vol.837
ワークマン売上高半分で利益出せる
日経の記事でそんなものを見つけた。
残念
半分不正解
この記事ではワークマンの
損益分岐点の分析を行って、
損益分岐点比率42.6%という
数字を導き出している。
損益分岐点比率とは何だろうか
例えば小売りを前提に、
売上高:100万円
変動費: 50万円
固定費: 40 万円
こんな企業があったとしよう。
この会社の利益はこう計算される。
売上高100万円-変動費50万円-固定費40万円
=利益10万円
この会社は売上高がいくらになったら、
利益がなくなってしまうだろうか
それは一般的にこう計算できる。
固定費40万円÷粗利率50%=80万円
※粗利率:(売上高-変動費)÷売上高
(100万円-50万円)÷100万円
これを損益分岐点売上高という。
損益分岐点比率は、
この損益分岐点売上高から
どれだけ離れているかを示す。
例だったら、
損益分岐点売上高80万円÷売上高100万円
=80%
となる。
売上高が20%減っても(80%の売上高でも)
利益が残せるよ
ということを表している。
…しかしこれが半分不正解なのだ
なぜか少し考えてみて欲しい。
売上高は単価×数量で計算できる。
売上高が80%になるケースとは、
数量が80%になるケース
単価が80%になるケース
大きく2パターンある。
問題は変動費だ。
1,000円で仕入れて2,000円で売っている服。
100着売れるなら100着分が経費になる。
200着売れるなら200着分が経費になる。
数量に応じて変動費の額も変わるのだ。
(だから変動する経費、変動費)
先程の例で検証してみよう。
【数量80%】
売上高:80万円
変動費:40万円(販売数量減の分減少)
固定費:40万円
80万円-40万円-40万円=0円
この場合、たしかに利益はゼロになった。
【単価80%】
売上高:80万円
変動費:50万円(販売数量変わらないため)
固定費:40万円
80万円-50万円-40万円=▲10万円
赤字転落だ
同じ売上高80万円でも
単価と数量どちらが低下したか
これによって結果が大きく変わる。
損益分岐点売上高といったのでは、
どちらのことか分からない
ワークマンの記事では
結局数量のことを言っているわけだ。
だけど、単価を下げるケースもある。
(急に何割引き販売とかワークマンしないだろうが)
損益分岐点売上高
と言っていたのでは、半分不正解なんだよ。
ここでも
売上高は役に立たない
というわけだ。
損益分岐点売上高
良く使われる言葉だけど…
安易に信用してはダメ
損益分岐点売上数量
せめてこう読み替えてから利用しよう
最後まで読んでくれてありがとう
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