こんばんは!
経営戦略と戦略会計で会社を変える、FSAコンサルティング株式会社社長の谷川俊太郎です。
最近歯茎に違和感があり、今日歯医者に行ってきました。結果、上の歯の親知らずが歯茎を噛んでいたようで、すぐ抜歯・・・。下の親知らずもそのうち抜かなければいけないようです・・・。まだ麻酔が聞いていますが、今から痛みがくるのでしょうか?恐いです・・・。
気を取り直して、今日は水曜日!【他社戦略】更新していきます!
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【記事要約(平成29年11月20日 日経MJ P5 より】
ユニ・チャームはホームセンター(HC)を対象にペット関連商品の新しい売り場展開を始める。店内で陳列場所が分散している自社商品をまとめて展示する専用の棚を開発。来店客に関連商品の「ついで買い」を促し、客天下のアップにつなげる。
ペット用品にはペットフードやペット用玩具、排せつ物処理用のペットシートなど様々な商品ジャンルがある。現状、ホームセンターではこれらの商品は食品や玩具、トイレタリー用品といったジャンルごとに陳列場所が分かれているため、来店客にとっては目当ての商品を探すことが手間になっている。さらにペット関連商品は特定商品の目的買いが多く、購入客の店舗での滞在時間が短いため、関連商品の「ついで買い」を促すこともできていないという。
新型の陳列棚「小型犬ステーション」はペットフードやトイレタリー用品など5種類の商品を集中展示できる。中部地方を地盤とするホームセンターバロー(岐阜県多治見市)の店舗に試験的に設置した。導入した店舗では依然と比べ、小型犬向けのペット商品の売り場に立ち寄る来店客数が6.4倍に増加。滞在時間も1.8倍に拡大し、関連商品の販売が3割ほど伸びたという。
(記事要約終わり)
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私の実家でも犬を飼っています。時々おやつを買ったりするのですが、確かにおやつの周りにはペットシーツなどはなかったような・・・。まあ、ペットシーツを私が購入することはないのですが、逆にペットシーツを買いに来て、犬が喜んでくれそうだったり、健康によさそうなおやつがあったら、ひとつ買ってみようか、という気になりそうです。
飼い主のニーズとしては「ペットとの生活を楽しく快適にしたい」といったところでしょう。そのニーズはペット用のおやつでも満たせますし、良いペットシーツでも満たせます。ニーズが同じなんですね。商品は違っても。
ですが、これまではそれぞれの商品が別々に陳列されていて、必要なものがなくなった時に、必要なものだけ購入されていたのでしょう。ですが、ニーズが同じなら商品を認知してもらえれば、「ついで買い」してもらえそうですよね。
では、今回注目した点は以下のことです。
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【記事で特に注目した点】
ニーズが同じ商品をまとめて、購買点数を増やしている点
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<注目した背景>
今回これに注目した理由の理論は佐藤義典先生の、「戦略BASiCS」からです。以下、「戦略BASiCS」を簡単に説明します。
*例によって、理論が分かりにくかったら、 佐藤義典先生の理論のせいでなく、私の説明の力量不足です。その場合は、佐藤義典先生の著書を是非読んで下さい。
戦略BASiCSの解説
この「戦略BASiCS」は、佐藤義典先生の中核的な理論です。ですが、この理論、見た目は簡単でも、非常に奥が深いです。ですので、ここで書くのは、あくまでもさわりのところだけです。詳しく知りたい方は是非佐藤義典先生の本を読んでみて下さい。
「戦略BASiCS」とは、経営戦略・マーケティング理論は世の中に数多ありますが、まとめると5つのパターンに分類され、それを再構築した経営戦略理論です。そして、その5つを一貫性と具体性を持って考えることで強い経営戦略ができるという実践理論です。その5つは以下の通りです。
Battlefield (戦場・競合)
Asset (独自資源)
Strength (強み)
i
Customer (顧客)
Sellingmessage (メッセージ)
頭文字をとって「BASiCS(ベーシックス)」です。それぞれを簡単に説明すると、
B :自社が戦っている戦場・戦っている相手(競合)を明確にし
A :競合が真似できない強みをささえる資源を構築し
S :資源を強み(自社から買ってもらえる理由)にし、
C :自社の強みを選んでくれるお客様に対し
Sm :メッセージを伝えて選んでもらおう
とこのような考え方で構築される理論です。「お客様(C)が、競合(B)でなく、自社を選んでもらう理由を強み(S)とし、それを独自資源(A)で支え、それを伝えよう(Sm)」という言ってみれば当たり前のことです。ですが、これを自社で考えると難しいです。この理論、すべてにおいて「一貫性」を持つことが重要です。例えば、とても高品質なワンピースを作れる縫製技術(A)があるが、それを「ウチの強み(S)は『安さ』です!」といって売り出していたらどうです?『安さ』といっても、高品質なものです。ユニクロと比べて安いのでしょうか?しまむらと比べては?こう考えると、この会社は、「独自資源(A)」と「強み(S)」の一貫性がとれていないですよね。
一貫性を5つ全てにおいてとるというのは、非常に難しいです。この一貫性ですが、以下の「3つの差別化軸」で考えると一貫性を取りやすくなります。
※3つの差別化軸
佐藤先生の理論では、上記強み(S)のパターンは大別して3つしかないそうです。
①商品軸:(競合より)高品質・新技術
②密着軸:(競合より)個別ニーズに対応
③手軽軸:(競合より)早い、安い、便利
強みはこの3つのパターンしかありませんので、これを考えることで一貫性をとっていくことができます。
例えば、先ほどの縫製技術の話でしたら、他社よりも「破れにくい」という強み(S)を生み出せる技術力(A)があるなら、安くするのではなく、高くても「破れにくい服を欲しがるお客様」(C)を探す。といった感じです(具体性はないですが…)。これは①商品軸の例ですね。このように、自社が戦える(戦いたい)軸は何かを考え、それに合わせて一貫性を取った戦略を作っていけることで、BASiCSの一貫性がとれるようになります。
非常に難しいですが、できれば、とても強い経営戦略となります。そうしたら自信を持って、経営戦略を遂行していくだけです!是非この「戦略BASiCS」考えてみたいですね!!
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では、戦略BASiCSでみていきましょう!今回も顧客(C)です。ペット用品を購入するときのニーズとはなんでしょうか?ペットを飼っているのですから、ペットが好きなのですよね。そのペットと一緒に暮らしていると癒されるから、などの理由で一緒に暮らしているのでしょう。
大好きなペットのために、ペットの喜ぶものを買ってあげたい。ペットが健康で長生きしてもらえるようなフードを買って食べさせたい。ペットの排せつ物の処理が楽な商品を購入したい。などなど様々な理由があってペット用品を購入されているのでしょうが、簡単に言ってしまえば、「ペットとの生活を楽しく快適にしたい」といったところでしょうか。ペット用品は大きくこのニーズを満たしていることになります。ペット用品な種類の違いこそあれ、満たしている大きいニーズは同じということですね。
となると、そのニーズが満たされるなら、他の良さそうな商品もちょっと買ってみようか、という「ついで買い」が起きるのは至極当然のことだと思います。というか、当たり前ではないでしょうか?ペットシーツを購入する人はペットのためのおやつも買う可能性高いですよね。だったら近くに置けば買ってもらえる可能性が高まります。
マーケティング用語で言うところの、「クロスセル」というやつですね。ハンバーガーと一緒にポテトはいかがですか?が代表例です。
ユニ・チャームさんは、そのニーズが同じことに気が付いて、「同じ場所に置きましょう」と専用の陳列棚を作ってホームセンターさんに提案したわけです。ホームセンターでは、その点は気づいていなかったのか、気づいていても棚を変えるほどのことはないと思っていたのでしょう。ホームセンターで売っている物はペット用品だけではないですからね。
ここで、ホームセンターさんに「専用棚」を設置して、「ニーズが同じ商品をまとめたて販売する」ことを提案したのはすごいと思います。専用棚を設けることで、ついで買いが増え、ホームセンターが儲かります。ホームセンターが儲かれば、専用棚のユニ・チャームが儲かるという仕組みですね。
お客様(ホームセンター)が考えていることは儲けることです。ユニ・チャームはそのお手伝いをしたということですね。お客様が本当に求めていることはお客様(ホームセンタ)のお客様(消費者)に沢山買ってほしいということをしっかり押さえた手法でもありますね。さすがです!
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【会計的な効果】
会計的な効果ですが、売上の増加が見込めるでしょう。売上は
売上(PQ)=売上単価(P)×売上数量(Q)
で計算されますが、この売上数量(Q)をついで買いによって増加させる効果があります。実際売上が3割増加したというのですから、専用棚の効果ありですよね。
※()の中はMGで使用するMQ会計の用語です。
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【自分ならどうするか?】
この専用棚は「ついで買い」という意味で高い効果がありそうです。恐いのは「マネされる」こと。同じホームセンターに違う会社のペット専用棚はいくつもいらないでしょう。そうなると、いかに先に専用棚を置かせてもらえるか、が重要になってきます。別に私ならこうする!ではないですが、他社がまねしてこないうちに多くの店舗で採用してもらいたいところですね。
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いかがでしたでしょうか?簡単なことですが、意外と見落としがちなことです。スーパーでも蕎麦の乾麺の横にそばのつゆが置いてあることはあまりないですよね。一緒に置いてあれば買ってもらえるかもしれないのに。みなさんのお店でも、ニーズが同じであったり、近い商品が離れて置いてあったりしませんか?配置を見直すだけで「ついで買い」で売上数量UP!になるかもしれませんよ!!
【FSAコンサルティング主催MGのご案内】
おためしMG
FSAコンサルティングが「お試し版」戦略ゲーム研修(通称:MG)を開催します!「MGってよく聞くけど、どんなのだろう?」「興味はあるけど、いきなり長時間は難しいな・・・」という方向けにおためしでMGを体験してもらう機会を用意しました!
おためしとはいえ、ちゃんとゲームもやりますし、講義も一部ですがしますよ!この機会に是非、体験してみませんか?
このMGは通常、2日かけて実施していく研修で、最低でも丸1日(3期)は体験して高い効果が得られると考えていますが、やったことがない研修に丸1日も時間を確保することが難しい方に是非おためしで体験してもらいたいと思います。MGとはどのようなものか、どんな経験ができるのか?この「おためし」で経験してみませんか?
<開催日時・場所・講師>
日時:平成29年12月13日(水) 13:30~17:30
場所:カフェあんのん(福井市北四ツ居2-7-17)
講師:谷川俊太郎(西研究所MG公認インストラクター)
<参加費>
お1人様:5,000円
<申し込み方法>
下記メールアドレスまでご連絡下さい。
メールアドレス:fukui-strategy@fsa-c.com
<カリキュラム>
13:30~13:45 MGについての説明
13:45~15:00 第1期(練習期)&ルール説明
15:10~17:00 第2期&決算
17:00~17:30 戦略会計入門 講義
※研修の性質上、終わりの時間が前後することがあります。ご了承ください。
<Facebookイベントページ>
https://www.facebook.com/events/523452048013269/
1日MG(3期)
F通常のMGは2日かけて実施して
<開催日時・場所・講師>
日時:平成30年1月13日(土) 9:00~18:00
18時以降交流会予定 ※場所
場所:福井商工会議所 2階A会議室
〒918-8580 福井市西木田2-8-1
講師:谷川俊太郎(西研究所MG公認インストラクター)
<参加費>
お1人様:15,000円
<申し込み方法>
下記メールアドレスまでご連絡下さい。
メールアドレス:fukui-strategy@fsa-c.com
<カリキュラム>
9:00~9:15 MGについての説明
9:15~11:15 第1期(練習期)&ルール説明
11:25~12:30 第2期&決算
12:30~14:00 昼食&第2期決算
14:00~15:00 講義
15:00~17:00 第3期&決算
17:00~ 表彰式&感想文
※研修の性質上、終わりの時間が前後することがあります。ご了承ください。
<Facebookイベントページ>
https://www.facebook.com/events/1489010344509702/