普通にベビービクスに通っていると言うことにびっくりされているのか・・・。



 わからんwwwww

 ここまでくると段々面白くなってきて、チキンレースのようにいつ誰が聞いてくるか楽しみになってきたwwwww



 どうせ1年後には一般的な手になるんだし、これから夏を迎えるにあたってミトンなんかしてくれなくなっちゃうし。ばれる時はばれると思われるので、変に隠すよりも娘にとって色々経験させるほうがいいような気がした。


 オットは私のこの考えに対して少々難色を示している。同じ小学校に上がる可能性があるのだから、何かのきっかけでバレて将来イジメの対象になる可能性があるかも知れないと。


 それもそーなので、私から積極的に言うことはやめようと思う。

 生まれた娘さん。


 病状やらなんやかんや聞いたけれどNICUに運ばれたので会える訳も泣く。その日はモヤモヤしながら一晩を明かす。


 で、翌日の午前中に車椅子に乗って会いに行った。


 かわいかった。


 車椅子で力を振り絞って会いに行く、と言う感動的場面だったんだけれど、冷静に、コレ、24時間ぐらい寝たきりのあとだからシンドイだけで、その後は普通に歩けたぜー。と思った。わたしは母乳だったので体の回復が早く、2日後くらいには普通にスタスタあるいてNICUに通ってたもの・・・。で、めっちゃ回復早いですねっびっくりされたもの・・・。


 とりあえず改めて小児科の先生からわたしへ赤子の病状説明。


 色々怖いこと言われたがあんまり気にしなかった。

 未熟児網膜症やらくる病やら呼吸のことやら。実際その後、きわめて順調な経過をたどることになるので、長期入院になるだけのことだった。ただ大動脈管が閉じなかったのでお薬の投与は1回だけあった。


 多分この子は大丈夫だろうと、妙な安心感はあった。ただ点滴は痛くないのか?そればっかり聞いていた。


 24時間後、48時間後、72時間後とそれぞれ山場があるらしく、それを超えるととりあえず安心、ということだった。心配した3日間はきわめてあっさりと過ぎる。



 そして赤子に名前をつけた。

 候補が4つか5つ位あったので、順番に呼びかけていったら、いまの名前を呼んだ時にニコーとわらった。何度呼んでもニコーとわらった。即、決定。


 オットはずっと男の子希望だったのだが、わたしは何故か女の子だと確信していた。入院最中に「名付け本、男の子と女の子、どっち買おう?」と聞かれたので普通に「女の子でいいよー」と答えた。


 実は産む直前まで性別がわからなかった。

 というか、先生3人がかり位で「あーでもないこーでもない」と一時間くらいかけてエコーを見ている間に、見られているわたしが空気を読まずに・・・「あのすいません、性別は・・・」とか言えなかった。


 ともわれ無事わたし達夫婦に娘さんがやってきた訳で。


 肉無くてガリガリだからおめめだけがパッチリしていて。


 看護師さんに、NICUにいる子はみんなおめめパッチリなんです。でも成長と共に肉付きがよくなっていくから、まぶたにも肉がついていってガックリされる親御さんが多くて・・・と言われて。


 とりあえず、娘さんは可愛い。