日々ビジネスの前線で激務と言うイメージがあるからだろうか、そんなオレが「週末は何をやっているか?」ということを良く聞かれる。
「猛さんって、オフィスの外ではどんな生活しているんですか?」とオレの部下からも聞かれるくらいだから、オレの私生活はよっぽどなぞ満ちているのかもしれないな(笑)。
オレの週末の朝は早い。せっかく休日の時間に追われない貴重な朝を、二日酔いや寝坊して過ごすのは勿体無い。ならば、平日に遅刻してゆっくり寝ていたい(笑)。
週末の朝は8時くらいから家事を始める。たまった洗濯、クリーニングと簡単な掃除などだ。最近、部屋の掃除はお掃除ロボットのルンバに任せているので、家全体が概ねきれいに保たれているから、自分でやる掃除は簡単に済む。
ところで、ルンバはとてもお勧めだ。たまに、リビングの毛の長いラグにルンバが足を取られて、そのまま動けず息絶えていることもあるが、その健気さが中年心をくすぐってくれる(笑)。
家事の後は、簡単な朝飯を食って(もちろん和食だ)、9時半くらいから近所のジムに出向く。
ビジネススクールで勉学と同じぐらいジムで鍛えまくる米国のパワーエリートを見て、好きなだけ飲み食いして寝ている生活では、いずれこいつらと勝負にならなくなることを痛感したもんだ。
MBA留学から帰って来てしばらくは、日本企業らしい激務と酒席のせいで太ってしまったんだが、肉体改造に取り組もうと、そこから週3回はジムに通って、ウェイトとマシンによる筋トレ、さらに10kmのランニングをしている。おかげで今は20代の学生時代と、あまり変わらない体系を維持している。
このように週末の午前中はジムでトレーニングに励み、それから家に帰ると、読書、そしてパソコンで簡単に仕事をする(最近は、ついTwitterをしてしまうわけだが、笑)。
オレは週末の仕事は、土曜の午後のみと決めている。それ以外はブラックベリーもPCもあまりチェックしない。緊急のことがあれば電話がくるだろうと割り切っている。
そうこうする内に夕食の時間になるが、オレは夕食を自炊することは滅多にない。たいてい外食に出る。
高級レストランと言うよりは(この辺はビジネスディナーや女性同伴で平日夜に行くからな)、近所の焼き鳥屋で長年知り合いの大将とよもやま話をしながら酒を飲むとか、やはり近所の串かつ屋でアルバイト店員の女の子の恋愛相談に乗りながら串をつまむとかが、オレのお気に入りだ。
時には大学時代の悪友や、仕事関係の人と、マンション系の隠れ家なんかで、と語りながら飲むこともあるけど、休日は可能な限り近所で、自分一人の時間を大切にするよう心がけている。
新入社員~2、3年目の連中は、けっこう週末も出勤して懸命に働く人もいるだろうが(商社もますます欧米化しているためか、最近、減って来ている気がするが)、そういうのは本当に若い時代だけにしておいたほうが良い。
人生には仕事以外でも、「家族」「友人」「趣味」などいろいろな要素があって、その中の一つが「仕事」だという認識くらいで良いのではないか。もちろん「家族」「友人」「趣味」など不要で、モーレツにビジネスこそ人生と言うなら、それも良い。それは正解があるわけではなく、価値観だからだ。
ただ、これはMBA留学中に訪れたある教会の牧師が話していたことだが、数多の成功者が死を前にして言うのは「仕事よりも、もっと家族との時間を持っておけば良かった」と言う後悔の念だそうだ。誰一人、「もっと仕事をしておけば良かった」と後悔する人はいないと。
むしろすべて仕事だけの人生なんて、簡単そのものだとすらオレは思ってしまう(こんなことを言うと、「オマエのような若造に何がわかるか」と、役員連中に怒られそうだが、だが人生をENJOYしている度合いなら、オレはどの役員にも負けていないつもりだ!、笑)。
生きがいのある人生とは、「家族」「友人」「趣味」「仕事」などの要素のレーダーチャートを極力バランス取れた形にしながら、さらにその面積を増やす、つまり遊びも仕事も家族も友人も、すべて全力で向き合うというのが理想的な生き方だ。若い時は特異な形をした生き方が個性かもしれないが、円熟を増してくると、バランスの取れた人生をどう描けるかが、素敵な中年の条件だ(だから、仕事は手を抜いて、家族どっぷりと言うのも、当然、如何なものかと思う)。
全部をしっかり充実させるなんて、相当、ハードなことだ。だから人生はおもしろいんだ。デカく行こうじゃないか!
今日も焼き鳥屋で酒をかっくらいながら、この記事を書いている。仕事だけの人生なら、ここで大将と焼酎について語り合うことなどないだろう。だが、オレにとってのこの時間は、オレの生き様の一ページなのだ。
こんなことを書くなんて、若干酔いが回っているようだな(笑)。 まだ夜は長いし、大将に焼酎をもう一杯もらおう。
武浪 猛