怪獣酒場!?本当に好きな人にのみ焦点をあてる!(怪獣酒場 新橋蒸留所)【他社戦略】 | 経営戦略で進むべき道を照らす!迷える後継者専門、「福井県後継者軍師」谷川俊太郎のブログ

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先代後継者との間の経営方針の違い、承継した会社の舵取りに迷う、そんな迷える後継者に経営戦略で進むべき道を照らす!福井県の迷える後継者専門軍師の谷川俊太郎です。経営戦略、経営お役立ちブログを毎日更新中!公認会計士・税理士・中小企業診断士の資格も保有してます!

こんばんは!

経営戦略と戦略会計で会社を変える、FSAコンサルティング株式会社社長の谷川俊太郎です。

 

今日は水曜日!ではでは、【他社戦略】更新していきます!

 

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【記事要約(平成29年7月26日 日経MJより】


ヒーローの入店はお断り――。東京・新橋に5月に誕生した「怪獣酒場 新橋蒸留所」は、特撮番組「ウルトラマン」シリーズに登場した怪獣をテーマにした飲食店だ。店内には様々なフィギュアが並び、壁にはキャラクターのイラストが描かれる。料理も怪獣の姿に似せて盛り付けしたメニューをそろえた。

 

約70席の座席を設け、営業時間は午前11時から午後11時半(日曜・祝日は午後11時)まで。夜はサラリーマンのグループ客を中心に、最大混雑時は2~3時間待ちになるほどの盛況ぶりだ。

 

料理も怪獣や宇宙人をモチーフにした。例えば「グドンも歓喜!特製ツインテールカツサンド」(税別1380円)は、1971年に放送された「帰ってきたウルトラマン」に登場した怪獣の姿をイメージした。カクテルの「宇宙忍者バルタン星人の『ブルー・スペースシップ』」(同550円から)は、バルタン星人が乗っている宇宙船の形や色を再現した。

 

ウルトラマンシリーズは昨年に放送から50年を迎えたほど長い歴史を持つ。店では特に初期のテレビ番組をリアルタイムで見た40~50代の男性客の姿が目立つようだ。

 

「童心に返り、職場ではまずあり得ない話ができる」。同僚らと訪れた50代の男性客は怪獣談議で盛り上がっていた。同店によると「この店なら説教されずにすむ」と、上司を連れた若い会社員の来店も多いという。

(記事要約終わり)
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怪獣酒場!面白いコンセプトですね~。

 

実は私・・・ウルトラマンはほとんど見たことがありません!申し訳ありません!!ただ、この怪獣酒場、ウルトラマンが大好きな人にはたまらないでしょうね。東京という土地柄、飲食店の競合はとても多いでしょう。その中で自分の店を選んでもらうには、何か理由が必要です。「怪獣」に絞るなんて勇気がいりますが、それくらい強いアピールポイントを持たないと他の飲食店に埋もれてしまうことにもなるでしょう。思い切っているようですが、何もコンセプトがないお店よりも「本当に怪獣が好きな人」に訴えかけられるお店なんでしょうね!

 

では、今回注目した点は以下のことです。


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【記事で特に注目した点】
ターゲットを「ウルトラマンの怪獣が好きな人」に絞っていること
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<注目した背景>

今回これに注目した理由の理論は佐藤義典先生の、「戦略BASiCS」からです。以下、「戦略BASiCS」を簡単に説明します。

*例によって、理論が分かりにくかったら、 佐藤義典先生の理論のせいでなく、私の説明の力量不足です。
 その場合は、佐藤義典先生の著書を是非読んで下さい。

 

戦略BASiCSの解説

 

この「戦略BASiCS」は、佐藤義典先生の中核的な理論です。ですが、この理論、見た目は簡単でも、非常に奥が深いです。ですので、ここで書くのは、あくまでもさわりのところだけです。詳しく知りたい方は是非佐藤義典先生の本を読んでみて下さい。

 

「戦略BASiCS」とは、経営戦略・マーケティング理論は世の中に数多ありますが、まとめると5つのパターンに分類され、それを再構築した経営戦略理論です。そして、その5つを一貫性と具体性を持って考えることで強い経営戦略ができるという実践理論です。その5つは以下の通りです。

 

attlefield (戦場・競合)

sset (独自資源)

trength (強み)

i

ustomer (顧客)
Sellingmessage (メッセージ)

 

頭文字をとって「BASiCS(ベーシックス)」です。それぞれを簡単に説明すると、

 

 :自社が戦っている戦場・戦っている相手(競合)を明確にし

 :競合が真似できない強みをささえる資源を構築し

S :資源を強み(自社から買ってもらえる理由)にし、

 :自社の強みを選んでくれるお客様に対し

Sm :メッセージを伝えて選んでもらおう

 

とこのような考え方で構築される理論です。「お客様(C)が、競合(B)でなく、自社を選んでもらう理由を強み(S)とし、それを独自資源(A)で支え、それを伝えよう(Sm)」という言ってみれば当たり前のことです。ですが、これを自社で考えると難しいです。この理論、すべてにおいて「一貫性」を持つことが重要です。例えば、とても高品質なワンピースを作れる縫製技術(A)があるが、それを「ウチの強み(S)は『安さ』です!」といって売り出していたらどうです?『安さ』といっても、高品質なものです。ユニクロと比べて安いのでしょうか?しまむらと比べては?こう考えると、この会社は、「独自資源(A)」と「強み(S)」の一貫性がとれていないですよね。

 

一貫性を5つ全てにおいてとるというのは、非常に難しいです。この一貫性ですが、以下の「3つの差別化軸」で考えると一貫性を取りやすくなります。


※3つの差別化軸

 

佐藤先生の理論では、上記強み(S)のパターンは大別して3つしかないそうです。

 

①商品軸:(競合より)高品質・新技術

②密着軸:(競合より)個別ニーズに対応

③手軽軸:(競合より)早い、安い、便利

 

強みはこの3つのパターンしかありませんので、これを考えることで一貫性をとっていくことができます。
例えば、先ほどの縫製技術の話でしたら、他社よりも「破れにくい」という強み(S)を生み出せる技術力(A)があるなら、安くするのではなく、高くても「破れにくい服を欲しがるお客様」(C)を探す。といった感じです(具体性はないですが…)。これは①商品軸の例ですね。このように、自社が戦える(戦いたい)軸は何かを考え、それに合わせて一貫性を取った戦略を作っていけることで、BASiCSの一貫性がとれるようになります。

 

非常に難しいですが、できれば、とても強い経営戦略となります。そうしたら自信を持って、経営戦略を遂行していくだけです!是非この「戦略BASiCS」考えてみたいですね!!

 

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では、戦略BASiCSでみていきましょう!今回は「顧客(C)」の絞り込みですね。顧客を絞り込むということは、イコール戦場(B)を絞り込むことにつながります。戦場を絞り込むということは、その戦場で1番になれる可能性が高い(もしく1番になれる戦場を選ぶ)ということです。

 

皆さん、日本一高い山はどの山ですか?・・・そう、富士山です!では2番目に高い山はどこですか?2番目ってなかなか覚えていないですよね(ちなみに北岳です。)。お客様に覚えてもらう、気に留めてもらうには、1番であることがとても重要なんです。1番でなければダメなんです!

 

特に東京のような、飲食店の競合が多いお店ですと、特徴のない店はすぐ忘れられてしまうでしょう。1回はお客様に来ていただけても、2回目以降は来て頂けない可能性が高くなります。忘れられてしまうんですね。東京は飲食店の商圏に多くの多様なお客様がいます。ごく一部の方が好きなものに絞っても地方で飲食店をやるよりもお客様になっていただける確率の高い人が多くいるのではないでしょうか。何かを好きな人はその好きなものの情報に敏感です。怪獣酒場のような飲食店ができたと何かで目にすれば、好きな人は反応するでしょう。絞るって大事なんですね。

 

戦略BASiCSで見てみると、

 :ウルトラマン好き戦場

 :円谷プロが監修している怪獣に特化した内装、メニュー

S :過去に好きだったウルトラマンの思い出に浸れる

 :過去にウルトラマン(特に怪獣)が大好きで、好きだった過去に浸りたいお客様

Sm :円谷プロ監修の怪獣酒場です!昔好きだったウルトラマン談議をしませんか?

 

こんな感じですね。「ウルトラマン(特に怪獣)が好きだった人」という、とても絞ったターゲットになって、一貫性を持ったお店作りをしていることがわかりますね!

 

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【会計的な効果】

会計的な効果ですが、好きな人が集まる=来店客数が増えるということで売上を上げる効果もあるでしょうし、何かが好きな人は、好きなものにはお金を使う傾向にあるでしょう。好きなものだから、多少値段が高くても気にしない人が多くいると思います。そういう意味では客単価も上がりそうですね。また、メニュー開発も「怪獣」というコンセプトがあるぶん、考えやすいと思いますので、無駄撃ちが少ないのではないかと思います。

 

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【自分ならどうするか?】

怪獣酒場、今は盛況のようです。コンセプトが面白いですもんね。ただ、ネタのお店になってしまうと1回行って終わりになってしまいかねません。そうならないために、自分だったら2通りの方法から今後の戦略を考えると思います。一つはイベントを多くやって(例えば、怪獣が逆にヒーローを倒すなど1日の内に何回かショーをやる)、常に新鮮さをお客様に与えながらウルトラマンの怪獣を楽しんでもらう方向。

 

もう一つは、怪獣はコンセプトなんだけど、それ以外は飲食店として、しっかり対応していく方向。今来て頂いているお客様は40~50代が多いということでしょうが、この年代の方はショーで大騒ぎしているところに好んで何回も行かないのではないかと思います。そういう方にコンセプトは持ちつつ、普通の飲食店と同じような「騒がしすぎず、料理やドリンク、会話も楽しめる」お店に向かう方向も大事なのではないかと思います。

 

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いかがでしたでしょうか?結局ポイントは「絞る」ことです。商圏内に潜在的なお客様が多い場合は「絞る」ことがとても重要です。絞ることは恐いことと思われるかもしれませんが、絞らないとお客様に来ていただけない時代です。お客様が来なくて売上が無くなるほうが恐くありませんか?「絞る」ことを真剣に考えてみましょうね!

 

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