2023/10/23

 

母の立場

 

立場?

私の立場の何をあなたは、

分かると言うのですか?

こんな事件に、

こんな東南アジアの某国に、

息子が絡んだばかりに私は、

一生が台無しになりました。

 

そうで無くてもあの家庭内暴力の、

元夫と一緒になった時点で、

私の人生は失敗だと思っていたのに、

普通の家庭は諦めようと思っていたのに、

あの男の血を引き継いだ、

息子のカッとなりやすい性格が、

ここまでの大事件を起こすとは、

思いませんでした。

 

普通の夫、

普通の家庭、

普通の親子、

普通の孫、

私には何も有りません。

私には普通と言う事が、

どれだけの高いハードルでしょう。

 

この間は、

80を超えて老い先も短いと言うのに、

認知症の芝居までやらされました。

その代わりに、

「息子の命は助ける」

と言う先代の王様の遺言でした。

選択肢は無かったのです。

でもその点はしっかりと守ってくれて、

今は亡くなってしまいましたが、

立派な王様でした。

 

王様には夕食にも何度か招かれ、

あのとんでもない金色のお屋敷に、

行かせて貰いました。

断ったのですが、

あまり断るとマズイと人に言われ、

仕方なく伺いましたが、

本当に有り得ないような接待を受け、

いや、これは絶対息子には言わない様にお願いします…

 

人質になった息子が、

良い気になって柄にも無く、

プレイボーイを気取り、

責任者の役目を貰い、

本当は気の弱いあの子が、

猫も触れないあの子が、

周りを怒鳴りつけ罵り、

沢山食べて、

沢山飲んでいても、

その暴飲暴食を、

私には咎める事すら出来ませんでした。

息子が勘違いの中で白痴の様に生きていても、

息子に私得意の皮肉を浴びせることも、

出来ません。

それにあの男の血を引き継いだ、

その性欲の強い事、強い事。

 

これだけ恥ずかしい思いをしても、

人って案外生きていけるものなんですね?

私は生涯で2度この息子を殺しかけた事があって、

それが為にこんな目にあっていると思いました。

だから諦めよう、

全ては息子の為だと思ってやってきました。

何度息子の前で本当のことを、

言ってしまおうと思ったか知りません。

そうして私は死んでやろうと思ったか知りません。

でも出来無かった。

息子を愛していたからでは有りません。

そんな簡単な言葉では言い表わせ無いものです。

私の人生において、

愛は陳腐な響きです。

 

あの日、

息子がおは打ちからして帰ってきたその姿を見て、

私は久々に本物の息子が帰って来たと思いました。

自分の息子が自分の手元に帰って来たと思いました。

玄関に立つ惚けた息子を見て、

30年前、息子が家から出て行ったその日に、

人生が巻き戻されたと思いました。

だから、どんなにボロボロになっている息子を見ても、

何とも思いませんでした。

王様に言われた通り、

振る舞いました。

 

流石に息子が倒れた時は、

救急車を呼ぼうと思いましたが、

逆に救急車が息子を連れて行ってしまう事を、

恐れている自分に気がつきました。

私も相当変わっている母親なのです。

子供たちの前で泣いた事の無い、

母親なのです。

 

昨日、

息子が私に電話を掛けた様ですが、

生憎その電話は料金未払いで切られ、

私は2匹の猫と🐈日向ぼっこをしていました。

息子は仏様に、

「母の正しい行いを求めます」

とお願いしているらしい。

でも私が正しい行いをしていたら、

あなたはこの世に居なかった。

 

もうこのくらいでこの話はやめましょう。

何を言ってもしょうがない事だ。

この家族は皆、

離れ離れになって、

違うお墓に入る事になるけれど、

それもまた仕方のない事だ。

 

庭仕事が途中なので、

もうおいとまさせて下さい。

 

以上

 

0000000000000

00000000000000