歌伴の時心がけてること20 | 保坂修平のピアノ音楽

保坂修平のピアノ音楽

東京藝術大学楽理科卒業。ジャズピアニスト、作曲家。

イントロ出し講座、10個目。
よりクリエイティブに考えると…(過去9記事下にリンクあります)

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よりクリエイティブなイントロ論。


これまで延々と書いてきてイントロは「技術論」です。

教科書的な、こうすれば上手くいくよー。

というやり方。


でも、ジャズは本来、もっと自由でクリエイティブな音楽。


で、実際どんなパターンがあるか、想定してみた。下記の4パターン。


A. ボーカルとピアノで、ワンコーラスあるいは半コーラスくらいルバートで始める。これは、結構よくあるパターン。ボーカリストのタイプにもよるけど、一回のライブに一度や二度はこの状況がある。

 そして、どこかしらで、インテンポに突入するわけだが、それをボーカリストが引っ張っていく場合もあるし、ピアニストがきっかけを出してあげることも。例えばフライミー ・トゥー・ザ・ムーンなんかは、ルバート後、ボーカリストが先行して歌い始めることで上手く行くことが多い。なぜかというと、4分音符主体のメロディーだからだ。バイ・バイ・ブラックバードとか、アイ・キャント・ギブ・ユー・エニーシング・バット・ラブなんかも同様。テンポとフィールが、一小節聴けば「わかる」。そして、ついていく。これでよい。

 酒と薔薇の日々なんかは、逆にピアノがインテンポのイントロを改めて出した方がいい気がする。なぜか?そう、出だしのメロディーが長い音だから。四分音符が見えにくい曲だから。あるいは、ルバートの後半からボーカルがテンポを徐々に作って行くのもいいかもしれない。



B. ピアニストが完全フリーな即興で空気感を作る。からの!今まで書いてきたような典型的なイントロを弾く、あるいは、ボーカリストが突然歌い出す。などのハプニングでもなんでもどんとこいの精神。このパターン、ピアニスト的にはチャレンジングかつクリエイティブ。「美味しい」ヤツです。


C. ボーカリスト先行発信のパターン。前述のピアノの完全フリーをボーカリストがやる。アカペラだったり、ピアノが絡んだり。これも自由度と即興度がかなり高い世界。一度は挑戦しよう。

 ボーカルがリフの繰り返しを作り出すことがある。そのリズム、グルーヴに乗ってピアニストはユニゾンしたり、バッキングしたり。これまた、楽しいです。マイ・フェイバリット・シングスなどマイナーの三拍子系の曲なんか、このパターンが合いそう。


D. 上の、フリーで即興系のイントロダクションと真逆な発想として、イントロを「作曲する」考え方もある。曲本体の印象的なフレーズをモチーフに、何かしらギミックのあるイントロをこしらえる。転調、ポリリズムを駆使して緊張感あるオープニングを演出できる。これはこれで、非常にクリエイティブな仕事だ。ある程度の規模のコンボだったり、レコーディングの時は、イントロは作曲することが多い。イントロも含めてアレンジャーの「作品」と考える。



「歌伴の時…」過去記事はこちらです。↓

歌伴の時心がけていること【過去記事】



最後までありがとう。



ピアニスト/作曲家 保坂修平

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