映画の光とは・・・ | オヤジカメラマンのブログ

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若い時は京都太秦の撮影所、木枯らし紋次郎、座頭市、必殺仕事人、暴れん坊将軍など撮影助手として、30でCMキャメラマンとして主に大阪で…今迄観た映画など思った事をぼちぼち書きます。

映画の光を構築する日本独自のシステム照明技師のお話
 
映画の中に雰囲気を作るのは美術であり光であり、それを捉えるレンズである。

 

僕自身は京都の撮影所に約10年世話になり、子供が3人目で上の子が喘息を患い当時の尼崎から和歌山に

引っ越したことで映画を離れ大阪でコマーシャルの世界に飛び込んだ。

 

いっぱいの人に世話になった。既にCMの師匠カメラマンの一人Fさんは旅立たれた。

 

Fさんについた最初の仕事は「逞しく育って欲しい」のキャッチがあったハムのコマーシャル。

照明が黒沢組の佐野さんで京都映画のセットにアルプス山脈の太陽を再現された。

 

佐野さんとの仕事は必殺シリーズの計測をしている時に、背景が紀伊国文左衛門、オープンの通り

に材木が通るそんな設定、材木は紙の材料、大店の店の中にコピーがある。

 

オープンセット、その日はピーカン、撮影日和・・・佐野さんが今日は天気が悪いと言う・・

何故?材木は木場から上げるときに太陽が当たると急激に乾燥ひび割れを起こすのでなるべく曇りの日に

あげるんやと佐野さんが仰った・・・光を構築する場合のリアリズムである。

 

 

佐野さんは松竹の下加茂撮影所に所属されていた。

 

 

僕が師匠と慕う大映太秦撮影所で照明技師をされていた中岡源権さん、この人も光の構築は他の照明技師とは少し違う

リアリズムは力である。僕たちは一つのフレームにバランスを考えて配光し撮影部はそれを“綺麗”に並べる・・

中岡ライティングは自然を再現するといっても良いと思う、現実は部屋の中と外の光の比率、外がピーカンなら蛍光灯を

点けた部屋でも16倍位の差がある。セットではそのバランスをフィルムでは3〜4倍位にすると目で見たような感じになる。

しかし中岡さんは8倍位にされる。計測(絞りを決める)マンは大変である。僕は中岡さんに学んだのは飛ばせば良い、ディテールが少しでもあればそれで良い、暗くても良い少しでも見えれば、そうそのドラマの何処が大事でどちらかを選べば・・・

 

映画の光を映画を観るときに感じてみるとまた面白い見え方がすると思います。