日常を取り戻す? | 沖野修也オフィシャルブログ Powered by Ameba

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確かに
元気も出さなきゃいけないだろう。
悲惨なニュースを見たくない気持ちも判る。
自粛ばかりしていないで
通常の経済活動が
行なわれないと
ただでさえ景気が悪いのに
さらに悪化するのは目に見えていえる。

それでも、
僕は
日常を取り戻す事は
何の解決にもならないと思う。

被災した人々の事を
早くも忘れている人はいないだろうか?
家もなく
家族を失い
食べるものも十分に与えられていない人が大勢いる
(絶望的な状況の中、
それでも生きようとする彼等の姿に
僕は励まされてすらする)。

原発から
20km以上
30km以内に
住んでいる人は
外に出られない上に、
逃げたかったら逃げてもいい

国から
自主退去勧告を受けている
(彼等は、
地震と津波と原発と政府に苦しめれているのだ!)。

しかも、
東電の副社長は
「今起こっている最悪の状況をどのように想定しているのか」
との問いに
「原子炉をとにかく冷やすということが大事」
と答えている(3/26現在)。

まさか、
この記者会見を見て
「その程度の事でいいんだ!」
なんて思った人はいないよね・・・。

解決策がないのだ。
だって、質問にも答えてないし
(知ってても答えられないんだろう)、
決定的な解決策を見つけられてないから
水をかけるしかないって言ってるんだから・・・。

まだまだ予断を許さない状況だと思う。

それに
誰かさんが言ってる
取り戻すべき日常は、
そんなにも素晴らしいものだったのだろうか?

世界中で飢えや渇きに苦しむ人達の事も
災害から立ち直ろうとする人達の事も
虐待や罪なき投獄の事も
全部自分には関係なかった。

僕達は、原発の事だって真剣に考えてこなかった。

政治家が原発の後ろ盾で選挙を勝ち抜き、
メディアが原発の金で買われ、
原発の関連団体が官僚の天下りになっていた事など
気にもしなかった。

そんな日常を取り戻す事が
前向きに生きる事なんだろうか?
それは
ただの現実逃避。

チャリティーやボランティアも大事だけど、
一過性のものにせず、
常に
隣人、
それも世界規模での隣人の
苦しみや痛みに関心を持つべきだし、
原発の問題を改めて考え直し、
ひょっとするとライフ・スタイルを
変えなきゃいけないかもしれない。
それに、
政治家や官僚、
企業が国民の事を考えていないという
現実を直視するべきだと思う。

社会貢献。
代替エネルギーに関する議論。
そして、投票行動。
やれる事はいくらでもある。

ドイツでは、原発廃止のデモ行進に
10万にもの人が参加したというのだ・・・。

当事者である僕達は
また
あの
無関心で
想像力の欠如した
日常に戻ってしまうのか?

元に戻っちゃダメなんだと思う・・・。


僕に
希望があるとしたら
それは
"変わる"
事かもしれない。