文京区の重要文化財(建造物)の探訪録(2) | 柵飯事2~shigaramimamagoto ~

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 天候悪化で中断した文京区の国指定重要文化財の建造物の探訪録の続きです。
 まずは、小石川植物園の敷地内に行きます。
 

 入口からすぐに坂があり、登りきるとあるのが本館です。これは文化財指定は受けていません。
 小石川植物園は東京大学の附属機関なわけですが、安田講堂ほか東大の多くの施設を設計し、東大総長も勤めた内田祥三によるものです。内田の作品は左右対称性と直線的な機能美と縦のラインを意識したところに特徴があり、この本館もL字の配置となっていながら、それが表れている一方で、さらにシンプルな様相となっています。これは1939年(昭和14年)に竣工したもので、東大の本郷キャンパスのメインの建築物よりもあとに造られたもの。当時の流行であったアール・デコの影響と、内田ゴシック垂直性が混在しているところが面白いです。
 

 さて、お目当ての国指定重要文化財、「旧東京医学校本館」、現東京大学総合研究博物館小石川分館です。小石川植物園は敷地の端っこにしか出入り口がなく、この旧東京医学校本館は出入り口の対極の場所にあることから、往復で1.5km以上歩くことになります。

 東京医学校は東京大学の前身で、これは1875年に竣工した木造建築物となっています。擬洋風建築と言われるもので、要は和の技術により見様見真似で作ったものです。もともとは本郷あったものを移築したそうです。

 残念ながら、耐震上の問題があることから現在は入館できません。

 

 

 そこからほど近い丸ノ内線 茗荷谷駅が最寄りの重文、「旧磯野家住宅」、通称、銅御殿(あかがねごてん)です。木造建築、1912年(大正元年)の竣工で、今では緑青御殿って感じでしょうか。
 入館は完全予約制で、残念ながら急遽の探訪だたので遠目に眺めるのだけでした。
 高台に立地しており、今では集合住宅に囲まれていますが、3階から眺める当時は景色はさぞ良かったのでしょう。ものすごい高価な建材を使用しているとかで、なんとか再訪して内部を見てみたいものです。
 

 さて、さらに西に進むと真言宗豊山派の大本山、護国寺があります。豊山派は関東に多く、宗務所も奈良の総本山、長谷寺ではなくこちらにあるので、東京本店といった感じですかね。
 本堂は1697年建立、屋根は入母屋造、銅葺となっています。なかなかの巨大な建造物です。
 
 護国寺の境内にあるの月光殿(旧日光院客殿)です。もともとは滋賀の園城寺 (三井寺)にあったものが1892年に東京に移築され、1928年に現在地に再移築されたそうです。
 三井寺には光浄院客殿と勧学院客殿があり、いずれも国宝指定を受けています。月光殿もその2棟と同じく1600年前後、かつ書院造のものです。
 普段は非公開ですが、探訪した日にたまたま茶会が催されていたので、一声掛けて遠慮がちに撮影させてもらいました。今から十数年前の補修の際、瓦葺から檜皮葺に戻されたそうです。
 いつかは全景や内部を見てみたいものです。
 
【終わり】