ムーティ/シカゴ響のヴェルディのレクイエム | AUDIO&DISK LIBRARY

AUDIO&DISK LIBRARY

オーディオや音楽などを中心にアップしています。最近は、愛犬、黒柴犬のスミレの話題も多いです。2019年12月に家内を亡くし、2023年10月にはスミレも18歳2か月で、亡くなりました。家事は、料理、洗濯、掃除など得意です。

イメージ 1
 
イメージ 2
 
イメージ 3
 
イメージ 4
 
イメージ 5
 
 1月31日の木曜に行われたムーティ/シカゴ響によるヴェルディのレクイエムを家内と東京文化会館に聴きに行きました。当日はあいにくの雨模様で、夜には雪に変わるという荒れた天気ではありました。夜の7時からの公演という事で、スミレに早めの餌をあげてから5時半頃家を出ました。今回は、1月30日から2月3日までの公演の中で、ブラームスの交響曲やチャイコフスキーの交響曲などに加えて、ヴェルディのレクイエムが2回公演が組まれていました。ムーティのヴェルディといえば、オペラを得意とする真骨頂が聴けるわけです。特に、レクイエムでは多くの名盤を残しており、スカラ座やシカゴ響、フィルハーモニア管などが有名ですが、拙宅ではフィルハーモニア管のものが最も良いと感じております。
 という訳で、今回は、大きな期待をもって聴くことができました。オケは、8台のコントラバスや、ティンパニに2台のグランカッサという編成で、合唱も100名を超える大人数で、シカゴ響の強力な布陣が見て取れます。独唱は、ソプラノがヴィットリア・イェオ、メッゾがダニエラ・バルチェローナ、テノールはフランチェスコ・メーリ、バスがデミトリ・ベロセルスキーで合唱は東京オペラシンガースでした。
 ヴェルディのレクイエムでは、オケでは管楽器、弦楽器、特に打楽器の高度な水準に加えて、独唱者と合唱の水準も高いものを要求される演目と思います。出だしの静けさから怒りの日に向けての最初の盛り上がりで、まずはグランカッサの切れの良さが際立ち、それを比較的若い女性が行っているのにも少しびっくりしました。そして、ソプラノのイェオとメッゾのバルチェローナの声の良さは素晴らしいと思いました。イェオは比較的細身の声から切れと幾分陰のある声で、バルチェローナの明快で曇りのないメゾの声域にもソプラノと合わせてヴェルディらしい切れをうまく出していると思えました。テノールのメーリは、最初は幾分不調な感じはありましたが、後半に向けて破綻をきたすこともなく四重奏でも存在感を出していたのはさすがです。そして、圧巻だったのはベロセルスキーのバスでしょう。バスの声域ながら明快な歌詞とメロディーに中盤のラクリモーザでは、ソプラノのイェオやバルチェローナとの組み合わせで大いにヴェルディらしさを強調するのに役立っていると感じました。
 そして、終盤のアニュス・デイ、ルクス・エテルナ、リベラ・メに向けて息をつかせることなく、あっという間の1時間30分ほどの演奏が終わりました。ムーティ/シカゴ響のヴェルディのレクイエムは、まさしくムーティらしくスポーツのように激しくも燃え上がるような演奏でした。
 残念ながら、今回は夜の遅い公演のために、東京文化会館での精養軒のディナーを帰りに食べることはできないのは残念でした。結局、途中のスーパーでお寿司を買って、雪の中を遅くまで待ってくれていたスミレのもとへ帰ることができました。