The Nashville Teens・・・忘れられたビート・バンド | 洋楽と脳の不思議ワールド

洋楽と脳の不思議ワールド

マイナーな60年代ビートミュージック。駄洒落小話。写真と読書感想がメインのブログです。

イメージ 1

「タバコ・ロード」のナッシュヴィル・ティーンズといえば、40年前は誰でも知っていたけれど、今では誰も知らない。
当時誰も知らなかったビート・バンドが大流行なのと対照的だ。
かく言うボク自身、このバンドへの思い入れはほとんどない。
が、Tabacco Road はやっぱりいい曲だし、ビートの利いた彼らのサウンドだってかっこいいと思う。
そう思うようになったのは、写真のCDを聴くようになってから。
98年のCDで、ハンガリーで作られたもの。
なぜ、ハンガリーなのかよく分からないけれど、きっと人気があったんだろうね。
彼らは現役時代、ベスト盤以外にアルバムを制作しておらず、72年に作られたこのベスト盤14曲と、シングル盤の主にB面からの10曲を収めた24曲入り。
チャック・ベリーのカバーから始まって、ビートナンバー満載、かと思えばトラディショナルをロック風にアレンジしたりと、以外と幅があるので驚いた。
Uチューブに彼らの「タバコ・ロード」があったので、まずはお聴き下さい。


64年に発表されたこの曲が彼らのデヴュー・シングルにして最大のヒット曲。
英国で1位、米国で6位となり、日本でも人気バンドの仲間入りをしている。
ブログ仲間に教えてもらったんだけど、GS時代にはジャガーズがカバーしていたそうだ。
彼らはリバプールの出身ではないけれど、マージー・バンド同様ハンブルグのスター・クラブで修業している。62-63年のことだ。
ジェリー・リー・ルイスのステージでバックを務めたこともあり、彼の Live At The Star-Club というレコードのバックも彼らなんだそうだ。レコードデヴュー前のことだ。
帰国後、ミッキー・モスト(アニマルズやドノヴァンのプロデューサーです)に認められてデヴュー。
4ヶ月後の10月には2ndシングル Geogie Eye を発売。この曲も全英10位を記録している。
2曲ともアメリカのソング・ライター John D. Loudermilk という人の作品で、このCDにはもう2曲彼の作品が入っている。
そのうちの1曲は有名な Little Bird で、彼らは異なったアレンジで2度吹き込んだらしく、2ヴァージョンとも収録されている。
もう1曲は Cherkee Indian という曲なんだけど、ギターリフがソロウズの Take A Heart そっくり。68年のシングルのB面なので、彼らがパクッたようだ。
ちょっと驚いたのはプロデューサーに Micky Most のほか,ストーンズのプロデューサーをしていた Andrew Loog Oldham や Shel Talmy の名前も加わっていたことだ。
ブリティッシュ・ビートの王道を歩んでいたということになる。
ただボクは最初に述べたように、いまひとつ彼らにのめり込めずにいる。
それは彼らのビートが正統派すぎるからだ。
ブラック・フィーリングが感じられず(意図的に消したんだろうと思う)、ホワイト・フィーリングオンリーに感じてしまうからだ。
だからこそ、まだブラック・フィーリングに馴染みの薄かった当時のリスナーには受けたんだろうけど。
最後に2人のメンバーのことを取り上げておくと、ドラムの Barry Jenkins は65年にアニマルズに加わっているし、キーボードの John Hawkens は68年にバンドを去ってルネッサンスの結成に参加している。
バンド自体は73年に解散。80年代に再結成されたらしいんだけど、オリジナルメンバーはベースの Arthur Sharp 一人だけだったそうだ。
彼らのレコード会社はデッカなんだけど、現在1枚だけ出ているCDはEMI。
ようわからん。