僕とコーヒー | 沖野修也オフィシャルブログ Powered by Ameba

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Kyoto Jazz Massive 沖野修也 Official Blog

渋谷ストリームエクセルホテル東急さんと、

The Room」がコラボレーションしたショップ

「The Room COFFEE & BAR 」が

いよいよ

12月23日(水)にオープンしました。

 

今回は

僕とコーヒーの関係について書きたいと思います。

 

思い返せば、

今まで何人もの人にカフェやらないの?

と言われて来ました。

 

やっても良かったんですが、

やる必要がなかったんですよね。

 

山本宇一さんに村田大造さん、

大谷秀政さんなど知ってる人がやってましたし、

彼らのお店が心地良く

わざわざ作る必要がなかったんです。

 

実は、

叔父と叔母が喫茶店を今も営んでおりまして・・・。

生まれて初めてバイトをしたのが

喫茶店だったような。

(父がコンピューターのプログラマーだったので

プログラムのバイトだったかもしれませんがw)。

 

高校を卒業して、大学に入学するまでの間、

ずっと喫茶店で働いていたんですよ。

 

この度、

The Room COFFEE & BARを

オープンするに当り、

豆の仕入れ値の相談も叔父と叔母にしました。

 

あんた大丈夫か?

と言われましたけどねw

 

ちなみに

受験勉強でコーヒーを飲み過ぎたのか

ブラックで飲めない身体になってしまったんです・・・。

 

ブラック・コーヒーを飲むと、

息苦しくなる。

 

コーヒー・アレルギー???

でもミルクと砂糖を入れると飲めたんです。

 

ブラックが飲めるようになるのは

随分後のことになります。

 

喫茶店と言えば、

沖野さんはジャズ喫茶にはハマらなかったんですか?

と訊かれたりしますが、

はい、ハマリませんでした(苦笑)。

 

新宿のDUGにも

京都のBLUE NOTEにも行きましたが、

もうDJを始めてから行ったので

自分が好きな曲しか聴きたくない

って気持ちがあったのかもしれません。

 

かつて、

ムック本の企画で

DJが選ぶ曲(アルバムだったかな?)を

ジャズ喫茶のオーナーの皆さんが

批評するって無茶な企画に抜擢されまして!

概ね好評だったんですが

僕が尊敬する(しかもお会いしたこともある)

某老舗店の方に酷評されて

酷く落ち込んだことを覚えています(苦笑)。

 

90年代の空前のクラブ人気と

入れ替わるように訪れた

カフェ・ブームが到来した時は

それまで店に来てくれていた人が素通りして

猿楽町のカフェに行くようになったのがショックで

フューチャー・ジャズ喫茶と銘打って

"SOFA"というイベントを僕は始めます。

 

自宅からそれこそソファーを毎回搬入し、

コーヒーこそ出さなかったものの

僕が料理を作って振舞っていたんです。

ダンス禁止、リクエストOKの画期的な内容が

編集者の目に留まり

21世紀のジャズ喫茶として、

CASA CRUTUSでも取り上げられました。

 

この"SOFA"は、コンピレーションも発売し、

The Roomに新風を吹き込みます。

 

更には、

ミュージシャンのセッション・タイムもあり、

この即興演奏部分が人気を博し、

フューチャー・ジャズ喫茶としてではなく

いつしか、"SOFA"は

ナイト・クラブでのジャム・セッションの先駆けとして

認知されて行くことになります。

 

思い返せば、

Sleep Walkerや

Soil & "Pimp" Sessions、

quasimodeのメンバーが遊びに来てくれたりした

豪華なイベントだったなぁ。

Kyoto Jazz Sextetで叩いてくれている

天倉正敬君と出会ったのも"SOFA"でした。

 

もとい

コーヒーの話に戻すと

2011年の原発事故の後、

京都に戻ったことと

2014年にブルックリンに遊びに行ったことが

僕とコーヒーの距離を急速に縮めることになります。

 

久々のNY旅行で

DJはしたんですが、

クラブというか

行きたいパーティーが全くなく

チェックしたのはホテルとコーヒー店のみ。

 

特に

ブルックリンのブルー・ボトルは衝撃的でしたね。

店員が完全にヒップ・スター状態!

 

ヘリテージ・ファッションに身を包んだ

(男性は髭面で刺青、

女性はポニー・テールにメガネ、みたいな)

バリスタ?スタッフ?達は、

皆、自信に満ち溢れ、

なのに

フレンドリーで

しかも

活き活きとしている。

 

日本のコーヒー店とは違う!

DJより

コーヒー屋のスタッフに若者は憧れるだろ!

なんて思ってしまいました(苦笑)。

 

働いている空間もイケてるし、

彼らのアティテュードもクール。

 

これが噂の3rd Wave???

とリサーチを兼ねた旅行だったにも関わらず、

コーヒー店に足を運ぶこと

そして

コーヒーを楽しむ文化に

僕もすっかりハマってしまったんですね。

 

ま、

単に流行り物に弱いという見方も出来ますが、

マンハッタンを離れ、

ハイ・ファッションでもない

DIYなライフ・スタイルが

京都に戻った自分にフィットしたってのもあるし、

僕の人生の初仕事だった

コーヒー店勤務が

こんなに格好良くて

クリエイティヴになるんだなと

まさに

脳天をかち割られるような体験だったんです。

 

そう、

それは

僕がDJの本質としていつも意識している

価値観の逆転・・・。

 

帰国後しばらくすると

京都にも3rd Waveの波がやって来ます。

 

もともと京都は

喫茶店文化が根付いていた街ですが、

アラビカ・コーヒーの登場で

一気に流れが変わります。

 

数えきれない数の新店がオープンし、

片っ端から飲みに行きました(笑)。

 

Traveling Coffee

Weekenders

二条小屋

CLAMP

Kurasu

Wife & Husband

Akatsuki

旅の音

Drip & Drop...

 

こんなもんじゃないですからね。

週一で新店も老舗もチェックしてたりするから

年間50軒は行ってます。

6年として300軒。

同じ店に何回も行くこともあるから

そんなに行ってないか(笑)。

 

とにかく、

会計士から

そんなにコーヒー飲みに行って

喫茶店でもやるんですか!

と注意されたこともあります。

 

そんな僕が、

自分のコーヒー店をオープンさせたのが

2016年のこと。

 

いや、厳密に言うとイベントか(汗)。

 

この年から

Pop Up専門でジャズに関する本だけを

扱う書店、

Jazzy Booksを始めたんです。

 

このJazzy Booksの第一回目を

Jazzy Sport Shimokitazawaでやったんですが、

僕が一日店長兼バリスタ?という役回りで

Jazzy Books Cafeってのを

スペシャル・イベントとして開催!

 

 

もう、

DJじゃないですね。

好きなジャズかけて、

コーヒーを淹れる

完全にジャズ喫茶のマスター状態。

 

この頃から

代理店の人に

沖野修也が考える

今版のジャズ喫茶!

をやりたいんですよね・・・

タネを蒔き始めます(笑)。

 

今ジャズ!なんて名前で

メディアや店頭でも騒がれ始めましたし

クラブで新しいジャズの需要って

そんなになかったから

フューチャー・ジャズ喫茶ならぬ、

ロバート・グラスパー以降のジャズ喫茶!で

活路を見出そうとしていたのかもしれません。

 

無意識的に(笑)。

いや、十分に意識してたか!

 

そして、

2018年、

銀座のトリバ・コーヒーと

僕のコラボレーションが実現。

 

オーナーの鳥羽伸博さんにお声がけ頂き

店内で『沖野修也の仕事展(仮)』を開催。

 

僕の過去手がけた仕事を振り返ると共に

カオグラム(自分の顔のモノグラム)グッズを販売。

 

 

そして、

伝説のテレビドラマ、

『探偵物語』で

僕が敬愛する松田優作扮する

工藤俊作のお気に入りを参考に

トリビュート的に鳥羽さんと開発した

沖野修也ブレンドを発表

(勿論、販売しました)!

 

あれから

2年・・・。

 

The Room Coffee & Barをオープンするに当り、

トリバ・コーヒーさんとのコラボ再び!!

 

今度は僕だけではなく、

無類のコーヒー好き、

The RoomのGM冨永陽介、

元The Roomのバー・チーフで

こちらもワインとコーヒーが大好きな

DJ KAWASAKI、

そして、

今年、

ジャズ・ボーカリカリストとして

デビューを果たした

The Roomの紅一点、彩菜が

オリジナル・ブレンドを

完成させました。

 

ちなみに、

冨永陽介から

豆の仕入れとトレーナーは

信用出来る人と組みたい

というリクエストがあったんですが、

豆は鳥羽さんだから全く問題なし!

 

トレーニングは、

The RoomでもDJをしてくれている

磯崎タイチ君にお願いすることに・・・。

 

え、

DJがコーヒーのトレーナー??

 

そう思われますよね?

これまた

その経緯が痺れるんですよ。

 

実は、

磯崎君は

僕が立ち上げに

参加したCitanのスタッフで、

そこで僕や前店長佐藤強志と知り合い、

今ではDJ KAWASAKIと社長のイベント

MagneticのレギュラーDJとして

回してくれています。

 

この秋からの彼を巡る動きがヤバかった!

 

冨永がInterFMのThe Room Radioに

磯崎君をブッキング

The Room Projectを一緒に立ち上げ、

今回

The Room COFFEE & BARの

プロデュースを共同で担当する

スターマークの林さんの配信番組

”Creative Wednesday"に出演

林さんと僕が仕掛けた

The Room Campに

バーのお手伝いとして参加

(しかもホテルなしテント持参)。

The Room CampのオープニングDJに大抜擢

 

で、何と!

The Room Campで

磯崎君が

コーヒーのトレーニングが出来る事が発覚!

 

彼、 

Citanの前はブルー・ボトルにいたんです。

 

これ

偶然?

必然?

 

叔父と叔母が喫茶店経営。

初バイトが喫茶店。

トリバ・コーヒーとコラボ再び。

トレーナーは元ブルー・ボトルの磯崎君。

 

繋がり過ぎ。

綱渡り過ぎ?

 

こうして、

僕は

巡り巡って

コーヒー店のプロデュース

(僕の役職は

クリエイティヴ・ディレクター)を

手がけることになり

無事オープンに

漕ぎ着けた訳なんです。

 

労働の喜びを知ってから35年。

人に恵まれ

人と繋がって

実現した

The Room COFFEE & BAR。

 

長い長い道のりでした。

 

余談になりますが、

鳥羽さん&The Roomのスタッフと作った

4種のブレンドには

それぞれテーマ曲があります。

 

で、

テーマ曲を歌っている

or演奏しているアーティストを

モチーフにしたイラストを僕が描き、

ステッカーにして袋に貼って

豆も売り出す予定です。

 

スタッフが

オリジナル・ブレンド考案して、

それぞれのブレンドにテーマ曲選んで、

オーナーが絵を描くって聞いたことあります?

 

おそらく

そんな店は

世界の何処にもないと思います。