平成29年4月24日、次田真幸訳の『古事記(中)』を読破した。 神武天皇から応神天皇までの話 | 松陰のブログ

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平成29年4月24日、次田真幸訳の『古事記(中)』を読破した。
 

神武天皇から応神天皇までの話が収まっている。神武天皇の章において、天皇という言葉を探したが、45頁の「歌を以ちて天皇に白して曰く」という文章で初めて「天皇」という言葉が出てきたように思える。はっきりと天皇に即位したという記述はないように思えた。26~27頁における「天つ神の御子」というのが天皇への即位を意味しているのだろうか?天照大御神と高木神の二柱の御命令と記載されている。また、神武天皇を導いた者として八咫烏が出てくる(26頁)。八咫烏とは、サッカー日本代表のシンボルマークやエンブレムに使われている生き物である。

 『古事記(中)』においては、やはり倭建命であろう。熊曾や出雲、東国を征討し、天皇陛下の全国統一へ貢献した(137頁~)。しかし、倭建命は景行天皇には好かれてはいなくて、また、兄の大碓命に暴行するような乱暴者であったらしい(136頁)。また、倭建命が持つ草那芸剣と三種の神器のひとつである草薙剣との違いが記載されている(152頁)。倭建命は悲劇的な死を迎えるが、その後の天皇家の系統を鑑みると、倭建命の血が天皇家に受け継がれていることが分かる<仲哀天皇の両親について(173頁)>。

以前、見識を広めるため、貨幣博物館へ個人的に社会見学へ行った時、昔の紙幣が展示してあり、その中に、武内宿禰と神功皇后の紙幣があった。『古事記(中)』に、その武内宿禰(72頁)と神功皇后(179頁)についても記載されている。

初代天皇に関しては、神武天皇説と崇神天皇説があり、「神倭伊波礼毘古天皇」、「初国知らしし御真木天皇」の話を提示して紹介している(99頁)。また、教科書にも出てくる応神天皇と仁徳天皇に関しても記載があり、応神天皇から仁徳天皇へ継承される間に兄弟間での権力闘争があったことが記載されている(228頁)。古事記に記載されている逸話は、メタファーであり、象徴であるということ。逸話は、当時の勢力争いが、ファンタジーを通して暗示されているということである。

次は、いよいよ『古事記(下)』を読み始める。