浅虫温泉のゆーさ浅虫で『津軽』を思う | 湘南雑筆堂~本と美味いもん日記~

湘南雑筆堂~本と美味いもん日記~

湘南(?)に暮らし30年近く経ちます。30年も住んでいると、いろんな発見をするもんです。 
 そんなちょっとした湘南の発見を自分の読んだ本に絡めて皆様にお伝えできればなと思います。
 

今夏の青森旅行の雑記。

横須賀を朝4時に車で出発して、青森入りしたのは午後4時くらいだったかな。

5年くらい前にも青森に行ったけど、その時は宮城で一泊してから、青森を目指した。今回は一気に青森を目指したんだけど、疲れたら妻と運転を交代しながらなんとか青森入り。途中、サービスエリアで3回くらい休憩、気合い入れてきても、神奈川から青森まで約800キロ、渋滞などなかったが、12時間はかかる。早くついて青森を楽しみたかったけど、なかなかそううまくは行かない。

初日はゆっくり温泉にでも浸かって、疲れを癒そうってことで訪れたのは、こちら……



浅虫温泉のゆーさ浅虫。

こちらは道の駅浅虫温泉にある温泉施設。
一人350円で入れる非常にリーズナブルな温泉。

お風呂からも海を眺めながらゆったり入れる。

一日運転にだけ時間を費やし、ようやく手に入れた癒しの時間。



湯に浸かりながら、前回の青森旅行の際に手にした本が太宰治の『津軽』のことを思い出す。

 

 

 


太宰が故郷の津軽を旅行した時の思い出を綴ったエッセイ風の小説にここ浅虫温泉のことが記載されている。

「青森市から三里ほど東の浅虫という海岸の温泉も、私には忘れられない土地である。」

この後には『思い出』と言う小説をあげ、太宰が母と病後の姉が湯治で借家住まいしている浅虫温泉を訪れて受験勉強に没頭していたことが書かれている。

「この浅虫の海は清冽で悪くは無いが、しかし、旅館は、必ずしもよいとは言えない。」

あらら、こんな風に言っちゃうんだ(>_<)。

さらに、
「思い切って悪口を言う」と続くのだが、少し言い過ぎたと思ったのか「小さい勘でものを言っているだけで、他には何の根拠も無いのであるから、私は自分のこの直覚を読者には押しつけたくはない」と言い訳しているのが面白い。

「浅虫も、いまは、つつましい保養の町として出発し直しているに違いないと思われる」

青森から帰ってきてもう二週間。
『津軽』を読んで青森の旅を思い返している。

また、行こうかな。

 

●湘南雑筆堂~太宰 治 関連記事~

・『津軽』

ダザイキライ