何でも
あなたとはもう暮らせない、
決して追わないで下さいと
書き置きを残し、
前の晩、
彼が
TSUTAYAにビデオを借りに行っている間に
アビーが家を出てしまったと。
朝になれば
気が変わって戻って来ると待っていたが
一向にその気配がないと。
流石に
スネークも心配になり
僕に打ち明けたと・・・。
二人で手分けして捜索する事
半日。
駅や交番、スーパーマーケットを駆け回るも
何処にも手掛かりはなく僕達は途方に暮れていました。
日没近くに
僕は大沢君に電話で事情を伝える事に・・・。
翌日の朝、
下京署から
自宅に電話がかかって来たんです。
京都駅の近くにある
武田病院でアビーが保護されたと。
体調に異変はなく
ロビーで寝ていた所を不審に思った
職員が通報したそうな。
僕はすぐに大沢君に連絡を取りました。
僕の動きをスネークに知られてはマズい。
彼にバレないように
京都市内に出向いてアビーに接触しないと・・・。
仕事があるからとスネークに嘘をついて
武田病院に向いました。
アビーは警察に捜索願いを出しているから
とりあえず今は待つしかないと彼に言い聞かせて。
無事だった
アビーは
例の申し訳なさそうな顔をして
事情を僕に隠さず話してくれました。
スネークは面白い奴で一緒にいて楽しいかったから
京都に移住するにあたり結婚しようという事になった。
お金の交渉やら面倒くさい事は僕がマネージャーとして
対処してあげるから心配する事はないと言われて
とても心強かった。
ところが
結婚してみると
口答えは許されず、暴力を振るう事もあったと。
「彼と話して、別れる事はできないの？」
と僕は彼女に尋ねてみました。
彼女が首を激しく振り、
今はただオーストラリアにいる家族に会いたい
とだけ答えます。
それにスネークの話題になると酷く怯えているのです。
「拳銃で脅されたの。お前は何処にも逃げられないって」
け、拳銃？
僕は耳を疑いました。
でも、
彼女の表情の中に読み取れる恐怖から
その事はまんざら嘘ではなさそうだし、
彼女がそう思っている以上
その恐怖を僕が取り除く事はできそうにありません。
僕は
一つの
判断を迫られていました。
そして、
駆けつけた大沢君と
二人で
決断を下しました。
彼女を国外に逃がす。
パスポートは持っていたから
そのまま出国できるんです。
アビーは
大沢君が伊丹空港に連れて行ってくれる事になりました。
僕は
帰宅し、
スネークと対峙する事に・・・。
スネークにアビーが逃げた責任を取れと迫りました。
あくまで彼女に会った事は伝えなかったんです。
マネージャーなんだし、
お金も貸しているんだから
何とかしろと厳しい態度で迫りました。
数日後
僕はレコード会社の人と打ち合わせる為に
東京に行く事になっていたんです。
アビーがいない以上、
お前をここに置いておく事はできないと
僕は彼に
冷たく宣告しました。
(つづく）
そんな
アビーを伊丹空港から
海外に逃がした大沢君も参加してくれる
渋谷のクラブ改めタマリバ、
The Roomの20周年記念パーティー
ONE SONG,ONE SOULまで
あと3日！
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