時ならぬ春の陽気だった。
庭の沈丁花が咲いたので、タッパー容器にたっぷり香りを詰め込んで、近くの花の寺へ、梅の香りもブレンドしに出かけたのだ。
香水瓶に閉じ込めて、商品化しようと思いついたのだ。
予想では、世界中の女性が競って買い求めるはずだ。
明日から大金持ちだ~とタッパーの蓋を開けた。
と、なんてことだ~
ジッパーが開いていたのだ。
男子一生の不覚じゃないか。
慌ててジッパーを閉めようとしたら、タッパーを落としたのだ。
落としたタッパーには香りの代わりにトイレの音が閉じ込められた。
妖気がタッパーじゃなくてジャーになったのだ。
彼女はポット顔を赤らめてじゃ~ね~と永遠に去っていった。
やっぱ~一獲千金ってのは難しいと分かった1日だった。
こういうときの音楽は悩む。
ルイ・マル監督の「死刑台のエレベーター」にしよう。
理由??
「閉じ込める」の言葉が一緒だからだ(笑)
愛人のモーリス・ロネがエレベーターに閉じ込められているのも知らず、彼を探して街を彷徨うジャンヌ・モローが痛々しい。
現行のCDはジャケが違うようなので、70年代に買い求めた邦盤のレコードジャケを貼っておく。