ゴールデンウィークは映画業界の造語って知っていた?
昭和26年に封切られた映画『自由学校』(大映映画製作:吉村公三郎監督作品)5月の連休に
公開され大ヒットを記録したことから当時の大映映画専務の松山英夫氏が作った和製英語、
ゴールデンウィークと言われる。ただ松山氏は黄金週間と言った説もある。
他にも俗説がいっぱい・・・
もう一つ面白いのが松竹映画でも同名の『自由学校』(松竹映画製作:渋谷実監督作品)
これも五月連休に公開され大ヒットしてる。
原作は同じ、「自由学校」朝日新聞に1950/5~12月まで連載された獅子文六の長編小説である。
主人公:五百助(大映:小野文春、松竹:佐分利信)、妻役駒子(大映:小暮実千代、松竹:高峯三枝子)
両作品とも当時も大スターを起用している。
背景は進駐軍占領下(まだ日本に主権がない当時)、カタカナ英語が飛び交い、キャンディーボーイと呼ばれる
若者、隆文(大映:大泉滉、松竹:佐田啓二)と恋人ユリ(大映:京マチ子、松竹:淡島千景)が”イカレポンチ”的に
遊び主役夫婦を騒がせる役回りをしている。
上流階級の五百助が家を飛び出し浮浪者の仲間になる。焼け跡の防空壕で金治爺さんと出会う、米兵の吸い殻を集め新たな紙巻き
タバコを作り闇タバコ売りの仕事を教えて貰い始める。そして浮浪者たちに歓迎される。そこで初めて五百助は自由を知る。
両作品とも戦後の自由を国民にあらためて定義する映画と相手は凄くいいと思う。(私個人的感想)
戦前から何度となく共演をされた佐分利信・高峯三枝子のドラマの大道路線
それとは違い大映は近代映協(新藤兼人脚本)に制作を任せる世相に一石を投じる作品となっている。
同じ時期に同じ原作でぶつけ合う映画会社の魂を見れる。そんな時代がまた来ないのか?