「ごめん…オチビちゃん…」
オチビちゃんは、
オレを家にあげてくれた。
オチビちゃんの告白に
返事もしなかったのに…
オチビちゃんは
優しすぎて…時々眩しいよ……
眩しすぎて、見ていられなくなる…
「あ…のさ…ひるま
「レン」
オレの言葉をさえぎって
呼ばれた名前に、
オレは少しは驚いた。
「昼間の告白は、本気だ。
俺はお前が好きだ。」
曇りのない、まっすぐな目で
オレを見つめているオチビちゃんは、
とてもかっこよく、大きく見えた。
「今までは、お前が幸せならって…
ずっと自分の気持ちを押さえてた。
でも、今回は違う。
お前…知ってるんだろ…?
あいつが……真斗が……
女と歩いてたの。
それに……これも…。」
オチビちゃんが近づいてきて、
オレの頬をそっと包みこんだ。
その手がとても暖かくて、
熱いものが込み上げてきた。
「オチビちゃんっ…!!!!
オレっ……オレっ!!」
みっともなく泣き出した。
寂しくて、不安で、痛かった。
全部…全部忘れたい…
「大丈夫だよ。レン。
さっきも言ったろ?
俺がお前を幸せにする。
守ってやる。
なんたって、俺様は
王子だからな!!」
涙をぬぐいながら、
オチビちゃんは微笑んだ。
ああ…
なんて暖かい人なんだろう…
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それからは、
オチビちゃんの家にいさせてもらった。
オチビちゃんは、
いつも笑顔で、
オレも、つられて笑顔になった。
ずるいのはわかってる。
逃げているのはわかってる。
オチビちゃんの気持ちに
漬け込んで、
オレは最低だな…
そう思いながらも、
オレは、オチビちゃんから
離れる事ができなかった。
そんなある日。
ピンポーン
オチビちゃんが
出掛けているときに、
インターホンがなった。
オレは、
何の違和感も感じず、玄関に出た。
それほどここの暮らしに慣れていた。
「はーい。どちらさ…ま………」
オレは、
驚いた。
「ひさしぶりだな、神宮寺…。」
そこには、
オレの愛した人がいた。
「神宮寺…。
あの時は、本当にすまなかった…。
今日は、あの時のお詫びと、
あの女の説明を…しにきた。
遅くなってすまない…。」
「やめろ。
今さらそんな話…
聞きたくない…!!!」
そんな台詞を吐きながら、
心のどこかで、
会いに来てくれた事を喜んでいる
自分がいる。
オレは、
底無しの馬鹿だな…
「待ってくれ!!
頼む…話を聞いてくれ……」
なにいってる…
あの時話を聞いてくれなかったのは……
お前だろう?
会いに来てくれた嬉しさと
裏切られた悲しさが入り交じり、
その場から動く事ができなかった。
「俺は…確かに女と会っていた。
でも、あの女とは何もない。
あの女と会っている時も、
俺は、お前の事ばかり考えていた。
俺は…、お前はもう…
俺の事を好いていないのだと思った…
俺は大馬鹿者だな…。
お前が…俺の負担にならないように…
気を使ってくれていたことくらい…
わかったはずなのに……。」
聖川は泣いていた。
オレ達は、ただすれ違っていた
だけだった。
お互いに気を使うあまりに、
本当の気持ちが見えなくなっていた。
「あの時は、本当にすまなかった…。
俺が悪いのに…、
お前に…あんな……っ。
お前がまだ………
俺を好いていてくれるなら………、
俺の所に……
戻ってきてはくれないか……?」
その言葉を聞いたとき、
オチビちゃんの笑顔が浮かんだ。
嬉しいはずなのに……
今まで愛した人が
迎えに来てくれたのに………
「返事は、すぐじゃなくていい。
お前がもどってきてくれるまで…
俺は、お前を待ち続ける…。」
そう言って、聖川は帰っていった。
「どうしたんだよ……オレ……」
なぜ、直ぐに返事をしなかった。
聖川が迎えに来たのに……。
オチビちゃんの笑顔なんか
思い出して…………
「オレ………」
オレは決めた。
置き手紙を残して、
オレは、オチビちゃんの
家を出た。