パリ滞在記 | 沖野修也オフィシャルブログ Powered by Ameba

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Kyoto Jazz Massive 沖野修也 Official Blog

 

フランスの暴動の

ニセ動画が拡散されている!

とのtweetを見かけましたので

KYOTO JAZZ MASSIVEのライヴの為、

6/28の夕方から〜7/1の朝まで

パリにいた

僕の体験談を書こうと思います。

 

まず、

僕がパリの異変に気付いたのは

現地の6/29の朝の事。

 

ホテルの部屋で

ロンドンのヒースロー空港にて

フライトを待つボーカリストと

ビデオ・チャットの会話中に

「友達にパリに行くのを止めろって

言われてるのよね」

と彼女が言ったからでした。

 

僕は

暴動のニュースを知らなかったので

何の事か判らず、

彼女とのビデオ・チャット終了後

ニュースや動画で

事件の概要を知る事になりました。

 

僕のホテルは、

パリのほぼ中心地に位置する

Paradis

(41 R. des Petites Écuries, 75010 Paris)

で、

ライブ会場、

New Morningと同じ通りにあり、

暴動や映像とのギャップに

驚いてしまいました。

何故なら

そのエリアは

平和そのものだったからです。

 

28日の夜にNew Morningで

UKの若手ギタリストの

ライブを観て(盛り上がってました)、

向かいのレストランで

マネージャーとディナーを食べました。

帰り道の両側にある何軒もの

テラスのレストランの前を通りましたが

どこも大繁盛で

人々は晩餐を楽しんでいました。

 

29日の午後に

マネージャーと一緒に彼女を

シャルル・ド・ゴールに迎えに行きました。

ヒースローでの機体トラブルで

到着は4時間遅れ。

 

その日は空港から

リハーサル・スタジオに直行だったので、

車内で

ボーカリストは

マネージャーに

パリは大丈夫かと心配していました。

 

マネージャーは

少年が射殺された経緯を詳しく

彼女に説明。

年金引き上げの流れと

この件が重なって

暴動が激化とも。

 

ただ、

彼の様子が

特に緊迫した感じではなかったので

事件の衝撃に対し、

暴動は日常茶飯事・・・みたいな

事なのかな?

という印象を持ちました。

 

リハーサルが終わり、

29日の夜もNew Morningに行きました。

その夜は、

レジェンド、

Third Worldのライブだったので

超満員で

オーディエンスも大興奮!!

 

ホテルに戻る際も

前夜同様、

レストランはどこも

活況を呈していました。

 

30日の朝、

Twitterでロイターの

日本語のニュースを見ると

暴動が

フランス全土に拡がりつつあると!?

 

僕には信じられませんでした。

 

いやいや

パリ、平和だし・・・。

 

パリの中心地以外は

凄い事になっているのかな

と思いつつも

何処か他人事だったんですよね。

 

そして、

30日の夜、

ライブを予定通り敢行!

 

沢山の方にお越し頂き

去年のパリのライブに匹敵する、

いや、それ以上の

オーディエンスのリアクションに、

次のアルバム為に書いた曲の中に

今夜のレパートリーを超える曲は

ないんじゃないかと

不安になってしまう程の熱狂でした。

 

 

終演後、

ファンの方と歓談中に

ふと

チケットをご購入頂いて

ライブにお越しになると聞いていた

フランス在住のピアニストの方に

会えていない事が気になり始めました。

 

そして、

彼のfacebookの投稿を見て

(日付変わって7月1日に)

現実の世界では

大変な事が起こりつつある事を

知りました。

 

夜9時以降は

公共交通機関がストップ、

帰れなくなるし、

タクシーも拾えない可能性あるし、

歩いて帰るにも

商店等の略奪行為が

行われている地区を

通らなければいけないので

ライブに行くのを断念した・・・

投稿されているではないですか!

 

そんな状況の中、

会場に来て頂いた方には

本当に

感謝しかなかったです。

 

朝、

6時にホテルに

タクシーが来ることになっていたので

1時半には

メンバーとの

会場での打ち上げを切り上げ、

皆に別れの挨拶をしました。

 

そして、

出口に向かう途中に

事件は起こりました。

 

バン、バン、バン!

と店の外で銃声が??

 

入り口のドアが大きく開けられ

店の前で

まだ残っていたお客さん達が

悲鳴を上げながら

店内に逆流して来ます。

 

大声を出しながら走り去る

グループが見えました。

白煙を靡かせながら・・・。

 

僕は入り口の方に駆け寄り

スタッフに一体何が起こったんだ!

と尋ねました。

 

それは銃ではなく

花火だったようですが

暴徒が店の前で

打ち上げ花火を

あちこちに乱射?しながら西へ

(ホテルのある方です)

向かっている、

だから

今、

店を出るのは

危険だと言うではないですか。

 

僕は

遂にこの平和なエリアにも

暴動や略奪の波が

押し寄せて来たのかと

観念しました。

 

ホテルに戻れるのだろうか?

空港に辿り着けるのだろうか?

そして、

飛行機は飛ぶのだろうか?

待機する人だかりの中にいて

自分の力で解決出来る事など

何一つないのに

悪い想像ばかりして

折角のライブの感動を

すっかり失っていました。

 

悪あがきしても仕方ないと開き直り、

舞台の前に集まって

飲み続けていたメンバーに合流し、

ラム・オレンジとラム・コークを

二杯飲み干した頃でしょうか。

 

入り口のドアが開き、

人々が出て行くのを見て

騒ぎが去った事を知ります。

夜中の2時を回っていました。

 

既に街は平穏な夜を

取り戻していました。

 

さすがにホテルに帰る途中に

軒を並べるレストランは

どこも閑散としていて

(営業を終了したのでしょう)、

連日の賑わいが嘘のようでした。

一つ目の交差点を

北に少し上がった所にあった

電気店(変換器を忘れたのでそこで購入)

の前に消防隊員が大勢駆け付けていたので

店が心配でしたが、

隊員達が落ち着いた様子だったので

大事に至らなかったに違いありません。

 

びっくりしたのが

ホテルの手前にあった

テラスのあるレストランは、

営業を再開していて

お客さんが

飲むは食べるはで

前日、前々日と

全く変わらず大繁盛!

 

パリの人は危機が去れば

またナイト・ライフを

楽しむんだなと

感心しました。

日本だと

皆帰宅して店も閉めてる筈ですよね?

ひょっとして

営業を

中断すらしていなかったのでしょうか?

 

7月1日の朝

5時55分にタクシーが来て、

6時20分には空港に到着しました。

 

道はガラガラで、

運転手が飛ばしたので

過去最速の空港への移動でした。

 

チェック・インも問題なく、

搭乗ゲートに着いたのは

出発の3時間前でした

( 通常出発の3時間前に

空港に着きたいというのが

僕のリクエストなのです)。

 

かくして

僕は

何の問題もなく帰国出来ました。

 

今、

暴動のニセ動画が拡散

という呟きを見て、

最初に

実は僕がニュースを見た時にも

これ本当なのかな?

と思った記憶を反芻しています。

 

何故なら

その時は、

自分がいたパリの中心地では

暴動の"ぼ"の字もなかったからです。

 

確かに

ニセ動画も

一部拡散されているのでしょう。

 

でも、

僕はこの目で

暴徒達の姿を見ました。

 

そして、

怯えて店に逆戻りして来た

お客さんの不安を

身を持って感じました。

 

全てがニセの動画ではない筈です。

でも

ニセ動画が拡散

と聴くと

本当は大した事なくて

暴動が全土に拡散している

イメージを作り上げようと

陰謀を企むヤツがいる!

みたいに思ってしまいそうになります。

 

いや、

暴動は起こっているのです。

 

映像って何を信じていいか

判らなくなって来ますね。

 

事実なのか?

プロパガンダなのか?

 

ニセ動画で

暴動を誇張したいのか?

ニセ動画だからと

暴動の拡大を否定したいのか?

 

遠く離れた日本で

パリの様子を見て

恐怖を感じる人がいれば

さっきまで

暴徒が騒ぎを起こしていた通りで

ワインやシャンパンを

開ける人もいますしね。

 

今から

マネージャーに

連絡を取って

パリの状況を確認しようと思います。

 

フランス政府が

インターネットを遮断するとの

ニュースを見たので

連絡が取れる内に・・・。

 

PS

 

インターネット遮断は偽情報!

まだマネージャーと連絡取れてます。

メンバーが無事か訊いた所、

ドラマーの家の近所で

トラックが爆発して炎上したけれど

彼に影響はなかったと。

7月5日の段階で

全員無事なようです。