117 | オヤジカメラマンのブログ

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若い時は京都太秦の撮影所、木枯らし紋次郎、座頭市、必殺仕事人、暴れん坊将軍など撮影助手として、30でCMキャメラマンとして主に大阪で…今迄観た映画など思った事をぼちぼち書きます。

117と311のほぼ真ん中にブログします。
まず今年完成したショートムービーのお知らせです。大阪のオッサン三人が宮城県登米市豊里町にある公民館から発した映画を手伝いました。
全国へのレンタルも開始するそうです。
是非観てください。

https://hitorijyanai.com/?fbclid=IwAR3-HjE1ibsswaVdrh5O43l4Xp01tfRN5FV-9nm5FT69NRUqZzW4qms8Qs0#anchor01

この映画は東日本大震災で家族を亡くし、ひとり取り残された中年の男、赤井を主人公にしている。

2018年9月10日時点。
死者は1万5,896人。
行方不明者は2,536人です。

宮城県の死者、行方不明者数は10763人です。
(2018年3月9日時点)


この映画の主人公と同じ境遇に遭われた方も沢山いた事でしょう。

ご家族をなくす事、これは少なからず誰もが経験します。でも予想が出来ない事、これ程辛い思いはありません。交通事故、突然の病死などもそうでしょう。

この映画の主人公赤井は家族も家もたぶん友人も総て流されて、その上想い出まて…


阪神・淡路大震災亡くなった6,434人
私も阪神淡路を目の当たりに経験しています。
その時、私は和歌山の岩出にいました。

家族と共に和歌山に引っ越して3年目に入るところでした。

しかし私の親、兄弟、親戚、嫁の親、兄弟は尼崎や神戸に住んでいました。

自宅でも結構揺れました。震度5強、直ぐにTVをつけるとNHK大阪局で黒ぶちメガネをかけたアナウンサーが神戸方面で強い揺れがありました。
と言いました。

慌てて携帯で母親に電話しました。
関西セルラー、毎月10万程払っていた高い携帯が役に立ちました。
4回呼び出しで母親がでました。大丈夫やでと言った途端わっ!と大きな声がしたとたんに電話切れました。

もう一度電話したのですが、繋がらなかった…

次に嫁の実家へ電話、繋がりません。
大変心配した嫁、直ぐに尼崎へ行く事にしました。

家を出たのが午前6時過ぎ、風吹峠から阪神高速湾岸線へしばらく走ると岸和田を過ぎたところで警察に下ろされ、旧街道を堺に入る頃には殆ど動かない状態です。害は見られない、歩く事で尼崎に行くのは大変、携帯で嫁に電話。なんか京都が震源みたいなこと言うてるで…ラジオの交通情報を聞いて車を降り歩く事に…

焦る気持ちを抑え歩き出しました。住之江から尼崎へ何度か余震が来る。しかし大阪の周り被害はそんなに感じられない…しかし淀川の護岸がめくり上がり、いつのまにか走っていた…

14時過ぎに実家へ天井が外れオカンの寝ている横のタンスが倒れてというか天井の外れとタンスがうまく引っかかって両方下までいかずオカンには倒れず、わっっと大きな声をあげたのは電話まで停電ではって行って電話取って立ち上がった瞬間に天井に頭を打ったそうだ。一度切れた電話は次には繋がらなかったらしい。今の電話みたいに電気を使っていたならなりもしない、黒電話は無敵!

次に武庫之荘まで兄貴の自転車を借りて出発。

嫁の実家は築50年の木造住宅、近くまで行くと山陽新幹線の橋桁が落ちている。それまでに神社こ屋根だけ、鳥居や常夜灯、狛犬も倒れている。

必死で漕ぐ、夕方近く、潰れた文化住宅、ほんまに大丈夫か?

義母は泣いていた。エッウソ…大丈夫?と声をかけると…死んだ…おじいちゃんが(義父)?と思った瞬間、後ろからよー来てくれたな。と義父の声、心の底から嬉しかったので涙が溢れた。

そこそこ片付けを手伝いカメラマンの自分はしっかりとカメラを持って来ている(当時はフィルムカメラである)。夕闇迫るところを自転車で西宮へ、其処には思いもよらぬ景色が…それまでに30枚くらいは撮っていたが、パトローネを変え新たなフィルムを入れシッターを切ってる自分がいてる。

後ろから「何とっとーんねん!」と声が、年配のおじさんが、ちょっと手伝え!下にうまっとんねん。

瓦礫の下から声が聞こえる。気が付いたら必死で瓦礫をどけていた。消えてたはずの火がまた…

こんな光景はもう見たく無いとその時は思った。

しかし、わずかな人生でそれ以上の光景が…

3.11の時、非常勤講師で行っていた京都造形芸大の俳優部の学生さんに頼んでナレ録りをしていた時、めまいか?と思うゆっくり長く揺れた。学生さんも貧血?と思ったらしい。

ナレ録りが終わり、テレビを点けると東北地方で大きな地震、東京では…大変な事やなぁ、それから暫くしてから仙台空港の飛行機が流れている映像が?

その後飛び込んでくる映像は凄かったまるで映画でも観ているかのような、何故か実感が無い…

でもその時地元では…

今回の映画はまだまだ終わっていない震災の影響を基にしている。実際におきている孤立・孤独死、世間と隔たりを一度作ってしまった人の心を描く事で周りがどのように対応し、その心を解かせるのか?

一人ひとりが一人でない事を自覚できたなら…

117の時にこの指先で穴を掘り、柱を持ち上げた思い、ひとりじゃない事の大切さを少し感じて頂けたら幸いです。

                                          撮影監督  倉田修次