陣川公平著『すぐに役立つ勘定科目処理マニュアル』という書籍を紹介する。 経理の仕事において、勘 | 松陰のブログ

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陣川公平著『すぐに役立つ勘定科目処理マニュアル』という書籍を紹介する。

経理の仕事において、勘定科目の種類と意味を知っておくことは重要です。英語で言えば、会計処理手順や原則が英文法で勘定科目は英単語という関係のように思えます。英文法を知っていても英単語を知らなければ使えませんし、逆に英単語を知っていても英文法を知らなければ全体の意味を正確に伝えることはできません。そういう意味において、勘定科目を知ることは経理業務上、とても大切なことです。実際の経理でも日々仕訳をします。その場合、この費用が何という費用勘定になるのかを知らないと仕訳ができません。通常の経理課には簡易な勘定科目表があり、それを元に仕訳をしています。仕訳という簿記における勘定科目の知識の重要性は高いものです。仕訳は地味な仕事ではありますが、会計データのもとを作成する重要な業務です。私は好きでした。

勘定科目で要注意な科目は、仮払金(85頁参照)、前渡金(88頁参照)、未収金(90頁参照)、前払費用(92頁参照)、未収収益(97頁参照)の区別と未払金(179頁参照)、前受金(184頁参照)、預り金(186頁参照)、前受収益(190頁参照)の区別です。共に回収や支払に時差のある科目なのですが、微妙に差異があり、つかんでおかなくてはならないポイントです。

会計で一番の基本は「現金勘定」でしょう。では現金勘定の記載を紹介します。現金は会社活動の起点であり終点です。出資によって投入された現金は、会社活動の流れにそって、色々と形を変えていきながら、最終的には再びもとの現金に置き換えられ、出資者のもとに帰ります。この企業活動を数字的に反映するものが会計であるという意味で、現金はまた企業会計の核をなすものであり、シンボルでもあります。もちろん、複雑化した会社の取引の中で、実際の現金が動き働いている場所と比重が少ないものです。しかし、全ての会計勘定が「現金」勘定に集約されているので、現金勘定の重要さは変わりませんし、現金勘定の扱いがルーズであるということは、他の全ての勘定科目の扱いがルーズであり、ひいては会計処理も信頼におけないということに繋がってきます。そういうことから現金については、現物としての現金の扱いはもちろん、勘定科目にも十分に細心の注意が払われなければなりません。現金科目にあてはまるものは、出納係の手許にある小口現金の他に、次のようなものを現金として扱います。手許当座小切手、送金小切手、送金為替手形、預金手形、郵便為替証書、為替貯金払出証書、未渡小切手、外国通貨、トラベラーズ・チェック(旅行者小切手)、その他場合によっては、期限のきている国債、社債などの利札、切手、収入印紙、切符です(36頁参照)。

会社には、研究、仕入、生産、販売、管理と色々の働きがあります。この働きは最終的には決算書という形で表わされます。そして決算書は勘定という項目と数字から成り立っています。つまり、会社の働きは、勘定科目と数字によってはじめて目に見えるものとなります。また、決算書は社内管理に使われ、同時に広く社外に公表されますが、いずれの場合も、会社の実態が正しく捉えられていることが第一の要件です(1頁参照)。陣川公平氏著の『すぐに役立つ勘定科目処理マニュアル』という書籍は勘定科目の特性を的確かつ容易に紹介している素晴らしい書籍です。簡易辞書にも利用できる重宝な書籍でもあります。