ジュニアテニス備忘録(60)日大アメフト部員の不祥事に思うこと | 柵飯事2~shigaramimamagoto ~

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 日大アメフト部員の大麻事件がいまだ出口が見えません。この事件に加えて、本年は、東農大ボクシング部員4名が大麻所持で、同志社大学アメフト部員3名が準強制性交でそれぞれ逮捕されており、寮生活をしている体育会学生の倫理観が注目されています。

 

 我が息子さんが就職で遠くに行ってしまったことから、噂話を含めた大学体育内の内部情報を得るチャンネルを失いましたが、関東の2大学の体育会のきな臭い噂は以前よりあって、他の体育会系学生のみならず一般の大学生の一部にも知れていたと聞いています。改正民法が施行され、成人は18歳以上となっていますから、世間からは、倫理観の低い部員の悪影響を受けての犯罪や不法行為であれば自業自得と評価されても当然です。ただ、社会常識というものは20歳前後で自分の努力だけで身に付けられるものではなく、様々な人たちと触れ合うことで経験的に体得しなければならないところ、寮生活を営む体育会系の学生は、非常に限られた人間関係の中で競技やその準備に集中すべき環境にあるという点で一般の大学生と大きく違っています。

 

 真偽はともかくとして、こうした類の噂はいくつかの大学体育会においてもあることは一部学生の間で共有されていて、残念ながら暗数がないということはできなさそうです。これら集団心理による不祥事防止のために部の監督やコーチが寝食を共にしたり、寮長などが細かく生活の見守りをしたりするのが理想はありますが、コスト的に難しい面もありますし、入寮する学生やコーチの中にいるトップアスリートとして扱われて勘違いし、態度が悪い者を排除することもできません。スポンサーがついている学生の中には、必要経費と称して給与相当の金銭を受給している場合もあり、実に非常識な金遣いをしている者もいるとも聞きました。

 

 自分の経験上、ジュニアの競技テニスは他の競技に比べても経済的負担その他家族の全面的支援を要することから、競技者は比較的良いところの家庭の割合が高いと思われます。そして、テニス競技者は集団競技のチーム内での上下関係を含めた特異な人間関係を経ていないので、競技テニス部の大学生はよくある体育会学生のイメージとは少し違うのかなあとも思ってます。

 しかし、過去の記事において触れたとおり、テニス競技自体が対人スキルの向上に役立つものでもありませんし、かつ、他の本格的な体育会と同様、アルバイトをしたり、大学での交流による社会性確保の機会も限られています。割合は少ないでしょうが、テニス競技者たる学生にも一定数性格悪が含まれており、集団心理による上記のような不祥事が生じるリスクはゼロではありません。このブログを見ているジュニア競技者のお子さんを抱える方、しかも本格的な競技部に入ることのできるお子さんをお持ちの方はあまりいないと思いますが(笑)、該当する方は、非常にしっかりしたお子さんであればともかくとして、お子さんを預けようとしている競技部が生活指導や見守りといった人間力の育成をどのように考えているのかは確認した方が良さそうです。

 

 全ての一流選手が大谷亮平選手のようにストイックで人間力が豊かなわけではありません。坂本勇人選手や中田翔選手、山川穂高選手のようにトラブルメーカーが、朝起きてから寝るまで一緒になることだってあるのですから。ちなみに、ある大学関係者からの話ではありますが、みなさんもよくご存じのあのアスリートやこのアスリートもテレビなどからのイメージとはまるで違うダークな側面があるということも最近知ってしまい、テニスを含めてスポーツ競技界は思ったよりも閉鎖的だということをしみじみ感じています。

 

 しかし、噂がある程度広がっていたとされる今回の一件、指導者側が知っていて対処していなくても、知らなくとも、危機管理能力が欠如していると言われても甘受せざるを得ないでしょう。セミプロたる大学体育会系であっても一般的な組織運営を知らずに競技指導にのみ全集中してしまう指導者も相当いますので、各大学はこれを機会にしっかりと対策を打たないと類似の事案が起きかねないと思います。