二年前に愛犬を亡くし
犬連れのご近所さん達に
お会いする度に
心を痛め
羨んでは
諦めて来た
僕と妻に転機が訪れたのは
二週間前の事だった。
年に二、三度
揃って海外に渡航する我々が
再び犬を飼うのは難しく、
完全移住するまでは
お預けだねと
いつも話していたのに、だ。
実は、
自宅から車で30分程北上した所に
犬と猫の保護施設があり
毎週末
譲渡会をやっている事は
知っていた。
ただ、
週末は東京にいる僕は
その譲渡会には行けない
(コロナ禍でも
The Room COFFEE & BAR
があったので)。
譲渡会では
犬達を引き取らずに
ホストファミリーになるという
選択もある。
次の譲渡会まで
子犬達を預かり
プライベートな環境を提供し、
人間に慣れさせる
役割を担当し
保護施設の負担を
軽減する事も出来る。
処分から犬や猫を救出する
施設をサポートしたかったし、
そもそも
見捨てられた動物を
助けるお手伝いをしたかった。
しかし、
何度か検討するも
踏み出せずにいた。
気に入って
手放せなくなったら
どうしよう？
以前
訪れた別の保護施設では
我々の格好(派手なので)が
悪かったのか
野犬を飼うのは簡単ではない
と諫められ
真剣に飼うのに
最初から旅行の時に
施設に預ける事を尋ねるとか
あり得ないと呆れられ
信用する人物に値すると
認められなかった
トラウマもあり
施設に
拒絶されるんじゃないか？
という不安があって
平日であっても
中々施設を訪ねて行く
勇気が持てなかったのだ。
しかし、
ニ週前の日曜日は、
たまたま
弟が大阪でイベントをやる日で
たまたま
僕が関西にいて
イベント会場に行く途中で
たまたま（笑）
譲渡会をやっていたのだ
(譲渡会は第一日曜と第三日曜が滋賀
第二日曜と第三日曜に大阪で開催)。
我々は決心した。
いや、
もっと気軽な気持ちで
まず
見学してみようと同意した。
アンケート用紙に
必要事項を記入した後に
恐る恐るw
施設に入った。
三家族程いらしただろうか？
子犬と成犬が合わせて二十匹
(成犬は三匹)？
「出して触れたら
欲しくなるから
マズいよね？」
と言って妻の方を見たら、
彼女も苦笑している。
一通り犬達の様子をチェックしたら
施設の代表と思しき女性が
「抱っこしてみたら？」
と僕に話しかけて来た。
僕は
海外に頻繁に行くから
犬は飼えないんです、
ホストファミリーなら
出来るかもしれませんと
事情を話した。
しかし、
時既に遅し！
縮毛がモフモフしていて
顔にタヌキ似た
アイマスク型の柄が入った
子犬が僕に渡された。
「あ、あかんー！」
と嬉しい悲鳴を上げる
僕を見て
妻が笑っている。
「今日、預かってもらって
次の日曜に滋賀県の施設に
持って来て」
代表がそう言った。
今日ここに来たのも
何かの縁。
一週間、
試してみるのもいいかもしれない。
「一匹だと情が移るので
兄弟いないですか？」
僕は戸惑いつつも
彼女に訊いた。
続き番号の子犬を
彼女がケージから出す。
リスというか鹿というか
鼻筋の通った小柄な子が
妻に渡される。
「どうする？？」
僕は妻に尋ねた。
彼女は返事をしなかった。
嬉しそうな顔をして
子犬を抱きしめていた。
こうして、
僕たちは
ホストファミリーになった。
兄弟犬は
仲が良いと勝手に思っていたけれど、
喧嘩の酷い事（苦笑）。
餌を与える時は
狂喜乱舞で
二人がかりでも
手に負えない程の大混乱。
人生で、
四回犬を飼った事があるものの
二匹同時は初めてだったので
犬を飼うって
改めて大変だなと学んだ。
朝は早いし、
夜は寝られないし、
健康状態は心配だし
（弟の方はは車酔いで嘔吐、
兄の方は環境が変わって
ナーバスになったのか下痢）、
トイレを覚えさせなきゃいけないし
人間に慣れさせると言っても
溺愛はマズいだろうし、
僕らが感情移入し過ぎないように
（手放せなくなるので）
適度な（適度ってどの程度？）
距離感を取らなきゃいけないし・・・。
犬を飼った事のある経験者でも
ホストとしては初心者。
果たして
この選択は正しかったのだろうか？
手放せなくなるのかな？
飼い主が見つかるまでに
良い子に育てられるのかな？
新鮮な体験に
悪戦苦闘しながらも
僕たちは
ホストファミリーである事を
楽しんでいる。
PS
タヌキに似てる方（兄）は、
家族が決まりました！
里親募集中です↓
