【ニュース】iPhoneアプリの売れ行きを左右するすごいブログ | 『iPhone』オススメ情報-.JP-

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Appbankさんが記事になっていたので紹介します。

IT+PLUSさんの記事です。

iPhoneアプリの売れ行きを左右するすごいブログ

アップルのスマートフォン「iPhone」向けアプリケーションを紹介する「AppBank」というブログメディアがある。
一般にはそれほど知られていないが、AppBankで取り上げられたことで無名のアプリが急に販売を伸ばす例も出ており、iPhoneユーザーやアプリ開発者に大きな影響力を発揮し始めている。(新清士のゲームスクランブル)

AppBankのメディアとしての実力を物語るのが、2月22日に東京のアップルストア銀座店で開催されたゲーム開発者向けセミナーだ。
筆者も運営に関係している国際ゲーム開発者協会日本(IGDA日本)が主催したものだが、AppBankの運営者である村井智建氏を講師に招いたところ、80席の会場は開始前に満席となり、立ち見でいっぱいに。
最終的には入場制限がかかるほどだった。


数万本のアプリを売るパワー
AppBankがこれほど注目されているのは、iPhone向けアプリを実際に万単位で売るパワーを持っているためだ。
AppBankがアプリを取り上げるかどうかが販売実績にリアルに連動するという意味で、アプリ開発者にはすでに無視することができない存在となっている。
AppBankは08年6月に、「iPhoneアプリをおすすめするAppBank」というサイト名でスタートした。
その名のとおり、有名無名のiPhoneアプリのレビュー記事で構成されたサイトである。
昨年2月時点ではまだ月間100万ページビュー程度だったが、昨年10月にiPhone用の専用ビューワーアプリをリリースすると、一気に1312万ビューに跳ね上がった。
ページビューはiPhoneの普及に連動する形で上昇を続けているようで、今年1月は1700万ビューを稼いでいる。
村井氏によると、「AppBankを始めたのはそもそも、自分もiPhone向けアプリのソフトウエア会社として儲けるためだった」という。メディアを持っていた方がアプリの販売時に有利と考えたわけだが、そうとは思えないほど内容は充実している。

365日更新 無名アプリをヒット作に
驚くのは、休むことなく書き続ける徹底ぶりだ。
1日平均11本の記事をアップしており、そのうち9本がレビュー記事。
1年365日更新していて、現在までに4600本の記事を公開している。
記事の多くは、スクリーンショットを多用してアプリを解説しており、批評ではなく「紹介」にポイントを置いている。
AppBankの影響力を示す例の1つに、「SmackTalk!(iTunes:115円)」というアプリがある。
当初はまったく無名だったが、昨年6月にAppBankが記事に取り上げるとダウンロード数が数万本まで上昇し、有料アプリのランキング上位に躍り出た。その人気はしばらく続いた。
SmackTalk!は、iPhoneの録音機能を使ってマイクに吹き込んだ声を、動物が話しているように加工して見せるソフトだ。
しゃべったことをオウム返しで再生するだけだが、AppBankでは村井氏自身がこのソフトで遊んだ動画を「YouTube」を使って記事に付けた。
この動画は、村井氏が「へへへ」とモルモットとして笑っているだけの内容だが、おもしろさが素直に伝わってくる。こうした潜在的な魅力を記事で引き出すことで、何万ダウンロードという人気アプリに育つ例も多いという。

アプリの低価格化でユーザーに起きた変化
iPhone向けアプリは超供給過剰で、成功している企業は一握りに過ぎない。
米情報サイト148Apps.bizによると、総アプリ数は18万本を超え、毎日平均702本増えているという。
ゲームだけでも約2万4000本あり、1日に80本ずつ増えている。
しかも、そのうち25%は無料アプリで、有料アプリでも約6割は販売単価が1~3ドルと低い。
これがアプリ開発者の大きな悩みとなっている


この低価格化問題について村井氏は、ユーザー側の視点から別の見方を示す。
「コンテンツの消費スピードが加速する」という新たな消費スタイルを生んでいるというのだ。

村井氏がイメージするAppBankのユーザー像は、「何もすることがないとき、暇つぶしにAppBankを見る。そこで何となくおもしろそうなアプリがあればダウンロードして、おもしろくなければ、すぐに消してしまう。何となく遊んで、何となく消すの繰り返し」と語る。

アプリ価格が極端に安いので、ユーザーは「捨てることに対して抵抗感がまったくない」という。
1日にアプリを10本ダウンロードしているユーザーも少なくないようだ。

AppBankを経由したアプリ販売が特に伸びる時間帯がある。
毎日昼前に掲載している「セールアプリ情報」の記事の直後だ。
アプリ開発者はよく有料ソフトを値下げしたり一時的に無料にしたりして、ユーザーを増やそうとする。
そのお買い得情報は通常ユーザーが自力で探すしかないのだが、AppBankは毎日1時間半あまりをかけてアプリ販売ストア「AppStore」を丹念に調べて、セール情報を記事にまとめている。
この記事だけで、1日のアクセス数の8%を占めるほどの人気ニュースだ。
村井氏は、「ユーザーはセールという言葉が本当に好き」と話す。
セールのタイミングをうまく仕掛けることで、何万本もの売り上げにつなげているソフトはいくつもあるという。ユーザーにとって、AppStoreは「無料だし、安いし、毎日セール」の世界であり、それに合わせたアプリの販売手法はまだいろいろとあるのかもしれない。

AppBankの収益源はアフィリエイト
AppBankは現在、専任スタッフ2人を含め8~9人で運営している。
どこで収益を上げているかといえば、アフィリエイト収入だ。アップルはリンクシェアという企業を通じて、AppStoreで販売するアプリ用のアフィリエイトプログラムを提供している。
AppBankのリンク経由でAppStoreの売り上げにつながった場合、アプリ販売収入の4%がAppBank側に入る。
AppBankはこのアフィリエイト収入だけで運営費をまかなっている。
つまり、アフィリエイトという単価の極端に低い商売でもスタッフを養えるほど、AppBank経由のアプリ販売は多いということだ。
村井氏自身も「AppBankの最大のライバルはAppStore」と語っているが、類似のサイトは日本はもちろん海外にも見当たらない。


村井氏が開発したiPhone向けアプリとは
その村井氏がAppBankで得た利益をすべてつぎこんで開発したというiPhone向けアプリが2月26日、配信開始になった。
トランプゲーム「ポケットベガス(iTunes:無料)」だ。最初のバージョンは「ソリティア」で基本料は無料、ネットワーク対戦が有料となっている。

AppBankの経験でiPhone向けアプリを肌感覚として知るだけに、ポケットベガスはアプリ販売を有利に展開するための工夫が随所に盛り込まれている。

まず、誰でも知っているトランプゲームの「プラットフォーム」アプリである点だ。
これは、ルールのプログラムさえ変えれば、いくらでもゲームのバリエーションを増やせる利点がある。
また、他のユーザーとのネットワーク対戦を前提に開発しており、「ソーシャルゲーム」の機能も持たせた。
ネットワーク対戦用に何らかの形で「ポイント課金」を導入することも想定しているようだ。
村井氏は、「AppBankはポケットベガスで成功するための壮大な仕込み」と言い切る。
AppBankの影響力をポケットベガス普及のために貪欲に活用していくようだ。

既存のゲームメディアやゲーム誌は、ゲーム会社の広告に依存するため、編集の自由度を確保するのに苦労する。AppBankはアフィリエイトという別の収益源を見つけたことが、他のゲームメディアとの決定的な違いといってもいい。

AppBankは海外からの要望が高いこともあり、年内に英語版を立ち上げる予定という。
iPhone向けアプリ市場は収益確保や持続的な成長が極めて難しいと考えられているなかで、日本で確立した「しくみ」を世界に広げることができるか。楽しみな挑戦になりそうだ。

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