私たちを敦賀まで連れて行ってくれるのは「ゆうかり」さん。

巨大な船影が眼前に立ちはだかり、ちょっと緊張。

 

バイクの待機場所まで誘導されて来てみたらたくさんのバイクがすでに待機中。

これは楽しくなってきた!

遅れないために必死で駆け抜けてきたけど、案外と時間に余裕があったため、フェリーターミナルの中に入って散策したり暖まったりして時間を潰す。

 

エアコンの温風が当たるところに陣取ってすみませんでした。

「極楽だ~」とまるで温泉に入っているかのように二人並んでまったりしてしまってすみませんでした。

 

暖まっているうちにいよいよ乗船の時間。

 

30台以上はあろうバイクが次々とエンジンをかけていく様は壮観。

一台づつ順番にゆうかりさんへ吸い込まれていく。

 

ミサトちゃんが一歩先に乗船。姿が見えなくなったところで私へ乗船の合図が来た。

 

でこぼこの鉄の渡しを通るのはほんとに恐ろしかったが、渡り切った後の

船内にはエンジン音がこだましていて、このカッコイイ集団の一員であることが妙に誇らしかった。

 

(ヘルメットを固定しているの図)

 

荷物を降ろしてさっそく船内へ。

大部屋がいっぱいだったため、少し奮発してドミトリー。

 

荷物をほおりこんだら、誰よりも早く大浴場へ。

フェリーのお風呂初めて!

広い湯船が二つあり、一面の窓からは海が見える。

真っ先に来たおかげで、貸し切り状態、ラッキー!!

 

湯に浸かると言わずもがな、「あ~~~~~~」という幸せのため息が大きめに出た。

しかし冷え切った体はなかなか温まらないうえ、浴室内にどこかから隙間風の様なものが吹いていて寒い…。

と思っていたら、結構すぐにのぼせてくる。やっぱり早起き&極寒ツーリングで体力落ちてるのかも。

 

出航の瞬間をお風呂から眺めたかったためごまかしながら入っていたけど、全然出航しないんだねぇ。時間はとっくに過ぎてると思うんだけど…。

 

ミサトちゃんが先にギブアップで上がっていった後も、あきらめきれない私は頑張った。

 

「ボオオオオオオ」

 

地に響くような汽笛と共についに出航!

 

ゆっくりゆっくり進み始めて、湾内を通過していく。

 

お風呂の中から海を見ているなんて乙ですねぇ。

 

 

だめだ、もう限界…。

 

外洋に出る前に私も上がった。

 


ゆうかりさーん!

乗船完了

今夜の宿。

乗船と同時に大浴場へ。
風呂の中から秋田港をお見送り。

さぁーて乾杯だな。

秋田港より日本海フェリーに乗るため、絶対に迷子になって遅刻するわけにいかないため、スマホのナビで確実に進むことにした。

 

登りたての太陽と共に、仙岩峠へと突入。

山肌は昨日の雪を残して真冬の様相で、黒々と光るアスファルトはただ濡れているだけなのか凍っているのか分からない。

 

ただただ恐ろしい。

 

日が当たっていても氷が解けるほどの気温にはまだ全然足りない。

寒さと、スリップの恐れから、自然と速度が遅くなる。

このペースだと少し遅い。

かといってこれ以上スピードを上げることは二人ともとても無理だった。

 

秋田まで46号線一直線でも行けるが、もう少しショートカットするために途中から広域農道へ入った。

 

峠からさらに高度を上げるため寒さに拍車がかかるけど、真っ直ぐで走りやすい。

さっきまでの遅れを取り戻すように先頭の私はスピードを上げた。

 

信号もなく緩いカーブはあるもののとても走りやすい道。

 

これなら、案外すぐに秋田港まで行けるかもしれない。

 

高速で走り続けて、初めて信号に当たった。

赤になるところだったので、信号へ向けて下りながらクラッチを切った。

 

坂道と余力のみで進んで信号に止まった。

 

 

相棒沈黙。

 

 

ミサトちゃんが笑ってた。

 

やだエンストしちゃった!と焦ってセルを回した。回した。回した…

 

かからない!

 

一気にパニックになる私。

道の端に寄せて再度セルを回すがかからない!

 

港にすらたどり着けないのこの旅?まだスタートしたばっかりなのに。

バイク屋呼ばなきゃならないのか、トラックで引き揚げ?いやバイク屋を読んでる間にフェリー出ちゃう。ミサトちゃんだけ先に行ってもらうか…?

 

頭の中では目まぐるしく最悪のシナリオが展開されてパニックに拍車がかかる。

 

一旦落ち着いて一服して、再度セルを回してみたら、弱弱しく点火、動き始めた!

二人の安堵感たらなかった。バイクが動かないって最悪だ。

 

いったいなぜ止まったのだろう。この先長いのに怖い。でもここで時間使っちゃったから早く進まなきゃ。

原因究明はいったん脇に寄せて再び走り出した。

 

ナビを使っているのに目的の道ではないところを通過し(ポンコツ)たけど、ようやく秋田港を射程距離に捉えた。

 

最寄りのコンビニで買い出し。もう、すぐそこって分かっているから何という安心感。しかもあったかくなってきてる。

 

凍えて半病人みたいになっていた私たちのテンションもギューンと上昇。

 

さあ!いざフェリー乗り場へ!

 

と、またしてもナビ使っているのに素通りし(ポンコツ)ミサト氏に余計なUターンを強いてしまった。

紫波の道の駅「あねっこ」にて早朝5:00に待ち合わせ。

 

恐ろしく寒い。

 

山越えはこれからなのに、市内でこんなに寒いなんて不安しかない。

 

早朝出発のおかげでスムーズにス進み、珍しく待ち合わせ時間より早く着けた。

 

無料のあったかいお茶を飲みながら休憩所にいると、

今回の旅の相方ミサトちゃん到着。

 

私だけではないはず。

浮足立っていたのは。

顔を見た瞬間に旅の実感をしたのは。

 

寒さに慄きながら、この後の旅の期待に膨らみすぎる胸を隠しながら、二人の出発の体制を整える。

 

するとなんとミサトちゃんのお母さんがおにぎりを作ってくれてた!

 

ミサト家皆様暖かく見守ってくれていてとてもありがたい。

 

 

体制が整ったら出発だ。

 

「「よろしく!!」」

 

 

約一週間の旅の同行。

 

もしかしてもしかしたら、仲たがいしてしまう可能性だってある不安は脇に退いて、

旅人二人は出発した。