遂に来日! | 沖野修也オフィシャルブログ Powered by Ameba

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Kyoto Jazz Massive 沖野修也 Official Blog

いよいよ明日から三日間、
待ちに待った
カマシ・ワシントンの来日公演が
青山のブルーノート東京で行なわれる。

彼は
クラブ・ジャズ・シーンで
今年最大級の
話題のサックス奏者。
遂に日本でのライブが実現するのだ。

クラブ・ジャズ系のみならず、
フライング・ロータス率いる
ブレイン・フィーダーからのリリースで、
ビート・ミュージックのフォロアーは勿論のこと、
ロックやテクノのファンからも注目されている。

スピリチュアル・ジャズと呼ばれる音楽性が
好きなジャズのリスナーからも
受け入れられているに違いないだろう。

このカマシ・ワシントン。
ファラオ・サンダースに代表される
スピリチュアル・ジャズの後継的存在でありながら、
ベース・ラインやキーボードの音色に
ブレイン・フィーダー的な
現代感覚を散りばめている。

当然のことながら
ヒップ・ホップやR&Bと言った
同時代の音楽も
カマシの視界には入っているだろう。

カマシ・ワシントンの音楽を聴いて
実は
スピリチュアル・ジャズとは
70年代の
裏クロスオーバー・ミュージックだったのではないか?
という思いを再認識した。

ロックやポップス、
ブラジル音楽やディスコまでを
取り入れたフュージョンに対し、
ゴスペルにソウルやファンク、
アフリカ音楽にフリーまでを
吸収したジャズが
スピリチュアル・ジャズと呼ばれる
音楽群ではなかったのかと・・・。

カマシは
そんなスピリチュアル・ジャズに
更に
"今"の音楽を織り込んでいる。

ちなみに
コラムを連載している
SANKEI EXというタブロイド紙でもカマシを取り上げ、
インターFMの番組では
アルバム紹介コーナーで『THE EPIC』を推薦し、
昨夜の放送でも
ファラオ・サンダースとNON STOP MIXで
彼のCHANGE OF THE GARDをかけた。

何故僕がそこまで肩入れするのか?
それは
曲が好きだからだけではない。

このご時世に
60人を越えるミュージシャンをフィーチャーし、
3枚組のアナログを発表する勢いもさることながら
やはり
現行のスピリチュアル・ジャズを体現する
アーティストの出現に
僕がノッていることに他ならない。

かつて
日本のSLEEP WALKERが牽引し、
TWO BANKS OF FOUR、
BUILD AN ARKといった
海外勢が呼応するかのように
姿を現した。

クオシモードですら
2ndアルバムには
その手のサウンドの影響が
色濃く反映されていた。

しかし
マッコイ・タイナーや
ファラオ・サンダースの
オープニング・アクトを務め、
ファラオとは
レコーディングやライブでも共演を果たした
SLEEP WALKERは解体。

TWO BANKS OF FOURも
BUILD AN ARKも音楽性を変えてしまった。

ここ数年は
ロバート・グラスパーが
イギリスに端を発した
クラブ・ジャズのムーブメントから
主導権を奪うかのように
(とは言え『In My Element』の
エグゼクティヴ・プロデューサー、
Eli Wolfはクラブ・ジャズのエッセンスを
僕も参加した『Blue Note Revisited』で
ブルー・ノートに持ち込んだ男だった)
世界に影響を与える作品を
続々とリリースし
完全に
新しい時代のジャズの流れを
NYに呼び込んでいた。

そこへ来て
まるで対抗するかのように
LAから、
しかも
すっかり姿を潜めていた
現行のスピリチュアル・ジャズが
まさかの!
ブレイン・フィーダーから
(とは言え[2度目]、フライング・ロータスは
アリス・コルトレーンの甥なんですよね)
音楽性をアップ・デートする形で
リリースされるとは
夢にも思っていなかった。

カマシ・ワシントンの来日で
新旧のスピリチュアル・ジャズの魅力に
今一度
人々が気付くことを願いたい。

そして、
彼が
進化した
裏クロスオーバー・ミュージックとしての
スピリチュアル・ジャズを
ライブで
どんな風に表現してくれるのかが
楽しみでしょうがない。

ファラオ・サンダースのご子息、
トモキ・サンダースとの共演を
画策する僕にとっても
今回のライブは決して見逃せないのだ。

皆さんにも
是非足を運んで頂きたい。

ジャズであると同時に
折衷音楽の現在形を体験できるまたとない機会なのだから。

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KAMASI WASHINGTON

カマシ・ワシントン来日公演

@ブルーノート東京

DATE & SHOWTIMES
2015 10.30 fri. - 11.1 sun.

10.30 fri.
[1st]Open5:30pm Start7:00pm 
[2nd]Open8:45pm Start9:30pm

10.31 sat. - 11.1 sun.
[1st]Open4:00pm Start5:00pm 
[2nd]Open7:00pm Start8:00pm

MEMBER
Kamasi Washington(sax)
カマシ・ワシントン(サックス)
Patrice Quinn(vo)
パトリス・クイン(ヴォーカル)
Ryan Porter(tb)
ライアン・ポーター(トロンボーン)
Brandon Coleman(key)
ブランドン・コールマン(キーボード)
Miles Mosley(b)
マイルス・モズレー(ベース)
Tony Austin(ds)
トニー・オースティン(ドラムス)
Ronald Bruner Jr.(ds)
ロナルド・ブルーナーJr.(ドラムス)