名古屋私立小学校受験 知育-数量・比較対策9 | 名古屋 小学校 お受験ナビ

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こんにちは。

今日は、知育―数量・比較対策の9回目として、⑨「換算」について、扱います。

下の絵を見て下さい。

換算は、代表的・基本的な出題パターンとしては2つあります。
 

 

まずは左の問題からになります。


問題としては、
「動物たちがおやつを買いにいきます。それぞれのお菓子を買う時に必要なコインの数は、上の四角の中のようになっています。動物がそれぞれの四角の中のものを買うには、コインは何枚必要ですか。その数だけ〇をかいて下さい。」
という問題になります。

やり方としては、買うもの1つ1つに必要なコインの数だけ「、」などの印をつけていきます。すべての買うものに印をつけたら、印の数を数えて、その数だけ〇を付ければ、正解を導けます。

「数える」をアレンジした応用問題になっています。数値関連の問題の基本は「数える」になりますので、このような問題を使いながら、しっかり練習しておきましょう。

やり方を覚えれば、比較的簡単に正解を導き出せるかと思います。

しかし、本質的な理解としては、幼児にとっては、なかなか難しい問題でもあります。というのは、この問題の本質は、「異なるものであっても、1つの性質・特徴に注目すると同じで交換できたり、大小などを比較できる」という数学的で、かつ抽象的な概念を理解して初めて理解できるためです。
今回の問題で言えば、コインとおやつという異なるもののうち、「コインにした場合の価値」というもので比べて、同じもの同士を交換していくということが本質的な理解になるためです。

ただ、教える際はこのような説明をしてはいけません。スポーツでよくあるように、「まずは形から」教えることで、次第に本質的な理解に繋がり、最初から本質を説明してしまうとかえって混乱し、理解できなくなってしまうからです。
お子さんには「作業」として、まずは、教えてあげましょう。

そして、作業しながら問題を解く中で、お子さんから質問があった場合は、このような本質を意識しながら、本質そのままを伝えるのではなく、お子さんの質問、理解にあった説明をしてあげることが肝要です。

このように本質を意識しながら質問に答えると、また違う角度からの質問があった際に、前の回答と矛盾することなく、説明することができ、お子さんの理解が本質へと次第に近づいていくのです。

このように、本質を意識しながら勉強することは、小学校受験に限った話ではなく、小学校以降を含めた勉強でも重要になってきます。親御さんも今のうちから、できましたら練習して頂くと、小学校以降の勉強でも、色々アドバイスをお子さんにしてあげられるかと思います。


次に右の問題になります。

問題としては、
「上の四角の中には、果物をシーソーに乗せて、同じ重さになるように釣り合った絵が描いてあります。この絵を見て、下のシーソーも同じ重さで釣り合うようにするには、それぞれの果物をいくつのせたらいいですか?その数だけ、シーソーの空いているところに〇をかいて下さい。」
という問題になります。

問題文の理解として難しいところは、「釣り合う」という表現のところになるかと思います。「釣り合う」というのは、「同じ重さになって、シーソーが同じ高さで止まっている」と絵を見ながら、教えてあげましょう。


次に問題の解き方ですが、
①問題のシーソーに既にのっているものを聞く。
②①のものがのって釣り合っているシーソーを上の四角の中から選ぶ。
③選んだシーソーを「この問題を解くためのお約束だよ」と教えてあげる。(練習するときに、「どの約束使えばできるかな?」と聞けるようになるためにもなります。)
④約束の説明をしてあげる。(「〇〇が■つと、△△が●つが同じ重さだね。」といった説明をしてあげる。)
⑤問題部分の左のシーソーのものと、右のシーソーに乗せたいもの、いくつで釣り合うか、確認する。(約束の確認)
⑥使う「約束」のシーソーの片方に乗っているものの数と同じ数だけ、問題の左のシーソーのものを線で消したら、確認した数の〇を右のシーソーの上にかく。
⑦左のシーソーのものの線消しが終わるまで、これを⑥を繰り返す。
といった説明と手順で解いていきます。

これも本質的には左の問題と同じで、「異なる果物を『重さ』というもので比べて、同じにする。」という問題になり、「換算」の問題になります。


右の問題と同様に、この本質をお子さんに説明する必要はなく、まずは上記のステップで説明し、作業として覚えさせていくところから始めます。自然に(場合によっては年を少し重ねてから)本質を理解していけば、問題ありません。

今回の問題は、「約束」となるシーソーと問題のシーソーに乗せるものが全く同じになっていますが、応用として全く同じにはなっておらず、「約束」のシーソーを2つ組み合わせて、換算を2回繰り返してから解く問題も出題されることがあります。


 

今回の問題は難しい部類に入る問題です。最初はできなくても、作業が定着していくと、次第にできるようになりますので、繰り返し、繰り返しで学んでいくイメージで、焦らず取り組んで下さい。

難しいので、飽きたり、嫌がったりするお子さんもいらっしゃると思いますが、そんなときは、この問題から一旦離れて、他の問題をやってみたり、少し勉強せずに遊んでみたりして、焦らず取り組んで下さい。