大人の夏休み読本 | シチリアを旅するなら。。。

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きのう「長いお別れ」を紹介させていただいた流れで、
大人の夏休み読書特集としまして、
今回もおもしろかった本について
 
澁川祐子さんの
「味なニッポン戦後史」
戦後の日本人が何を食べてきたのか?
何を食べさせられてきたのか?
味覚と社会をつないだ角度から紐解かれた内容で、
興味深いお話盛りだくさんでした。
 
 
祖母の隠し味だった味の素はいつの間にか
食卓から退場したのに、
私が子供の頃は自家製麺つゆだった実家で、
今は麺つゆを大量消費してる実状が
表で明らかにされててびっくりしました。
こちら
化学調味料ならぬ、うま味調味料の世帯当たりの年間支出額の変遷ですって↑
そして
めんつゆの販売量の変遷。
実家で麺つゆを使うようになったのは、
今はもういない嫁さんの影響だと思うのですが、
出汁は取らないまでも、
粉末だしと酒しょうゆ砂糖で味付けしてた母が、
麺つゆを使うことが普通になったほど、
近年麺つゆが日本家庭に浸透してたんですね〜。
 
小さな醸造所で丁寧に作られるものは別ですが、
大手食品メーカーの物には、
「調味料アミノ酸等」の表示の下
化学調味料だからと毛嫌いされた
味の素と同じ原料のグルタミン酸ナトリウムが使われている可能性が高いのに、
「多くの人がいかにも人工的な感じがする白い粉をなんとなくイメージで避けているにすぎないということだ亅と書かれてて、
ほんとほんと
日本はイメージに弱いからね〜と思ってしまいました。
 
お話は味の素におさまらず、
・もともと日本の食事は主食でお腹を満たすためにお新香が添えられるくらいだったものが、
いつから和食の基本は一汁三菜となったのか?とか、
 
・日本社会は食べ物が健康に与える影響を過度に信じるフードファディズムがちであるとか、
 
・中学生の頃大流行りだったサントリーはちみつレモン誕生話とか、
 
・1980年代ブラックでコーヒーを飲む人は10%未満だったのに、
 今は半分近くの人がブラック派になってる話や、
 
・戦後、日本人はもっと栄養ある食生活をするべきだーと、
 1950年代は「一日一回フライパン運動」が展開された程なのに、
 今は特に若者層で目標量を超える脂質がとられてるとかね。
 
おもしろいお話があふれてました。
 


「アンチエイジング」とか「長寿」とか「〇〇に効く」とか
本質はいざ知らず、つくられたイメージが大切なんですよね〜日本人って…。