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Kyoto Jazz Massive 沖野修也 Official Blog

パリのパーティー会場BATOFARは
なんと
セーヌ河に浮かぶ
ボート。

ロケーションも抜群、
ライナーとのパリでの共演再びって事で
かなり
気合いも入ってます。

JAZZAMARと
僕とライナーと
イギリスから
遊びに来ていた
ニック・ウエストンと
奥さんのユキちゃんが到着した時は、
既に
デッキにあるバーは賑わってました。

ダンス・フロアーは、
船内にあって
けっこう怪しい感じ(笑)。
非合法クラブっていうのかなー。
勿論合法なんですが、
雰囲気が
アンダー・グラウンドなんですよ。
こんな所で踊れるんだ
みたいな。
それでも、
結構広くって
天井も高く
ちゃんとクラブになってるんです。

そして、
パーティーは12時にスタート。
まずは
JAZZAMARがDJ。

まだまだ
観客は少ないというのに
ライナーが
自分の顎を指先で触りながら
僕の方を向いて一言、
「今日はいいヴァイブを感じるなー」
と。

クラブに染み付いた
気配みたいなものがあるんです。

これは、
レンタル会場には絶対ない
‘匂い’。

世界中のいろんな都市に行きましたが
いいクラブには
必ず
それが
漂っています。

人が少なくても
全然淋しい感じがしないし、
いい夜になりそうな
予感を
ライナー
は感じ取ったんでしょうね。
巧みの技ならぬ、
プロの勘みたいなもので。

その一言で
すっかり安心したんすが・・・。

ライナーとどちらが先にやるか
という話になって
どうぞと譲った所
先にやってくれたら嬉しいなぁ
と言われ
先攻は(笑)
僕に。

この順序も
パーティーの良し悪しを決める
重要なポイントの一つなんですよね。

僕が外すと、
ライナーに負担がかかる(困)。

それだけに
責任も重大。

徐々に
人は入って来てたけど
まだまだ満員とは言えない状態。
船内?で知り合った
日本人の女の子に
まだやらないんですかーと
聞かれ、
ちょっと心配に。

だって
既に1時半になっていたし・・・。

2人組の男の子がやって来て
「大ファンなんです!楽しみにしてます」
とも話しかけられた。

大丈夫だろうか?

そして、
JAZZAMARから僕に変わる前に
彼がこう言った。

今日は
パリで色んなパーティーがあるから
ちょっと難しいかもしれないけど、
楽しもうぜ
と。

あれ、
それどっかで
聴いたセリフだな・・・。
3週間程前に
アメリカで。

まさか
ユーロ・ツアーの初日から
苦境に立たされる???

客の入りが十分でない上に
時間が時間だけに
スロー・スタートだと
イベントの
ピーク・タイムが
どんどん遅くなり
待ちきれない
オーディエンスが
帰ってしまう事がある。

だから
早く
フロアーに火を付けて
ダンスのカタルシスを
オーディエンスに供給しないと・・・。

それに、
自分のプレイで盛り上がらないで
ライナーの時にだけ
パーティーがヒート・アップすると
その落差から
僕の株は
大暴落するのだ。

ライナーが
後攻を選択したのは
正しかったのかもしれない・・・。

まずは
挨拶代わりに
「IF IT IS LOVE」の
PIRAHNAHEAD RE-EDITでスタート。

彼女や
彼等を
がっかりさせない為にも
のっけから
勝負モード。
勿論
ライナーにいい形で
フロアーを渡す為にも。

できればいつも1曲目は
ドラマチックに始めたい。
だから
自分の曲
しかも
未発表ヴァージョンで
ストリングスが
大々的にフィーチャーされた
この曲を選んだのだ。

しかし。

何と
イントロのパーカッションで
オーディエンスを心をぐっと掴むも、
歌に行く前に出て来た
ブレイク(ドラムが抜けて弦だけになる部分)で
彼等の足が完全に止まってしまった。

うっかりしていた・・・。

ヨーロッパでは、
この手のブレイクで
フロアーが

状態になる事がある事を
忘れていた。

相当盛り上がっているか
超満員でないと
こういう音楽的な
構成は
使えないのだ。

伏し目がちになる人々を見て
僕は
ライナーの予感が
外れた事を
確信した。
(つづく)