※必ず、「はじめに」の記事を読んでからお進みください。
※本記事をお読みになる前に、
「張り・粘り・パワー・トルクとは何か」
「タックル一覧」
「なぜダイコーなのか」
「ダイコースタッフブログ 2010年 05月 21日」
をお読み頂くことを推奨します。
このロッドインプレッションでは、手持ちの竿をメインに自分の感じた事を1本ずつ記事にしていきます。これまでの記事以上に自分の感覚や経験に頼る評価になりますので、その点に留意してお読みください。今回はダイコー:エスクワイアC73XHです。
↓↓↓エスクワイアのスペックはこちら↓↓↓
http://www.f-daiko.com/lure/product/esquire/spec_price.html
♦︎主な用途♦︎
ジリオンJDHL+20lb.フロロ
・3/8oz以上のラバージグ
・ヘビテキ
・サイレントキラー175クラスまでのビッグベイト(フルキャストはジョイクロ178クラスまで)
♦︎紹介♦︎
大学2年の頃、自分はロッドの良し悪しも分からぬまま、とにかく買いとにかく売るを繰り返していた。今振り返ると結果として全て自分の感性の糧になっているのだが、この時はまさに手当たり次第で、例えばサイドワインダーの様にブランドイメージから入った場合も多かった。
当時の全機種を揃えたサイドも結局は買い替えサイクルの一つであり、殆ど定着しなかった。多くのサイドが次に買ったグランツ・サーミス・デュナミス等に喰われ消えていった。
しかし1本だけ、ダイコーに乗り換えるまで手元に残ったサイドがあった。
それは、スラップショットFE。
そして今回紹介するエスクワイアC73XHは、その後継に選ばれたロッドという訳だ。
♦︎評価♦︎
【あって困らないヘビーバーサタイルジグロッド】
まず最初に、後継になったと言ってもスラップとこのロッドは全く別物だという事を断っておく。決して似た感じがしたから買ったとかそういう訳では無い。同様の使い方はするものの、エスクC73XHにスラップのような剛性感は無いし、もっと繊細でジグロッド寄りの印象だ。そしてそれが乗り換えた理由でもある。
正直に言って、自分はスラップもエスクC73XHもそこまで好きなロッドではない。
このロッドに関して言えば、メッシュの部分に曲がりがきた瞬間にブランクが乾いていくのが分かる。バットの硬さと自分の力に任せてムチャクチャできるものの、湧き上がる様な余裕は無いと言って良い。
自分の手持ちのロッドの中でブランクの魅力を力説できないのはこのエスクC73XHだけで、ただ硬さがその用途を引き出しているに過ぎないのだ。
しかし、この手の「あくまでジグロッドでありながらビッグベイトまで使える懐の広さを持つロッド」はそう多くない。両立の無理を硬さで抑え込み、どのヘビー系のメソッドに対してもやり通せない程の不快感をギリギリ与えないレベルに仕上がっている。
ジグを使うにはアディクトC610XHよりダルく、ビッグベイトを使うにはカリスマ69SBSよりしんどいが、このロッドの汎用性に救われた場面も少なくない。特にカバーを流していく様な場合、非常に多様で速い展開がこの1本で可能になる。グリップが短いのも近距離で手数を増やしながら試行するのにとても良い。
このロッドは単体で評価するのが難しいロッドだと思う。このロッドだけでは、ジグでもビッグベイトでも感動するほどの使用感を得る事はできないからだ。
それでも細分化した後にこういったロッドが再び欲しくなるのは、「あって困らない」が実は「なくては困る」だったということなんだろう。