【読書案内 3】 真のフランスの女王 | アルプスの谷 1641

アルプスの谷 1641

1641年、マレドという街で何が起こり、その事件に関係した人々が、その後、どのような運命を辿ったのか。-その記録

 

 
 
 今回はご紹介する本はモンテスパン夫人の伝記となります。 
 
  
  
 個人的には、もはや他人とは思えないほど馴染みとなってしまった
   
モンテスパン夫人ですが、世間的には関心が薄いのでしょうか。 
   
モンテスパン夫人を中心とした本は、フランス以外では殆ど出ていません。 

  

しかし、有り難いことに、英語版では比較的最近に本が出版されています。 

 

2002 年の発刊、著者は英国人、残念ながら、こちらも翻訳されていません。 
  

The Real Queen Of France: Athenais and Louis XIV
 
Lisa Hilton 

 
 
 
  
 或る骨董屋が貧しい貴族の老婦人の家を訪れた時、そこで小さな肖像画を見付ける

 

所から始まります。 その肖像画の女性はルイ十四世期の目の眩むような衣装を身に

 

つけていました。 しかし、その老婦人はその肖像画が誰のものかを知りませんでした。

 

 その女が 「一族の恥」 であるということを除いては。 
  
  
 王妃マリー・テレーズをして 「あの女は国を滅ぼす」 と言わしめたモンテスパン夫人
 
ですが、本当にそんな悪女だったのか、当時のフランス宮廷に関する細かな蘊蓄を

 

交えつつ、その人物像に迫っていきます。 
  
 アマゾンの書評を見てみると、この本はモンテスパン夫人を持ち上げて、
 
マントノン夫人を貶めていると書いている方もいるようですが、自分は
 
そうは感じません。  著者は夫人の栄光と没落を冷静な目で辿っています。 

 

そして、誰が何と言おうと、ルイ十四世を十年に渡って支配したモンテスパン夫人は、

「真のフランスの女王」 に言うに相応しいと言います。 
 

 なお、この本には毒殺事件について言及したくだりもあり、その結論は

 

前回記事 「毒薬事件簿」 と同じ、つまり、モンテスパン夫人が国王を暗殺

 

しようとしたという嫌疑は冤罪であると書かれています。

    
   
 なぜモンテスパン夫人が、世紀の大王を思うがままに支配することが

  

できたのでしょうか。 
   
 次の本の紹介では、その理解の一助となる本を紹介します。