酔狂の詩(うた) -23ページ目

砕かれても、張り裂けても、生きる。

またひとつ、心の一部が砕け散った。

何かを失い、何かが壊れた。



元の形をなくしたオブジェクトは、

破片をかきあつめて修復したところで完全には戻らない。



噛み締めた奥歯が粉々になろうとも、

胸の真ん中に風穴が開こうとも、

それでも生きてゆかねばならない。



頭が割れそうだ。

胃が燃えて焼けて苦しい。



いまでさえ、こんな有様なのだから、

これから先はもっと辛いのかも知れない。

想像を絶する痛みが待つだろう。



それでもなお、生きてゆかねばならない。



理想は長い年月をかけて砂に埋もれ、

努力は不備の積み重ねで帳消しになった。



もはやどうすることも出来ない。

ただただ、せめてもの救いがある方向へ目を向ける。

そこへ向かう道を、這いずってでも歩かなければ。

その道のりに棘が敷き詰められていても、だ。



一歩ごとに踏みしめる棘の痛み。

その痛みが足の裏から全身を突き抜けるたびに、

“優しくなれなかった自分”を、

“受け止め切れなかった自分”を

責め立て呪うことになるだろう。



さよならを言えない代わりに、

生きながらに死んでいようが何しようが

俺は生きよう。



正気を保てているのも、闇に堕ちてしまわないのも、

俺にはまだ、歌が残されているから。



声を奪われない限り、俺は歌い続けるだろう。



ある意味で終わり、ある意味で始まった。

ある意味で死に、ある意味で生まれた。



俺は生きる。

死にたいくらいに辛いけど。