2/9(土) 少女劇団いとをかし第十回公演「LOOK UP!」 ラゾーナ川崎プラザソル | お空と靴下と推しジャン

お空と靴下と推しジャン

主にアイドルのライブ感想を書いています。

2/9(土) 少女劇団いとをかし第十回公演「LOOK UP!」 ラゾーナ川崎プラザソル

 

開演まで

第八回第九回と面白かった少女劇団いとをかし。

第十回はお気に入りの牧内莉亜さんが出演されないとのことで、楽しめるか少し心配していた。

また、場所が新百合ヶ丘から川崎になって家から遠くなったこともあり、正直少し萎えていた。

 

座席は下手側ではあるが今回も最前。

第一回が最前上手側、第八回が3列目センター、第九回が最前センターと今までハズレがなく、少女劇団いとをかしのスタッフには好かれていることがよく分かる。

 

内容

いくつも広げた風呂敷を1つ残して無かったことにする潔い脚本、飽きさせることを頑なに拒む濃密な演出、与えられた役割を果たし成長が随所に窺える意識の高い役者、何を魅せるかを全員が理解して表現する息の合ったチームワーク。

純粋に面白かった。4500円の価値はあった。

 

中盤にかけて登場人物それぞれの葛藤をしっかり見せた上で限られた時間の中で決着をつけるために1つを残して全ての葛藤を取り去る脚本は、見せ場を全員に作ることを要求された作者による苦肉の策であり最後に誰が主役か分かるある種の結果発表的展開だった。

ほぼ全員に葛藤させることで役者の訓練にもなっただろうし、制約がある中で頑張った方だと思う。

一方で、未来ある可愛らしい女優の卵たちに「女の子の日」や「大の方」などと言わせるギリギリな台詞は少しグッときた。女優なので何でもやらなきゃいけないという意識付けにもなったのだろうか。

また、ラストシーンで「ドラえもんのび太と鉄人兵団」を思い出してしまい、脳内ではエンディング曲の「わたしが不思議」が流れていた。

 

 

前回ので慣れたからか、歌、ダンス、ギャグをこれでもかとブチ込む演出も違和感なく受け入れられた。

ギャグは間の取り方がかなり鍛えられていた上にこういう舞台なので客席も暖かかったこともありすんなり笑えた。

予算の都合からかこれまでと比べ舞台セットをかなりシンプルにしていたが、それを補うため役者が頑張らざるをえずかえって彼女達の成長に寄与した感もある。

 

牧内莉亜さんが出演しないことの心配は完全に杞憂で、役者の総合力で言えば今までで一番高かったかもしれない。

新しい役者が入ったことがきっかけなのか、より切磋琢磨していたのがうかがえる良い緊張感が漂っており、役者の意識がかなり高くなったと感じた。

 

若柳琴子さんはまっすぐに感情表現できる素直さと、指先まで行き届く丁寧な役作りができる繊細さ、そして舞台上で片時も気を抜かない集中力と、女優としての才能に溢れていた。

彼女の存在が他の役者に役作りや舞台上での振る舞いについて良い影響を及ぼしたのではないかと思う。是非とも次回も見てみたい。

 

小高サラさんは瞬発力を要する役を難なくこなす柔軟性と、それを演じきる芯の強さがあった。

ルックスレベルの高さもあり自信に満ちた演技は堂に入っていたし、彼女の演技を見て良い刺激を受けた役者も多いのではないかと思う。

 

武野汐那さんは前回から最も成長した役者の1人で、役に要求されてかこれまでのただ可愛らしい演技から少し脱皮して表現するということに向き合っているように感じた。

今回見てこれからの成長がより楽しみになった。

それにしても可愛い。歌唱力がまだまだズッコケなのも微笑ましい。

 

星乃明日美さんは声質は相変わらず良いが、前回の役の方が合っていたのか役作りに苦しんでいた感があった。

滑舌はほんの少しだけ改善されたかもしれない。

太い脚を今回は隠してしまっていたのがとても残念。好きなんだけどなあ。

 

崎本紗衣さんのナチュラルな演技も好きだった。スタイルがとても良いため、見ているだけでステージ映えするのが武器か。今後も見てみたい。

渡辺梨世さんは役と一緒にこれまでのワチャワチャしたキャラから一皮むけようともがいているように見えた。いっそのこと全然違う役柄をやってみると良いかもしれない。

小西はるさんは、今回もこれまでと同じような演技に見えてしまった。彼女もいっそのこと落ち着いた役などをやらせてあげて、新しいことにチャレンジさせてあげて欲しい。