友からの電話 | 沖野修也オフィシャルブログ Powered by Ameba

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昨年の12月だったと思う。

冬とは思えない暖かい日差しが部屋の中に差し込むとある平日の午後。数年ぶりに友達から電話がかかって来た。

 

「沖野さん、ご無沙汰してます!ご報告がありまして」

 

快活で清潔。

実直にして明朗。

 

その滑舌の良い挨拶で僕を心地良くさせてくれる男から耳にした知らせは、意外な告白でもあった。

 

「来年の参院選に挑戦しようと思ってるんです。自民から比例で」

 

元F-1ドライバー(正確にはパイロットと言うらしい)で、

何度かDJで共演したこともあり(海外のイベントからもオファーが来るほどの本格的なDJでもあった)、長年The Roomのサウンド・システムにツイーターをお借りしていた山本左近君が、候補予定者に名乗りを上げるということで、わざわざ電話をかけて来てくれたのだ。

 

 

勿論、彼は僕が現在の自民党に懐疑的なことを知っての上で、僕に連絡を取って来た。

 

ここで改めて僕が育った家庭の特殊な政治状況を話しておきたいと思う。

 

1970年代、父は繊維系労働組合のリーダーで、2度、モスクワで行われた世界大会にも招待された。

 

伯父(父の妹の旦那様)は、京都の北部を仕切る側溝素材のメーカーで、自民党議員だった野中広務氏の後援会の重鎮。

 

祖父の弟は公務員を退職した後、某製粉メーカーの幹部になった創価学会の京都での実力者。

 

そして、父の従兄弟は共産党の市議だった。

 

なんと子供の頃は、読売新聞と聖教新聞と赤旗の3紙が自宅に配達されていたのだ!

 

ネットで僕の名前を検索すると”沖野修也左翼”なる言葉が候補として出てくるが、実際には支持政党はなく、政治的スタンスは真ん中より少しだけ左寄りかなぁと思っている(記入式のWeb上で投票先判定結果でもそう表れた)。良く言えば中庸。悪く言えば八方美人だ。

 

自民は人々に利益をもたらし(伯父会社はとても立派な工場を持っていたし京都北部の道路事情も大きく改善された)、公明は面倒見が良く(今も一人暮らしの母をまめに訪ねてくれる)、共産党は社会の不正を摘発する存在(でも何ら決定権はない)という認識を子供の頃から引きずっている(苦笑)。

 

話を元に戻そう。

左近君が自民から・・・ということに、何故?という気持ちがなかった訳ではない。

 

与野党問わず、嘘とごまかしの政治を、僕は決して認めることはできないのだ。方向性が違えど十分に議論を交わして、相手を説得したり、条件を飲ますなどあらゆるテクニッックを駆使して双方がギリギリの攻防をするのが政治ではないのか?権力を振り回し民意を無視したり、批判者の立場に安住することを僕は政治とは呼びたくない。

 

それでも、左近君が”現在”はアンチ自民な僕にわざわざ電話してくる勇気というか礼儀正しさには心を打たれたし、「もし、僕が間違った方向に行ったら叱って下さい」と明言したこと(これを僕が書くリスクだって彼は理解していた筈だ)には感心すらした。

 

左近君は現在、医療法人・社会福祉法人の副理事で、ホームヘルパーの資格も持ち、介護福祉の世界にも身を投じている。様々な問題を国政に出て解決したいと思ったに違いない。ご家族の人脈なのか、恩人の紹介なのか、それとも、法改正を実現するのは与党に党籍を置いた方が得策と思ったのか、その真意(自民からの挑戦)は僕には判らない。ただ、僕の母も訪問介護のお世話になっていて、介護が自分にとって生活の中で決して目を背けられない要件であるだけに、友人が国会議員になってその問題に取り組むことについては歓迎するし、色々と要望もある。

 

ちなみに、比例と言っても自民と書かずに山本左近と書かないと当選しない”らしい”。

 

複雑な心境ではあるけれど、彼の新たなチャレンジを評価したいし、健闘を祈っている。

 

議員になった暁には、是非とも風営法の改正に取り組んで来た超党派のダンス議連にも参加してもらって、営業面積や営業地域、さらには”遊興の定義”などの問題にも是非共取り組んで頂きたい。どの議員よりもDJカルチャーに精通し、クラブの価値を理解できるのは彼しかいないと断言する。

 

ちなみに皆さんご存知だと思うけれど、この所僕は参議院議員の山本太郎氏と懇意にしている。彼もまたThe Roomに顔を出してくれているし、イベントにゲストとしてお招きもした。

 

二人の山本氏・・・。

 

何の因果か、僕の友人達は与党候補予定者と野党議員という真逆の立場にいる。

 

左近君が当選し、太郎君が再選され、二人がダンス議連に参加し、一緒に一肌も二肌も脱いでくれることを夢見ている。

 

自民が正常化したら、という前提が付くけれど、それこそ、何年後かに二人の”山本氏”が与野党それぞれのリーダーになり、総理大臣の座をめぐって激突するなんて日が来るんじゃないか?なんてことを考える自分もいる。是非、どちらが市民をより幸福にするかを競い合って欲しい・・・。

 

え、

どうせ自民所属なら取り込まれる?

しょせん一匹狼だから何もできないだって?

 

僕は、無理と言われると余計に燃えるタイプでね。

 

政治の現実は肉体的だけれど、

“理想”がなくては死を意味するよ。

それは、血なんだと思う。