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Kyoto Jazz Massive 沖野修也 Official Blog

一ヶ月の期間限定(3月末まで)で受注生産を受け付けている
http://www.kyotojazzmassive.com/anotherface/
僕のイラストの為の作品自己解説その10。

『MARCH』

MARCH

この作品も
『JAN』や『FEB』同様、

The Roomのフライヤー

CARHARTTでTシャツ化

The Room15周年記念コンピのジャケに使用。

個展の為にシルクスクリーン印刷

を辿っていますね。

僕の美人画って
黒目が下地の色を残して
白目だけを塗ってるじゃないですか?

この作品は
色のない黒目の両側に
白目部分がある珍しいタイプ。

通常は
右か左のどちらかだけ白く塗ってるんですけどね。

DJ KAWASAKIが選曲した
The Roomのコンピに使用した際は
色をピンクに変えています。

あ、書き忘れてましたけど、
昨日の『FEB』は、
BLACK EDITIONこと佐藤強志が選曲した
The Room15周年記念コンピの
ジャケになってましたね。

共に、
個展の時は
サイズを変えて
ジャケと同じ下地の色で刷ったヴァージョンも
作りました。

来場者の方に
「特定のモデルはいるのですか?」
と聞かれましたが、
イエスであり
ノーですね。

参考にする写真やイメージがあっても
元素材からは
描き進める内にどんどん離れて行きます。

顔のパーツや髪型を
複数の女性から引用してくる事もあります。

技法は企業秘密と書きましたが、
下絵の段階では
顔と認識できない事もあります。

修正して行く過程で
どんどん人間らしい顔になって行くんですw。

勢いで仕上げますね。

そのスピード感は書道的で
直して行くプロセスは版画的。

でも、原画を版下にする段階では
機械を使って
敢えてその速度と労力を
封印するので
切り絵的なニュアンスが入って来ます。

美術系の学校に行った人は
ここまで言うと
何で描いてるか判りますよね。

この『MARCH』は、
子供の頃家にあった
母の肖像画に影響を受けています。
同僚に描いてもらったという
モダニズム的なイラスト風の作品でした。

筒井康隆の漫画に登場しそうな顔してたな・・・。

彼女が
何を考えているのか僕にも判りません。
但し
遠くを見つめる眼差しから
何かを察する事は可能かもしれません。

孤独
倦怠
安堵
追憶・・・。

勿論、正解はありません。
彼女は
あなたが作り上げた架空の人物だからです。

もし仮に
親近感を覚えてたとしたら
それは
あなたが知っている
誰かなのかもしれませんし、
ひょっとすると
あなた自身なのかもしれません。

今にも動き出しそうな予感をどの作品にも
持たせるようにしたんですが、
不思議と誰一人
まばたきする気配がないんですよね。

意思が、
時間を貫いているからでしょうか?