DJがバンドに絡むということ | 沖野修也オフィシャルブログ Powered by Ameba

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Kyoto Jazz Massive 沖野修也 Official Blog

昨夜の京都BAR OIL、
OMGにお越し頂いた皆さんありがとうございました。

屋敷豪太さんとのイベントでの共演は
2度目だったんですが、
バンド(トリオ)として絡ませて頂くのは勿論初めてのことでした。

豪太さんといえば
僕の永遠のアイドル、
SOUL II SOULのデビュー・アルバムに参加し、
あの
グラウンド・ビートと呼ばれる
ヒップ・ホップと
ダブと
ゴー・ゴーが混在する
ドラム・パターンを生み出した
レジェンド。

そんな豪太さんと
まさか一緒にセッションさせて頂けることになるとは!

1995年位にロンドンのスタジオでお目にかかったから
20年越しの夢の実現?

いや、
そんなこと想像したこともなかったから
夢なんかではなく
僕の抜擢は晴天の霹靂だった訳です。

で!
一体
昨日僕は何をしていたのか???

豪太さんと
Soil&"Pimp"Sessionsの
丈青君という
強力な二人のミュージシャンの後に突っ立っていた訳ではありません。

実は、
予め用意したベース・ラインを
僕がトラクターという機材(昨日生まれて初めて使った!)から出して
そこに
ドラムとキーボードが絡んで行くというセッションだったんです。

僕のジャズのコレクションの中から
ベースで始まるフェイバリット曲を選び出し、
2小節のループを作っておいたんです。

これ
そもそも
豪太さんの発案で、
「この人無茶なこと言わはるなぁ・・・」
と思いつつ、
「でもこんなチャンス、二度とないかも!」
と舞い上がって
快諾したんですよねぇ(笑)。

って言うか
チャレンジャーですよね?
あの豪太さんと
丈青君と
トリオですよ??

正直、
昨日の当日リハまで
後悔してました。

神よ!
何故あなたは
断る勇気を私に下さらなかったのですか!!
と・・・。

でも
あっと言う間の45分×2回。

いやぁ、緊張しました。

普段僕は構成のある音楽をかけているので
(勿論曲順の決定は即興ですが)、
構成のない曲を
パフォームするってのは生まれて初めてのことでもあったんです。

ミュージシャンは普通にジャムってますから
日常茶飯事なんでしょうけど、
僕にとって構成のない曲は
ほぼほぼ作曲に近い訳です。

しかも
僕はトラクターを使うのが初めてで
ループ機能も理解してなかったから
豪太さんと丈青君のセッションが盛り上り
作って来たベースのループが終る!!!
なんてシーンも・・・(涙)。

なんとか乗り切りましたが・・・。

あと
予想してはいたんですが、
DJの不自由度が半端なかったですね。

ベーシストみたいに
キーボードとドラムに
反応できませんから・・・。

とは言え
僕が
全く
インプロヴァイズしなかった訳ではありません。

曲順は予め決めずに直感で決めたし、
ベースのミュートや
フィルター処理も全て即興。

曲中にコード進行変えられないから、
ベースをミュートして
ドラムのブレイクになったら
別の曲のベースを突如差し込む!なんて荒技も(汗)。

課題山積みですが、
非常に貴重な経験が出来ました。

今まで
ライブをやって来なかった訳ではないんですが、
Kyoto Jazz MassiveもKyoto Jazz Sextetも
DJの主導ではなく、
ライブに効果音などの音を重ねる役割でしたからね。

これからは
僕がお題を出してミュージシャンが
そこにどんどん音を積み重ねることによって
思いもしなかった演奏が繰り広げられる・・・
というライブの形を取り入れていってもいいなと
思ったりもしました。

ロニ・サイズに
エレメンツ・オブ・ライフ、
リール・ピープルに
ジャザノヴァと
DJが作った音楽のライブを今までも
何組も観て来たけれど
自分が理想とする有機的な
融合を果たした演奏ってまだ出逢えてないんですよね。

そういう意味では
今回のセッションには大きなヒントがありました。

ワン・ループでも
流しっぱなしではなく
色々やれることが判ったし、
次、もしやれる機会があれば
ベース以外の音を
テーマにすることができることにも気付いた。
僕がリードしつつ、
別の音色を足す事で
ミュージシャンを更に刺激することも可能かと。

ちなみに
Kyoto Jazz Sextetの
次のアルバムの曲作りに
この手法は使えるかもしれない。
何故なら
ファースト・アルバム『MISSION』は
カバーだったんだけれど、
別の曲のループを
人力で組み立てあてがっていた訳ですから。

僕が作ったベースのループを
インスピレーション源にして
ミュージシャンとセッションすれば
そのベース・ラインを含んでいた曲とは
全く別の曲ができる筈。

最終的なレコーディングでは
ベース・ラインを差し替えることも可能ですし。

っていうか
それ所謂DJの作曲方法なんですけどね(笑)。


今まで鼻歌で
曲を作って来たので
サンプリングとループって
初体験なので
とても新鮮だったんです。

とにかく、
豪太さんの誘いによって
僕にとって
DJがバンドに絡むということを
改めて考え直す機械を与えて頂きました。

どうやって
ミュージシャンを触発するのか?
そして、
どうやってミュージシャンと
コミュニケーションを取るのか?

宿題を課せられましたね。

いやぁ、
ライブ中のループをどうすればいいのかってことで
パニック状態だったし、
次の曲を何にすればいいのかで頭が一杯で
二人のストーリーを把握する余裕がなかったもんなぁ。

ただただ反省するのみ。

それにしても
レジェンドのドラムを
真後ろから眺めることが出来て感無量でした。

千手観音(豪太さんは男性ですが)を拝むような
気持ちで観てたんですよ。

未熟な僕に付き合ってくれた
丈青君にも大感謝!

最後ファンキーなDJで締めてくれた
牧野君、お疲れ様でした!!

そして、
OILのマスターとスタッフの皆さん
お世話になりました。

この経験を糧に
更に
DJもライブも
レベル・アップを図りたいと思います。

リベンジする機会があるなら
見違える姿を見せないとね。