『LOVEマシーン』は生きている。 | カルバートン・スミスの告白

カルバートン・スミスの告白

ふたつ、不埒な悪行三昧……。

                               

                     精神の記憶。

 

 

『LOVEマシーン』はいわずもがな、モーニング娘。の最大のヒット曲である。累計164万枚。(オリコン調べ)

先日も投票権目当てに買ったCDを人気のない山中に不法投棄した男が捕まった事件があった。そうやってたった一人がCDを数百枚を買って握手券なり投票券なりのおまけにしてしまうことも多い昨今だが、その一枚一枚を一人ずつが持っていることになる。間違いなくのメガヒット。この一曲でモーニング娘。は20年の歴史を刻むことができ、ハロープロジェクトはアイドル界に一国一城を築くことができた。

そうであるにもかかわらず、この曲はもはや過去の遺産のようにファンから卑下されている。

 

たしかに、新曲が出るたびにメガヒットを重ね、さらなる飛躍を世間に示すことは雨下晴天を臨むに等しく当たり前のことだと思う。

 

だが考えても見てほしい。

 

モーニング娘。も結成されて早くも20年。世間が最新のパフォーマンスを観てそれを称揚する確証はあるか。答えは否である。世間的には「モーニング娘。=LOVEマシーン」といっていいし、それ以外を選択すれば、衆目が怪訝な視線を送るのがオチだ。

それはいささか消極的な理由かもしれないが、わたくしがそれでも『LOVEマシーン』を重視し、さらには20年後、40年後、いやいや200年後、400年後までも歌い続けてほしいと思うことには訳がある。

 

それは、「モーニング娘。が『LOVEマシーン』を育てるべき存在だから」だとか、「守るものべき宝」だから、というわけでもない。

 

『LOVEマシーン』という曲が今のモーニング娘。を育み、それによって彼女らは生かされているからだ。

 

 

ここまでメガヒットをしてしまった曲には魂が宿り、精神が通っている。

 

20年という短くも長い歴史の中で、だれかに影響を与え、誰かの活力となり、それがだれかの歴史となった瞬間。もはや『LOVEマシーン』はモーニング娘。だけのものでも、特定のファンやモーヲタだけのものではなく、『LOVEマシーン』という名の精神として、モーニング娘。をあまり知らない誰かの中で一つの記憶として生き続けているのである。

 

モーニング娘。のメンバーが、いつの時代にあってもこの歌を歌い継ぎ、あの発売当時の「ええじゃないか」感の強い笑顔をテレビ画面を通して放ち続けているのは、まさしく自分たちこそが「今の」そして、「史上最高の」モーニング娘。であることを『LOVEマシーン』という精神によって練磨される、一種のイニシエーションのようなものであると思う。

 

例えば、歌舞伎舞踊の『京鹿子娘道成寺』は、歌舞伎のなかでも大曲とされるが、踊っている本人はそれを習ったとおりに踊っているというよりも、その曲に踊らされている感覚に陥るという。

 

 

 

 

おそらくは、今のモーニング娘。のメンバーも、『LOVEマシーン』を踊っていて不思議な感覚に陥る瞬間があるように感じる。

そういえば、だれかが「自分がモーニング娘。としてこの曲をステージで歌ってるとき、身の引き締まる思いがした」といっていた気がする。(誰かは失念)

 

 

 

ここからは、その開闢から現在までを動画で追っていくことにする。

 

その開闢

 

 

 

 

1999年

 

 

 

2000年

 

 

 

 

 

2001年

 

 

 

 

 

 

 

2002年

 

 

 

 

 

 

 

 

2004

 

 

 

 

2005年

 

 

 

 

 

 

 



2007年

 

 

 

 

 

2009年

 

 

 

 

2011年

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2013年

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2015年

 

 

 

 

 

 

 

2016年

 

 

 

※2分3秒~

 

 

 

 

 

 

2017年

 

 

 

 

 

 

 

 

歯抜けとはなったが、凄まじい量の動画がある。

 

今後も、『LOVEマシーン』がモーニング娘。を支え、多くのファンを培う母体となるであろうことは間違いない。

 

『LOVEマシーン』が歌われるそのたびに、モーヲタはカリカリしながらも、テレビ画面に現れる彼女たちの姿にいちいちもだえ苦しむ姿が容易に想像できるのが滑稽であり、実に愛おしいとも思うのである。(笑)

 

 

 

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