内田樹さんの『街場のメディア論』を読みました。
内田さんはトップクラスの著名度のある人文系の研究者さんですね。
何冊か内田さんの本を拝読したことはありますが、たまたまブックオフでこの本を発見したので、即購入。
最近英語の小説と格闘する日々が続いていまして、新書を読むのはかなり久しぶりでした。
そしたらもうあれよあれよと読み進められますね。内田さんが物書きとして卓越していることも相まって気分よく読了できました。
内田さんの事象をとらえる視点には毎回驚嘆させられます。それでいてものすごい説得力がある。
しかもそれを平易な言葉で書いているのでとてもわかりやすい。
もちろん内田さんの主観がどっぷり入っていることもあるので、そこらへんは注意深く批判的に読解。
日本のあらゆるメディアを毒味たっぷりに内田さんは批判されています。特に自分が感銘を受けたのは電子書籍についての論評です。
内田さんは電子書籍を認めたうえで、電子書籍の最大の欠点を指摘されます。
何だと思いますか?これは本が好きな人ならだれでも納得されると思います。
それは
物理的に空間を埋めて、自分がどんな本を読む人間であって、その結果どんな人間であるか、あるいはどんな人間になりたいかを可視化できないこと
だという指摘です。
本を100冊以上購入したことある人ならわかると思いますが、(自分は大学に入ってから150冊は買ってます。)
読むかどうかは置いといて、「とりあえずこれいつか読むかも」、とか「なんとなく読んでみたい」とか「これ読めるようになりたいな」というような本を購入しますよね。
そして買った本を家の本棚にならべてしげしげと満足げに眺める。至福のときじゃないですか?
哲学書を買ってもそれを読むかなんてわからない。というか多分読まない。(内田さんもそうおっしゃってます。)
ポイントは自分が「どんな人間になりたいか」、あるいは「人からどう見られたいか」ということが本棚には詰まっているということです。内田さんも自身の例をふんだんに使って説明されています。
これ絶対電子書籍ではできないですよね。
いつでも読めてしまうからこそ、読みたいそのときにしかアクセスしない。
これが紙媒体に対する電子書籍の最大の欠点だと論じています。(これを踏まえたうえで内田さんは電子書籍をつくったのはあまり本を読まない人だろうとおっしゃっています笑)
自分の電子書籍に対する違和感はまさにこれだ!と雷に打たれた気分でした。
だって大学入ってから買った本のうち3分の1も読みきってないですもん笑でもいいんです笑それが本の楽しみですから。
今の日本や世の中について知りたいのならば、とりあえず内田さんがお勧めです!
中学生や高校生でも簡単に読めるでしょうし、こっそり塾の生徒とかにも貸してみようかな。
ではでは。