Midnight Magic〜その1 | 沖野修也オフィシャルブログ Powered by Ameba

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Kyoto Jazz Massive 沖野修也 Official Blog

 

海外アーティストのオープニング・アクトとしてDJプレイする時のプレッシャー。それはただでさえ重く痺れるものなのに、僕の前日が今や海外にも招聘され一躍世界からも注目される存在となったDJ KOCO aka Shimokitaだというではないか・・・。3年振りのロイ・エアーズBlue Note公演は、3夜連続で異なるDJがブッキングされることとなった。僕の翌日はJAZZY SPORT所属、こちらも世界ランカーのDJ MITSU THE BEATS。プレ・イベントとして行われたブルックリン・パーラーでの親睦会?では、KING OF DIGGIN’ことDJ MUROとレーベルAT HOME SOUNDを立ち上げたRyuhei The Manが担当。この豪華すぎる並びに僕も名を連ねさせて頂くのは大変光栄なことだった。

 

本公演前のDJ。それはとても責任が重大で、観客の気分を盛り上げるだけでなく、ミュージシャン達のモチベーションにも僕のプレイの内容は大きく影響を与える。楽屋に流れる我々のMixを彼らは耳にしているのだ。その上、DJがこの並びだと否応無く比較されてしまう。実際にブルーノートで僕を抜擢してくださった小野意奥利さんは、「昨日の KOCOさんのプレイにやられたスタッフが多くて、今度彼のイベントに皆で行こうという話になってるんです・・・」と仰っていた。

 

そう、僕も自分が前座を務める前日、KOCOちゃんのDJプレイを聴いた。その繋ぎ、選曲、パフォーマンス(KOCOちゃんは元ダンサーだから動きがとてもリズミックなのだ)、どれも最高だった。いつもよりメロウだったけれど、十二分にグルーヴィーで、終演後も彼の周りにお客さんが残ってそのセレクトを堪能していた。そう、僕はある理由があって、前の日もブルーノートに顔を出したのだった。

 

ロイ・エアーズBlue Note公演のフライヤーにも寄稿したけれど、現在僕はKYOTO JAZZ MASSIVEの17年振りのアルバムを制作している。その中にロイさんに捧げた曲があるのだ。去年の秋にTOKYO JAZZ Xというイベントで全曲新曲ライブを行った際にも披露した曲なのだけれど、オーディエンスの反応も上々で、ロンドンから招聘した Vanessa Freemanの仮ボーカルもThe Roomで録音した。しかも、僕はこの曲にご本人の参加を強く願っていたので、ロイさんのマネージメントにメールで連絡も入れていた。

 

しかし、待てど暮らせど、返事が来ない。半ば諦めていたところに、小野さんから今回のオープニング・アクトのオファーがあった。そこで僕は、小野さんに思い切って自分の計画を打ち明けた。来日タイミングでレコーディングさせて貰えないかと・・・。

 

実は小野さんには以前にもお世話になったことがあるのだ。それは、Sleep Walkerとファラオ・サンダースのレコーディング。小野さんの計らいと仕切りで夢の共演が実現。録音の前日に曲が完成し、当日4時間という制限の中で僕たちはミッションを完遂した。

 

だからこそ、僕の小野さんに対する信頼は厚かったし、あの夢再び!という期待もあった。しかし・・・。(つづく)